ムー大陸の音楽探検

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名曲たちの成績表12〜「The Stranger」

ムー大陸です

 

チャートアクションから過去の名曲を振り返る名曲たちの成績表のコーナーです。今回は、

 

「The Stranger」

 

です。

 

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言わずと知れたビリー・ジョエルの名曲です。1977年に発表した彼の出世作であるアルバムのタイトル曲です。

1970年代は海外アーティストの情報量が少なく、洋楽も海外で売れたものをそのまま国内で売るというよりは、日本で売れそうなものをレコード会社の洋楽担当者たちがセレクトして売っていた時代です。従って、1970年代には日本で妙に人気が高いアーティストというのが存在しました。

 

その理由は様々ですが、一つの大きな傾向として、メロディアスな曲を得意とするアーティストは日本人受けしました。これは英語が理解出来ない日本人は曲の美しさに重点を置くからだと思います。ですから、カーペンターズなんかが好かれました。そして、ビリー・ジョエルもメロディが美しいアーティストです。彼も間違いなく特別に日本で人気が高いアーティストです。

 

いや、ビリー・ジョエルは本国アメリカでも普通に人気です。別に特別日本で人気がある訳ではない。もちろん、その通りです。でも、微妙に人気の熱みたいなものが異なると思うんです。特に77年から80年あたり、つまりビリー・ジョエルが成功した時、アメリカ以上に日本は熱く迎えたと思うのです。その象徴が本日のテーマ「The Stranger」なのです。

 

ビリー・ジョエルはそれまで「Piano Man」(最高位25位)、「The Entertainer」(最高位37位)の小ヒットのみに留まっていました。それがアルバム「The Stranger」からTop10ヒットを放ち、グラミー賞まで獲得したのです。なので、彼がここで一躍スターダムに躍り出たのは間違いありません。でも、実際、チャートアクション的にはそこまで大きくないんです。

アルバムからのファーストシングル「Just The Way You Are(素顔のままで)」これが最高位3位まで上がる大ヒットとなりましたが、その後「Movin' Out(ムーヴィンアウト)」(最高位17位)、「Only The Good Die Young(若死にするのは善人だけ)」(最高位24位)、「She's Always A Woman(シーズ・オールウィイズ・ア・ウーマン)」(最高位17位)と実に微妙です。

 

「Just The Way You Are」

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確かにグラミー賞の最優秀レコードと最優秀楽曲を獲得しました。しかし、例年、大抵ヒットチャートで1位になった曲が受賞するんですが、たまにそうでない年があるんです。イギリス人アーティストが年間1位だったり、アメリカ人でも新人とかニューウェイブ系が年間1位だったりすると、もうちょっと相応しいアダルトコンテンポラリー周辺のヒット曲に白羽の矢が立つことがあります。アルバム発表は1977年ですが、ヒットしたのは78年、受賞は79年です。78年はディスコブームです。ビー・ジーズやアンディ・ギブの人気が凄かった。実際、「Just The Way You Are」が最高位3位だった時、1位がビー・ジーズ「Stayin' Alive」2位

アンディ・ギブ「「Love Is Thicker Than Water」でした。ちなみに、4位はクイーンの「We Are The Champions」です、面白いチャートですね。ただ、ディスコミュージックはグラミーの最優秀レコードには不向きと判断されたのでしょう。なので、別の年だったら、受賞は無かったかも知れないと私は勝手に思っています。

 

つまり、成功は掴んだものの、アメリカを代表するアーティストになるのは80年代に入ってからであり、チャート上でも1位を獲得するのは80年代です。

ところが、日本での売れ方は随分と違いました。そもそも、日本だけなんですよ、今日のテーマ曲「The Stranger」をシングルカットしているのは。アメリカでは何故しなかったんでしょう。ヒットしたと思うけど。他ではオーストラリアでシングルカットしたらしいのですが、ヒットには至っていません。

 

日本ではCMソングにも使われ、メロディが浸透したのでしょう。50万枚を超える洋楽としては異例の大ヒット。もちろん、この年の洋楽で1番の売上でした。ピンクレディーがミリオン連発の邦楽のチャートにおいても年間チャートの24位に入る快挙です。

つまり、日本ではナンバーワン外国人アーティストだったんです。日本においてはピアノマンと言えば、エルトン・ジョンよりビリー・ジョエルでしょう。この2人は一緒にツアーに出たことがありました。正直、世界的に見ると、ヒット曲の多さから、ビリーは互角に渡り合うのはキツイでしょうが、唯一日本においては互角以上だった印象です。

次のアルバム「52nd Street(ニューヨーク52番街)」においても日本独自路線は継続。アメリカでは最高位24位に終わった「Honesty(オネスティ)」が大人気でした。後のベスト盤では日本盤だけに収録されました。

 

「Honesty」

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80年代に入ると、MTVの普及により、日本と世界の市場にあまり差が無くなって来ます。アルバム「Innocent Man」の頃は日本人も完全にリアルタイムで追いかけていました。でも、それはアメリカでの人気が日本での人気に追いついた印象です。ひょっとすると、70年代日本人はビリー・ジョエルを過大評価していたのかも知れません。しかし、80年代ビリー・ジョエルが世界的に大ヒットを飛ばし、それは正当な評価だったと落ち着きました。

アメリカで1位になったのは「It's Still Rock And Roll To Me(ロックンロールが最高さ)」、「Tell Her About It(あの娘にアタック)」、「We Didn't Start The Fire(ハートにファイア)」の3曲。日本のファンにしてみると、意外と言うか、不自然にすら感じるラインナップ。

 

「It's Still Rock And Roll To Me」

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「Tell Her About It」

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「We Didn`t Start The Fire」

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とにかく、日本のファンは「The Stranger」と「Honesty」が大好きです。

それでは、また。

 

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下剋上

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「春に死のう」

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