ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

NHK大河ドラマのテーマ曲の世界②

ムー大陸です

 

 

今回は前回に続きNHK大河ドラマのテーマ曲についてです。前回は総論に加えて、私のオススメを1曲選びました。「風と雲と虹と」です。

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さて、今回は更にオススメとしていくつか挙げていきたいと思います。

 

武田信玄

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これは1988年の大河です。原作は新田次郎氏で、もちろん主人公は武田信玄です。

実は音楽は山本直純氏で、前回紹介した「風と雲と虹と」と同一作者ということになります。結局、私は山本氏の音楽が好きなんですね。ただ、彼の勇壮な曲調は大河によく合っています。丁度このドラマの頃が大河と言うよりテレビの人気全盛期で、視聴率も40%前後でした。

名場面も多く、数ある大河の中でも桶狭間の戦いの描写は最高です。戦争と言うより襲撃、暗殺に近い解釈は新鮮で面白い。また、甲相駿三国同盟のシーンも秀逸。どちらのシーンも今川義元役の今は亡き中村勘三郎氏(当時は勘九郎)の名演が光ります。

 

獅子の時代

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1980年の作品です。これはロック畑として初めて宇崎竜童氏が担当した大河です。ボレロ調のテーマにエレキが入るのが良い。大河の威厳とロックの融合です。

ドラマは幕末から維新の時代を架空の人物を主人公に描いたオリジナル脚本で、山田太一氏の筆でした。正直、ドラマの方は色んな要素が入り過ぎて散漫に思えて、テーマ曲ほどは好きではありません。音楽の印象が強い作品です。

 

花の乱

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1994年の作品です。作曲は三枝成彰氏です。大河のテーマ曲らしくない静かなピアノソロで始まる構成が新鮮です。その上、メロディが美しい。三枝氏の最高傑作と言えるほどの名曲と思います。都はるみ氏が歌有りバージョンを出していましたが、インストの方が圧倒的にいいです。

ドラマは日野富子を主人公とした市川森一氏のオリジナルです。今よりテレビに力があった時代にしては不人気で、当時の大河の最低視聴率を更新しました。なので、あまり評価されていないようですが、ドラマも結構面白いですよ。戦国、幕末、源平でないので、とっつきにくいでしょうが、応仁の乱がドラマで描かれることは珍しい、かなり丁寧に描いてます。そこも価値が高い。足利義政の馬鹿っぷりを先代の団十郎氏が好演しました。

 

花神

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1977年の作品です。音楽は林光氏が担当。大河のテーマ曲にルールはないと前回言いましたが、やはり典型的な大河ドラマテーマ曲というのはあります。最初に力強く盛り上げるイントロやファンファーレ。その後主題を弦楽器で静かに演奏、中間部へ展開して一息、マイナーを使うのも一つの手。再度テーマに戻り、管弦合わせて派手に演奏して、エンディングはしっとりと。こんな感じです。このテーマ曲は正に大河と言った風情です。

ドラマは司馬遼太郎氏原作。日本陸軍の父・大村益次郎を主人公としています。名場面、名台詞は数知れず。吉田松陰処刑シーンは凄い。また、桂小五郎を演じた米倉斉加年氏が素晴らしいです。大河最高傑作に推したいところですが、今では総集編しか見られないので、ナンバー1とは言い難いが、総集編でもかなり面白いです。

 

太平記

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1991年の作品です。これも「花の乱」同様三枝成彰氏作曲です。「太平記」は吉川英治氏の遺作が原作。鎌倉時代末期から建武の中興、南北朝の争乱、観応の擾乱と言う激動の時代を描きます。よって、中心は室町時代となります。室町だと三枝氏と言うイメージでもあるんでしょうか。

正直、これは楽曲はかなり冒険をしていると思います。ただ、それが際立って良いとは思いません。一方、ドラマは秀逸です。「太平記」は南北朝を舞台に足利尊氏を主人公としています。皇統の問題に触れること、足利尊氏は逆賊であることなどを理由にドラマ化は随分と躊躇われて来た経緯がありました。でも、待たされた分良いものになりました。ただ、中身が濃すぎて、1年でも尺が足りない印象でした。

尊氏が弟・直義を毒殺するシーンは最高です。また、北条高時を演じた片岡鶴太郎氏は怪演でした。

 

黄金の日日

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1978年の作品です。城山三郎氏の原作です。呂宋助左衛門が主人公、時代は信長、秀吉、家康が活躍する戦国です。大変面白いドラマで、現在大河の常連脚本家三谷幸喜氏もフェイボリットに挙げています。自身脚本の「真田丸」に松本白鸚氏演ずる呂宋助左衛門を登場させました。私個人的にも現在全編視聴出来る大河では一番だと思います。石川五右衛門一味が秀吉暗殺に大阪城に侵入するシーンは全大河の中で最も好きなシーンです。

音楽は池辺晋一郎氏です。「黄金の日日」を始め5作品においてテーマ曲を提供してます。従って、ミスター大河と言えば、池辺晋一郎氏で間違いないでしょう。彼の作品はどれもレベルが高く、安心してNHKが任せるのも納得です。この曲も商人が海に出て行く雄大かつ爽快なイメージがあって素敵です。

 

実は大河の音楽は複数回担当する人も多いです。今回紹介した中で、宇崎竜童氏以外はみんな複数回担当しています。つまり、大河の音楽はクラシックの素養が必要で、引き受けられる人が限られるのだと思います。ただ、同じような人で持ち回りするのも新鮮味がありません。最近は外国人作曲家が名を連ねるようになって来ました。良い曲なら、誰でもいいと思います。今回は私のオススメテーマ曲について書きました。

次回はここの選には漏れましたが、それなりにオススメの作品、最近の大河も含めて書きたいと思います。

それでは、また。

 

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下剋上

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「春に死のう」

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