ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

NHK大河ドラマのテーマ曲の世界①

ムー大陸です

 

 

今回はNHK大河ドラマのテーマ曲についてです。

ご存知の方も多いと思いますが、NHK大河ドラマ(以下大河)とはNHKが毎年、基本的には1年かけて放送する歴史ドラマです。現在も紫式部を主人公とする「光る君へ」を放送中です。同作品で63作目、つまり、大河の歴史は既に60年を超え、そのテーマ曲も63曲あることになります。

 

大河のテーマ曲に明確なルールのようなものはありませんが、基本的に歌の無いインストゥルメンタルで、NHK交響楽団が演奏するクラシック仕様、ドラマの尺との関係で長さは2分から3分程度の楽曲です。最近は2分40秒前後に落ち着くことが多いです。従って、その作曲者には主にその時々に名が知られたクラシック畑の作曲家が選ばれることが殆どです。

 

よく、大河のテーマ曲ランキングと称して投票を募ったり、あるいはマイランキングを紹介する記事等を見かけますが、かなり新しいものに偏る傾向が強いと感じます。これは古い作品を見ていない人が選んでいるからそうなるのだと思います。これだと不充分です。

 

以前にも書きましたが、私は歴史マニアで、学術書、史料も好んで読みます。音楽以外の趣味と言えば歴史です。歴史ドラマはよく見ますし、大河も現在視聴可能なものは全て見ました。その上で感じることは、テーマ曲への評価はドラマそのものへの評価に左右され易いということです。結局、ドラマ自体つまらないと、その中で音楽だけはいいんだけどという評価はしづらい、と言うか、そこまで音楽に注目していません。なので、ドラマ自体の好き嫌いとテーマ曲の人気は結びつきやすいと思います。

 

さて、そこで個人的意見として敢えて言わせて貰うと、昨今の大河の質は以前に比べて落ちていると感じます。ですから、上記のように新しいものに偏ったランキングでは、テーマ曲も質の低いドラマとしか結びついていないと感じますし、私自身はここ数年いいテーマ曲と感じたことはありません。

 

質の低下とはどう言うことか?

それは脚本の劣化です。特にオリジナル脚本が増えて来たことが理由と考えています。つまり、過去の作品は主に、吉川英治司馬遼太郎海音寺潮五郎山岡荘八などと言った歴史小説家の原作に基づいたドラマ化でした。しかし、数を重ねると、そうした材料も尽きて来て新作に頼らざるを得ません。新作のオリジナル脚本と歴史小説家巨匠の作品の差がそのまま出ていると感じます。今年の大河は売れっ子脚本家の大石静氏ですが、彼女は歴史モノの専門ではないのです。一方で歴史小説家は歴史モノしか書きません。そこの違いが作品の濃さに繋がります。誤解の無いように言いますが、作品の面白さではありません。歴史ものとしての質と考えて下さい。

 

例えば、オリジナル脚本にありがちですが、エピソードの出所が分かりやすい。原作者は当然、史料をあたり、材料を取捨選択して作品に取り込むはずです。残念ながら、あそこからそのまま持って来たんだと感じるものが多く、人物像にしても材料を並べた感が強いのです。史料読むのが趣味なので、そう感じてしまうのでしょうが、古い大河はと言うか、例えば、吉川英治氏や司馬遼太郎氏などはそこを煙に巻くのが上手く、出所が分かりにくい。必然的にエピソード回収も予想がつかない訳です。まぁ、あくまで個人的な思い込みなので、ファンの方にはすみません。

 

従って、テーマ曲の評価はドラマの評価と連動し易く、最近の作品は質が低下しているとなれば、マイセレクションは古めの作品に集中することになります。そこはご容赦願います。昔の作品なので、私もリアルタイムで見た訳ではありませんが、今見ても十分面白いものばかりです。ただ、当然長いので、総集編などを見て、それで面白そうだと感じたら全編見てみるのもいいと思います。

 

私のオススメ大河テーマ曲

①「風と雲と虹と

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このオススメはランキングではありません。でも、この曲は不動の1位です。「風と雲と虹と」は1976年の大河。主人公は平将門です。現在のところ最も古い時代を取り扱った大河です。原作は海音寺潮五郎氏です。

そのテーマ曲は山本直純氏です。和太鼓他の和楽器N響のコラボがいいです。メロディは山本氏お得意の勇壮な雰囲気です。

この曲は当時人気となって、主演の加藤剛氏が歌をつけてレコードを出しました。これは不出来で、笑ってしまいます。歌を付ける必要は無いと思いますが、どうしても歌を聴きたい場合は村田英雄氏のバージョンを聴きましょう。

 

加藤剛

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村田英雄盤

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ただ、このテーマ曲に関しては圧倒的に曲が素敵なのであって、必ずしもドラマ自体はそこまで気に入っているわけではありません。いや、面白いですよ。特に加藤剛氏の演じる爽やかな平将門を見ると、実際こういう人だったのではなどと考えます。そうは言っても、今では怨霊としても語られますから、いささか影が無さすぎる気がします。

全話見ることが出来る最古の大河だそうです。

 

他のオススメは次回に。

それでは、また。

 

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新曲公開中です!是非聴いて下さい♪

下剋上

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「春に死のう」

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