ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

名曲たちの成績表11〜「You Can’t Hurry Love(恋はあせらず)」

ムー大陸です

 

チャートアクションから過去の名曲を振り返る名曲たちの成績表のコーナーです。

今回は、

 

「You Can't Hurry Love(恋はあせらず)」

 

です。

 

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これはいい曲ですね。大好きな一曲です。

1966年のスプリームスの大ヒットです。9月10日から2週間ビルボードで1位を記録しています。

60年代はやはりビートルズの時代でした。音楽界の影響力は他とは比較にならないほどに大きい。なので、その時代、彼らのライバルとは誰だったのか?という話題はよく取り上げられます。まぁ、音楽はスポーツとは違うので、あまり宿命のライバルなんて聞きませんが、それでもライバルと呼ばれる存在は確かに挙げることは出来ます。

 

最も比較の対象とされるのはローリング・ストーンズでしょう。同じイギリス出身の人気バンドでしたから。ビートルズより不良っぽいイメージなのもライバルとして良かったかも知れません。あくまで不良っぽいだけで不良じゃないですけどね。ここのライバル関係は人気ロックバンド1位2位の関係でしょう。

 

あるいはボブ・ディランビートルズ自身もディランへのリスペクトを語っていますし、ジョン・レノンの歌詞にも影響があるでしょう。ディランがライバルとされるのは時代の表現者として、あるいはオピニオンリーダーの一面でと考えられます。

 

ビーチボーイズはどうでしょう?ブライアン・ウィルソンビートルズよりも早くロックを芸術へと引き上げようと考えた男です。孤軍奮闘のため、ビートルズに敗れはしましたが、純粋に音楽的なライバルと言えるでしょう。

 

ただ、これらの評価は記録ではありません。記憶の中、感覚的なライバル関係なんです。例えば、チャート上の1位獲得に関して言うと、ビートルズが7年のアメリカでの活動期間中に20曲なのに対し、ストーンズはその間5曲、ビーチボーイズは2曲、ボブ・ディランは0です。つまり、ビートルズは質の面での活躍もさることながら、量でも大活躍。多面体であって各々のライバルはビートルズの一面のそれでしかないのです。

 

さて、お待たせしました。そして、あまり取り上げられることはありませんが、ヒットチャート上のライバルだったのは、何を隠そうスプリームスだったのです。ビートルズアメリカ上陸した1964年に初めて1位を獲得、1969年にダイアナ・ロスが脱退し、そこで全盛期は終わります。その6年間はほぼビートルズと重なります。その間に12曲が1位になっています。つまり、1年間に2曲平均。ビートルズは3曲平均ですが、アメリカ上陸した年に6曲の1位を出しているので、その後はほぼ2曲平均です。

 

多くの1位獲得を持つアーティストは他にいますが、エルヴィス、マライア、マドンナみんなもっと活動期間が長いんです。

1964年以降短い期間にもかかわらず、2曲のナンバー1ヒットを毎年出し続け、ヒットチャートで頂上対決をしていたのですから、ビートルズ最大のライバルと言ってもいいでしょう。

 

そんなスプリームスですから、名曲は数多あります。その中で一番に選ぶとすれば、私としては「You Can't Hurry Love(恋はあせらず)」かなと思います。聴くとすぐにモータウンを想起させるあのベースライン。どれほど流用されたか分かりません。モータウンを支えたバックベーシスト、ジェームス・ジェマーソンの仕事です。もちろん、楽曲提供をしていたホーランド=ドジャー=ホーランドのメロディもいい、ダイアナ・ロスの爽やかな歌声も素敵です。ちなみに、2番目に選ぶのは大きく離れて「Stop! In The Name Of Love」、3番目は更に大きく離れて「You Keep Me Hanging On」あたりか。

 

「Stop! In The Name Of Love」

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「Ypu Keep Me Hangin` On」

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「You Can't Hurry Love」は名曲だけあってカバーも多いです。ただ、ヒットチャートに登場したのは1983年のフィル・コリンズのものだけです。名曲、定番過ぎてシングルには向かないというのはあるかもしれないですね。ただ、そのフィル・コリンズ盤、これが最高です。今となってはオリジナルのアレンジは多少古い感じが否めないので、オリジナルよりフィル・コリンズ盤の方が私は好みです。歌も上手いしね、彼は。このカバーは最高位10位でした。80年代フィル・コリンズは大ヒット連発しますが、これはその前のアルバムですね。この後生まれるフィル・コリンズのヒット曲は傑作も多いですが、それでも残念ながら1曲もこのカバーを超えたものはないと思っています。このカバーはそれほどに素晴らしく、そもそもこの曲が不滅の名曲ということでしょう。こちらのカバーも貼っておきます、お楽しみ下さい。

 

フィル・コリンズ

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それでは、また。

 

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「春に死のう」

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「Evergreen」

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「必殺シリーズ」の音楽②

ムー大陸です

 

 

前回に引き続き、「必殺シリーズ」の音楽の話です。

前回、音楽を楽しむためにはドラマを見た方がいいとも書きました。

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サウンドトラックですから、当然本編を見るべきなのは言うまでもないことです。今回は「必殺シリーズ」の音楽をより楽しむためにドラマについて書きたいと思います。

 

ドラマの内容、コンセプトについて前回サラッと説明しました。

金を貰って悪党を殺す殺し屋たちの物語と書きました。大体、殺し屋って金を貰って人を殺すものです。ただ、それって正義の味方じゃありません。いくら殺すのは悪党だって言っても、殺し屋自体が悪党ですから。

はい、そこが核になります。

悪党を殺す大悪党、それがこのシリーズの殺し屋です。決して正義の味方ではないのです。時代劇というのは勧善懲悪の作品が多い。正義の味方が困った人たちを助けて悪党を懲らしめる、めでたしって作品がほとんどです。でも、このシリーズの殺し屋たちは、困った人がいても、金を貰わない限り決して殺しはしません。

 

当初、放送した朝日放送は大人気の裏番組「木枯し紋次郎」に対抗するため、時代劇に時代劇をぶつける奇策を取りました。その際、主人公をダークヒーローという今までにない設定にして勝負をかけたのです。原作は池波正太郎氏です。池波氏も「これをドラマにするなんてよくやるわ」と驚いたそうです。

 

そうして制作された第1作「必殺仕掛人」。浪人西村佐内に林与一氏、針医者藤枝梅安緒形拳氏というキャスト。この二人の遭遇する場面は見物です。梅安は凄腕のベテラン仕掛人です。一方、左内は清廉潔白な浪人で妻子持ちだが、人を殺したくて辻斬りをするという暗黒面を持ちます。これが仕掛人となるのが一回目。梅安はダークヒーロー的必殺の殺し屋の典型で、いつでもクールで、金がなければ決して動こうとしないプロフェッショナル。左内は辻斬りという病以外は人情味がある武士ですから、そんな梅安とぶつかることもある。この構図について制作陣は誰も意識はしていなかったでしょうが、殺し屋のあり方というのは後々活きてきていると私は感じています。勝手な見立てですが、ここが注目ポイントです。

必殺仕掛人」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1bPuZaWgtncNdON4TzQv_b-c6CohQhi5I/view?usp=drive_link

 

第2作「必殺仕置人」からは池波原作から離れたテレビのオリジナルシリーズになります。ここで後のシリーズの顔となる藤田まこと氏扮する中村主水が登場します。また、梅安から続く坊主頭の殺し屋、山崎努氏扮する念仏の鉄が登場。彼らは第一回目に初めてこの稼業に足を踏み入れる設定でした。最初は義憤に駆られて人を殺す、そして、それを続けていくことにするというものでした。「必殺仕掛人」の梅安がプロ中のプロだったのに比べ、素人っぽさが残る殺し屋でした。全て偶然でしょうが、この設定がまた後で効いてきます。

必殺仕置人」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1dw4q93x82P32CPEGyFb1gkMjXFMXa8LT/view?usp=drive_link

 

その後もシリーズは続きますが、第3作「助け人走る」の途中から視聴率が低迷し、第4作「暗闇仕留人」では評判の良かった中村主水が復活します。シリーズの顔も計算ではなく成り行きで復活したのです。このシリーズは偶然が全ていい方向に向かっています。上手くいくときはそういうものかも知れません。この「暗闇仕留人」で石坂浩二氏扮する糸井貢が登場。彼は元蘭学者でインテリなのです。妻の病気治療のため殺し屋をやっている。その彼はインテリだけに仕留人の仕事に様々な疑問を呈するのです。「俺たちが悪党を殺して世の中が少しでも良くなったか」「俺たちが殺した悪党にも家族や恋人がいたんじゃないのか」などなど。これらもストーリーの展開上脚本家が書いたセリフだったのでしょうが、これがそのまま制作陣に対する疑問、シリーズへの問いかけとなるのです。そして、ここへ来てようやく制作陣も気付くのです、このシリーズは単なる活劇ではない、人殺しの業を描いたドラマであるということに。

 

「暗闇仕留人」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1dieTlpMMF4GMwLgFJAbxdraEx2l55y6k/view?usp=drive_link

 

この後、シリーズは中村主水が登場するシリーズと登場しないシリーズをほぼ交互に繰り返していくようになります。主水が登場しないシリーズも面白いのですが、人殺しの業を描いていくとするならば、シリーズを通して登場し、変化、成長していくキャラ・中村主水の存在は実に効果的で、内容の濃いものになってきます。念仏の鉄と出会い、殺しを始める。糸井貢と出会い、殺し屋の業に気付く。その後もシリーズを重ねるごとに新たな殺し屋と出会い、新たな業を背負い、殺し屋として成長していくんです。最初は勢いで始めた素人がプロになり、どういう殺し屋になっていくかを見ることが出来る。これは非常に面白いです。

 

「必殺仕置屋稼業」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1yqtoHt0Ggj8iAAPQ_6t92Hw-8Csz3mDo/view?usp=drive_link

必殺仕業人」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1umSlMWhH7lfZSY5hJMt7qI2ld3OHqV1u/view?usp=drive_link

 

第6作「必殺仕置屋稼業」、第7作「必殺仕業人」で、市松、赤井剣之介という個性的な殺し屋と出会い、第10作「新必殺仕置人」で念仏の鉄が帰って来ます。殺し屋を一緒に始めた仲間です。お互い殺し屋として成長しての再会です。この「新必殺仕置人」の最終回がある意味中村主水のシリーズの最終回と位置付けていいと思います。シリーズ史上最高の最終回という呼び声も高いです。ここは必見です。

 

「新・必殺仕置人」オープニングナレーション

https://drive.google.com/file/d/1kbic8kuOo3NZgJmIz40mUMpoCyuojPps/view?usp=drive_link

 

その後第12作「必殺商売人」に主水はまたも登場。これは最終回後の後日譚と考えています。つまり、最終回では描かれなかった、結局、中村主水はどんな殺し屋になったのかが描かれていると考えています。ここでは徹底的にクールな殺し屋になっています。妻が妊娠し、もうすぐ子供が生まれてくるという設定です。普通ならそれを機に足を洗うところですが、子供が生まれるんで金が要るとの理由で殺しを始めるのです。そんな恐ろしい男になっています。タイトルには江戸プロフェッショナルとついています。これは制作陣からのメッセージと捉えています。この主水が辿り着いたクールな殺し屋像は第1作の藤枝梅安を思い出させます。第1作とここで繋がってくると感じています。

 

ここで終わっていれば良かったのですが、視聴率なども関係し、中村主水はまたも登場します。それが多くの人がご存じの第15作「必殺仕事人」です。この作品で番組は大きくバラエティ路線に舵を切り視聴率は劇的に回復、第30作まで続くロングランになりました。劇場版も多く作られました。ビジネスとしてはその路線は大成功だった言えるでしょうが、それらは既に殺し屋の業を描くドラマではなくなっていました。なので、そこは見なくてもいいとは言いませんが、第12作目までを見た後でいいと思います。必殺シリーズの熱烈なファンは必殺仕事人のシリーズを仕事人シリーズと呼んで、過去の作品と分ける傾向にあります。

 

こういう勧め方は本意ではないのですが、多くの人に楽しんでもらいたいので敢えて書きます。どのシリーズも第一回と最終回は必須で見て下さい。それ以外は基本的に同じことの繰り返しですから、当たりはずれはあるものの2,3回ピックアップしてくれればいいと思います。そのようにしてシリーズを見ると、音楽的には第1作から第3作までがピークで、第4作からは殺しのテーマ曲が消えてしましますが、ドラマ的には第4作で殺し屋の業に目覚めますから、大きく変わることに気付きます。第4作から第10作あたりのドラマと結びつけると、音楽も楽しく聴けるでしょう。今ではU-Nextなどで配信されています。是非一度見てみて下さい。

それでは、また。

 

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「Evergreen」

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「必殺シリーズ」の音楽①

ムー大陸です

 

 

パララー パッパッパッパーラッパッパ パララー♪

というトランペットのファンファーレで始まるテーマ曲を聴いたことがある方も少なくないと思います。

 

あれは「必殺シリーズ」の音楽です。

 

「必殺!」

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必殺シリーズ」とは1972年に放送開始、その後30作に渡って制作されたテレビ時代劇のシリーズです。金を貰って悪党を殺す殺し屋たちの物語です。諸事情により必殺の文字がタイトルから外されたこともありましたが、殆どがタイトルに必殺の文字を冠していることから「必殺シリーズ」と呼ばれます。一旦昭和のシリーズは終了しましたが、平成になって復活、最新では2023年、現在でもスペシャル番組が不定期に作られている人気のシリーズです。その記念すべき第1作「必殺仕掛人」のために書き下ろされた殺しのテーマ曲が上記のパララー♪であります。

 

その音楽を担当したのは主に平尾昌晃氏です。ロカビリー歌手として活躍し、その後作曲家へ転身。多くのヒット曲を生み出した歌謡曲の代表的作曲家の一人です。そんな平尾氏ですから、多大なる音楽的功績を残していますが、私は彼のどんなヒット曲よりも、この「必殺シリーズ」の音楽こそが平尾氏最大の功績だと信じています。

 

必殺の音楽の特徴は一言で言えばマカロニ・ウェスタンです。

必殺シリーズ」が企画された頃人気だった西部劇、それもアメリカで作られたジョン・フォードのような本格的な西部劇とは一線を画したもの。主にイタリアで制作された、いわゆるスパゲッティ・ウェスタンもしくはマカロニ・ウェスタンの音楽を参考にしています。特に、後に巨匠となる若き日のエンニオ・モリコーネの作品の影響が大です。ところどころスパニッシュというかフラメンコの臭いもしますが、それもマカロニ・ウェスタンのフィルターを通したものを取り込んだ感じです。

 

「西村左内」

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併せて、五木ひろし氏を育てた平尾氏ならではの演歌の要素が加わります。

必殺シリーズ」のエンディングテーマは大抵が演歌です。劇中これを様々な形でインストアレンジしたものを使用しています。これが前述のマカロニ・ウェスタンと混ざり合って独特な雰囲気を醸し出しています。

 

シリーズ第1作は「必殺仕掛人」です。

最初だからだと思いますが、演歌色よりマカロニ・ウェスタン色が強いです。「必殺!」と名付けられた上述のテーマ曲は第1回目の放送では番組のエンディングテーマとして使われ、劇中殺しの場面では使われていません。模索しながらのスタートだったのでしょう。回を重ね、「必殺!」が殺しの場面に使われるようになり、併せて、それに歌詞をつけたバージョン「荒野の果てに」が正式にエンディングテーマとなります。それにより多少歌謡曲要素が入って来ます。そして、「必殺!」は後々のシリーズや劇場版で何度も繰り返し使われ、シリーズを代表するテーマ曲となりました。

 

「荒野の果てに」山下雄三

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続く第2作は「必殺仕置人」。

第2作となると、最初から殺しのテーマ曲とエンディングテーマが分離します。殺しのテーマ「仕置のテーマ」は前作の「必殺!」と同様のアップテンポなマーチ風の曲。モリコーネの「夕陽のガンマン」を思わせます。一方、エンディングテーマ「やがて愛の日が」は平尾氏お得意の演歌バラッドです。劇中そのインストアレンジが効果的に使われ、マカロニ・ウェスタンと演歌が混然一体となっています。いいバランスです。

「仕置のテーマ」(動画はないです)

https://drive.google.com/file/d/16aKLEkcaS_N_dKNjlruvYpR4vE4TNfxH/view?usp=drive_link

「やがて愛の日が」

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第3作「助け人走る」になると、再び殺しのテーマとエンディングテーマが同一になります。どちらから先に作られたかは不明ですが、インストバージョン「紫煙立ち上ぼる時~殺しのテーマ」は第1作「必殺!」からの流れを汲む一曲で、アップテンポなマーチです。従って、同じ曲に歌詞がついた「望郷の旅」というエンディングテーマも前作とうって変わって快活な曲になりました。演歌バラッドはお休みです。ここまでが音楽的には「必殺シリーズ」のピークと言えるでしょう。

 

紫煙立ち上る時」

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「望郷の旅」森本太郎とスーパースター

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第4作「暗闇仕留人」において転機が訪れます。

西崎みどり氏が歌ったエンディングテーマ「旅愁」が大ヒットしたのです。また、最初から劇中使用される殺しのテーマは作られず、この演歌バラッドである「旅愁」のインストアレンジが殺しの場面で使われました。ここで初めてマーチ風の殺しのテーマが消えてしまい、エンディングテーマのインストアレンジがその座に就くのです。確かに、演歌のインストアレンジでもドラマの盛り上がり的には問題ないということを確認したとも言えます。ただ実情としては、毎回マーチ風の殺しのテーマ曲を用意する材料が尽きたと考えています。

旅愁」西崎みどり

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「仕留て候」(「旅愁」インストアレンジ)

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従って、その後は殺しのテーマとして新曲が導入されることは稀にありましたが、基本的にはエンディングテーマのインストアレンジが主流になってきます。もちろん、マーチ風のアレンジを施し、その中から傑作も生まれることもあります。第10作「新必殺仕置人」では、殺しに向かう場面と殺しの場面に各々テーマ曲を設けました。殺しへ向かう場面には新曲のマーチ「仕置人・出陣」。殺しの場面にはエンディングテーマ「あかね雲」のマーチアレンジ「仕置のテーマ」が使われ、どちらも素晴らしいものでした。ただ、それらは例外で、大体がエンディングテーマの演歌がマーチ風ではなくインストアレンジされたものか、過去作において、特に第1作「必殺仕掛人」で作られたものを使い回すかということになってきます。

「仕置人・出陣」(動画ないです)

https://drive.google.com/file/d/1LyMwWlydXC4Fa-V1I8feUMm-7xVfJoxD/view?usp=drive_link

「仕置のテーマ」(「あかね雲」インストアレンジ)

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つまり、音楽的にはほぼ第3作目までの間に完成し、その後はそのパターンを繰り返すこととなるので、第1作から第3作のサウンドトラックを集中的に聴くのがいいと思います。それに加えて上述のようなピンポイントで名作があるので、それらを個別に拾っていくのもいいと思います。

 

ただ、ここが大事なところなんですが、音楽的には第4作以降はパターン化していくものの、ドラマ自体は第4作目以降その世界が深まり、第10作目までかなりの出来のものが揃っています。そのドラマの名場面などと結びつけて音楽を聴くとなると、演歌バラッドのインストアレンジも悪くなく聴こえるものなのです。まぁ、やはり、サウンドトラックですから本編との繋がりは大事なところです。また、殺しのテーマだけが魅力的なのではありません。OPナレーションや劇中のBGMも魅力的なものが多いのです。なので、是非ドラマも一度見てみるとより楽しめると思います。

次回はドラマそのものについても触れていきたいと思います。

それでは、また。

 

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洋楽至上主義11〜「The Longest Day(史上最大の作戦)

ムー大陸です

 

 

私のオススメ洋楽を紹介する洋楽至上主義のコーナーです。今回は、

 

「The Longest Day(史上最大の作戦)」

 

です。

 

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これはタイトルからも察せられるように映画の主題歌です。「史上最大の作戦」は映画の邦題で、原題は「The Longest Day」、どちらも映画のタイトルがそのまま主題歌名になっています。潔くてそういうの好きです。

 

原題を直訳すると「最も長い一日」です。そして、史上最大の作戦とは何でしょう?はい、これはノルマンディー上陸作戦のことなんです。第二次世界大戦時、ドイツ占領下のフランスへ連合軍が上陸を試みるわけですが、それを予見してドイツの将ロンメルが言った台詞「一兵たりとも上陸させない。水際で防ぐのだ。上陸が始まって最初の24時間が重要だ。連合国軍にとっても我々にとっても最も長い一日になるだろう」、ここから原題は付けられています。やはり原題の方がかっこいいです。

 

作詞作曲はポール・アンカです。映画公開は1962年ですから、アイドル的に大人気の頃です。彼はこの映画にも出演していて、主題歌を任されました。音楽のモーリス・ジャールは劇伴だけで主題歌は書かせて貰えませんでした。よくある話です。ポール・アンカ自身が歌ったものがサントラに収録されていますが、さすがにアイドル向きではないと判断したのでしょうか、主題歌として使われたのはミッチ・ミラー楽団のバージョンです。大正解でした。

ポール・アンカ

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ミッチ・ミラー楽団はテレビで人気の国民的男性合唱団です。テレビ番組「Sing Along With Mitch(ミッチと歌おう)」が大人気でした。アメリカの民謡やスタンダードナンバーを合唱団が歌い、指揮者であるミッチは合唱団の方ではなく視聴者の方を向いて指揮をする。それに合わせてお茶の間で視聴者が歌うという番組なんです。なので、彼らは健康的で家庭的、古き良きアメリカを象徴する合唱団でした。その番組主題歌「Sing Along」は名曲です。

 

「Sing Along」ミッチ・ミラー合唱団

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また、ミッチ・ミラーは音楽プロデューサーとしても大活躍、パティ・ペイジの「Tennessee Waltz(テネシー・ワルツ)」やローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーの叔母さんです、確か)の「Come On-a My House(家へおいでよ)」は彼のプロデュースです。その後レコード会社の重役に就任、その時に新人のボブ・ディランと契約しています。ただ、ミッチは全くボブ・ディランの良さが理解出来なかったらしいのですが、スカウトしたジョン・ハモンドがあんなに勧めるんだから良いんだろうと黙って契約したと何かで読んだことがあります。余計な事を考えなくて幸運でした。

 

私はミッチ・ミラー合唱団が大好きです。彼らは随分と映画界では引っ張りだこでした。映画「拳銃稼業」の「The Yellow Rose Of Texas(テキサスの黄色いバラ)」、映画「大脱走」の「The Great Escape March(大脱走のマーチ)」、映画「戦場にかける橋」の「The River Kwai March(クワイ河マーチ)」など、いくつも主題歌に抜擢され、いい仕事をしてきました。

 

一方で、アメリカのスタンダードナンバーを数多くテレビで取り上げてます。彼らのベスト盤は必聴です。知ってる曲ばかりで聴きやすい。私は結構ハマって、一時期かなりのヘビロテで聴いてました。歌ももちろん上手い。ただ、どれもまとまってはいますが、他の歌手のものが定番だったりするものはダメです。「Do Re Me(ドレミの歌)」はジュリー・アンドリュースで、「Singing In The Rain(雨に唄えば)」はジーン・ケリーで聴きましょう。

 

さて、当のこの曲ですが、これが最高です。

戦争映画の主題歌ですから、男性コーラスの男臭い感じがはまっています。軍隊と合唱団というのは結びつき易いのでしょう、戦争映画によく彼らは起用されます。サビのところなんかは声がかたまりで迫って来る力強さがあります。

正直、ポール・アンカはそれほど高く評価してないのですが、これを聴くと、そのソングライティングの能力に驚かされます。サントラにはインストバージョンも収録されてます。これもいいです。メロが美しさが際立ちますね。

 

ただ、ここまで書いて何ですが、ミッチ・ミラー合唱団の楽曲としては「The Yellow Rose Of Texas(テキサスの黄色いバラ)」の方が好きなんです。ただ、こちらはアメリカ民謡で、彼らのオリジナルではありません。もちろん、マーチ風にアレンジしてヒットさせたのは彼らの手柄ですが、元々曲が良過ぎる気がするので、今回は「The Longest Day(史上最大の作戦)」を選びました。まぁ、両方貼りますので、楽しんで下さい。

「The Yellow Rose Of Texas」ミッチ・ミラー合唱団

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では、また。

 

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「盗んだバイクで走り出す」問題について③

ムー大陸です

 

「15の夜」の歌詞「盗んだバイクで走り出す」を考えるから始めて、

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前回は「恋の奴隷」の歌詞「悪い時はどうぞぶってね」について考えました。

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そして、問題になるのは、歌詞の内容もさることながら、その制作意図であると言いました。過激な歌詞に伝えたい何かがあって、それを通す覚悟があるようなケースとは違い、商売のため、悪気なく書いた歌詞が今となってはアウトだった、こういう制作意図こそが問題だとしました。「恋の奴隷」はそれに該当するとも言いました。

さて、今回はかつての曲で、よく問題とされるものをピックアップして独自に判定していきたいと思います。

 

「青い果実」

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これは山口百恵氏のセカンドシングルです。「あなたが望むなら私何をされてもいいわ」。これも刺激的な歌詞です。ファーストの売上がイマイチだったため、セカンドは過激な方向に走ったのです。これも前回の「恋の奴隷」と同じで、美しく若い女性にキワドイ歌詞を歌わせる悪趣味な制作意図です。山口氏は当時14歳です。「青い性路線」などと言われました。さすがに今ではあり得ない制作意図でしょう。例えば、秋元康氏がAKB48にその手の歌詞を書いたら大変なことになると想像がつきますね。

 

セーラー服を脱がさないで

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しかし、その秋元氏もかつては「青い性路線」に近いことをやってました。おニャン子クラブのデビュー曲です。「青い果実」ほど際どく無いというか、ストレートかつコミカルな言い回しでライト感覚に仕上がっていますが、やっている事は「青い果実」と一緒です。これも今では作れないでしょう。実際、今秋元氏はやってないですし。

 

「時には娼婦のように」

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なかにし礼本人の盤

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タイトルからして過激です。歌詞も全編性描写に溢れています。例えば、「自分で乳房をつかみ私に与えておくれ」とか。これは「恋の奴隷」と同じなかにし礼氏の作詞です。ただ、これは彼の挑戦なんですね。過激な性描写を含む曲を世に問うという。これは吉田拓郎氏からの依頼でフォーライフレコードから出した作品です。吉田氏もこの歌詞を支持したと聞いています。制作意図が強固です。今でも同様の挑戦をするなら、これはアリです。

 

カサブランカ・ダンディ」

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沢田研二氏のヒット曲です。冒頭の歌詞「聞き分けのない女の頬を 一つ二つ張り倒して」。ここでしょう、問題は。この歌の主人公は映画「カサブランカ」のハンフリー・ボガートに憧れているんですが、上手くいかずに女も殴っちゃう袋小路に入ってる、そんな内容です。歌の主人公は殴ってないんじゃないか、という解釈をする人もいると聞きます。どうでしょうね、「カサブランカ」のボギーはそんな事しませんから、やはり主人公が張り倒してると考えてます。まぁ、これは沢田氏のカッコよさありきで刺激的歌詞を作ってしまったんでしょう。実際ジュリーにだったら張り倒して欲しいとファンは思ったかも知れませんが、他では通じないし、今では作れないでしょう。

 

「S•O•S」

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これは「カサブランカ・ダンディ」と同じ阿久悠氏の作品です。冒頭の「男は狼なのよ 気をつけなさい」。いきなり男性差別です。昭和は今よりも男尊女卑がキツかったですから、差別的とまではいかなくても、女性がひたすら従属的な歌詞が多いんです。「女のみち」「涙の操」あたりが大ヒットしていたんですから。でも、これは男性差別、珍しいですね。コミカルな表現で悪意が無いのは十分伝わりますが、完全に決めつけてるので、やはり今ならアウトかと思います。

 

ひとつ毛色の違うものを

「同期の桜」

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これは軍歌というか「軍事歌謡」です。この歌詞「見事散りましょ国のため」「花の都の靖國神社 春の梢に咲いて会おう」。放送出来るかどうかを考える前に、現在のテレビなどではそれほどニーズも無いから、考えられることもまず無いと思うのですが、仮に断固たる思想を持ってこの歌詞を世に問うなら、制作意図としてはアリだと思います。それがどれほど支持されるかはまた別の話として。

 

とまぁ、ちょっと考えただけでも、すぐにいくつか出てきます。傾向としては「15の夜」のような犯罪行為の描写、あるいは暴力行為や性描写はフォークやロック系のアーティストに多く、それらはメッセージと結びついていて、制作意図は今でも頷けるものと考えられます。

一方で歌謡曲は商売上の必要性から過激な歌詞を歌手に歌わせるという意図が強く、それが問題となるケースが見られます。特に男尊女卑のギャップが感じられる歌詞は差別的と捉えられ、今では制作することが難しいと思われます。そういう歌謡曲は山ほどあるでしょう。

 

とは言え、それらの今では制作出来ないであろう歌が、その不穏当な内容ゆえに嫌いなのかと問われれば、許しはしませんが、好きだと答えるでしょう。すみません。皆さんはどうですか?

それでは、また。

 

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「春に死のう」

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「Evergreen」

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「盗んだバイクで走り出す」問題について②

ムー大陸です

 

前回は尾崎豊氏の「15の夜」の歌詞「盗んだバイクで走り出す」について話しました。

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今回はそこから過去の曲とコンプライアンスに話を広げたいと思います。

例えば、「この歌詞今だったら完全にアウト」

という時、何がアウトなのか?そして、どうアウトなのか?

先ず何がアウトなのか?についてですが、

 

主に、

①犯罪行為を歌う

②暴力描写がある

③性描写がある

④差別的である

⑤その他(社会問題、政治信条など)

といったところです。

 

「15の夜」は①に該当します。

次にどうアウトなのか?ですが、

 

①公共電波で放送出来ない

②カラオケなど人前で歌えない

③販売出来ない

④ネットで配信出来ない

⑤自分のライブで歌えない

⑥制作出来ない

というあたりでしょうか。

「15の夜」は時と場合によって①と②に該当するのではと判断します。

 

歌詞の中に犯罪行為がある、暴力表現がある、性描写がある、差別表現がなど、過激と思える、あるいは偏った表現があった場合、公開する媒体が限定される、人気を得にくくなる、炎上することもあるかも知れません。それでも制作サイドに目的意識や覚悟があれば、つまり、メッセージや表現へのこだわりがあって、そこは譲る気が一切無いんだとすれば、それでいいのだと思います。フィクションの歌詞を歌うことは罪ではないので、制作出来て、配信出来て、ライブが出来れば十分な世の中ですから。

正に「15の夜」の尾崎氏はそうだったのでないでしょうか。

ただし、特定の個人への攻撃、特定の人種、性別への差別、公然猥褻に該当するものなどは、それ自体が罪に問われる可能性があり、コンプラ云々を超えてアウトでしょう。

 

つまり、この問題は何を表現してはいけないか?それをどう扱ってはいけないか?以前に制作側がいかなる意図をもってその作品を生み出したか?が大きな問題であり、今となってはその制作意図があり得ない、今ならそういう作品を作ろうとしないかどうかが問われると考えます。昔は大っぴらに放送もされていたし、人前で歌っても良かった歌が、今では憚られるというもの。ここには売ろうという意図はあっても、メッセージや表現へのこだわりはない場合が多いです。作った当時作詞者は悪気無く作ったのに、今となってはコンプライアンスに抵触するというものです。

 

先ずはシンプルな例を挙げます、

「恋の奴隷」

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これもよくトンデモ歌詞として話題になりますね。特に「悪い時はどうぞぶってね」という歌詞は衝撃的です。その他の歌詞もひたすら男性に従属的です。内容的には上記の何がアウトなのか?の④差別的に該当すると判断します。ただ、これは発売当時であってもキワドイ線を狙っています。これを歌った奥村チヨ氏は「歌うのが嫌だった」と振り返っています。

この曲の制作意図は明らかに美しく若い女性にキワドイ歌詞を歌わせて、男性が楽しむというものです。男女問わずアイドルとは少なからずそういうものですが、昭和の時代はそういう意図が強調されていました。現在ならこの制作意図自体がアウトでしょう。

 

とは言え、「恋の奴隷」自体既に知られた曲なので、今でも販売も配信もされるし、奥村氏は引退しましたが、誰かがカバーして、ライブで歌うこともあり得るし、場合によってはテレビで放送することも出来るかも知れません。しかし、今同じ制作意図で新曲を作ることは出来ないと思います。これは重いです。制作自体出来ないのですから、何もその後は発生しないことになります。

 

ただし、これは制作意図を汲んでの話です。

歌詞の内容にこだわりがあり、これをどうしても歌いたいという場合、状況が変わります。

例えば、仮にMっ気の強い女性自身が「恋の奴隷」という歌を書いて発表するとなると、制作意図が変わります。それはそれで差別せず尊重する必要があると思いますし。そうなると、大っぴらには放送は難しくても、ネット中心、ライブ中心で話題になるなんてこともあり得ますね。まぁ、レアな想定ですが。

つまり、同じ歌詞であっても制作意図により取扱の可否さえ変わってくると考えます。

次回はいくつかの過去の曲を取り上げて、独自に判定していきたいと思います。

それでは、また。

 

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「春に死のう」

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「Evergreen」

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「盗んだバイクで走り出す」問題について①

ムー大陸です

 

 

本日のテーマはタイトルの通り

あの尾崎豊氏の「15の夜」の歌詞、

「盗んだバイクで走り出す」についてです。

この歌詞を理解出来ない、共感出来ない、不快に思うなどの意見が少なからずあって、一時期話題になったと記憶しています。今回から何回かでこの歌詞を考えるとともに、更に過去の曲、特に昭和の歌謡曲などの歌詞とコンプライアンスについて考えたいと思います。

 

第1回目は、この「15の夜」の歌詞についてのみ考えます。

 

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批判的な意見の殆どはバイクを盗む行為は当然窃盗罪にあたるもの、そんな犯罪行為を歌にしていいのか?あるいは、そんな歌を聴いて不快になるというものです。他に15って無免許じゃね?とか、中にはバイク乗りだから許せないなんて声もあるようです。

 

ただ、普通に考えると、これはフィクションです。だから、小説や映画の中で殺人事件が起きるのと同じです。人が殺されるのは殺人罪、実に不快なものです。だとしても、それを描いた上で事件の解決があって、ミステリーなどは成立します。なので、犯罪自体を描く目的ではないが、前提として必要があります。もっと言うなら、フィクションなら殺人自体を描くことも可だと思います。猟奇殺人者を主人公にするとか。

 

「15の夜」は、聴けば分かりますが、バイクを盗むことを歌いたいのではありません。自由になりたい、でも自由になれない若者の焦燥感や苦悩を歌っていて、盗んだバイクはそれを表現するための一つのアイテムです。犯罪行為による刹那的な刺激が手伝って自由になれたと思うというのは実に巧みな表現だと思います。

 

さて、でもそんな事は百も承知です。誰もフィクションだと分かっています。それでも気になるのは、これが殺人なんかと違って、身近で自分にも起こり得る犯罪だから、想像しやすく身構えてしまうということだと思います。

 

例えば、聖飢魔IIの「蝋人形の館」を思い浮かべて下さい。あれは少女がさらわれて、蝋人形にされてしまうという、それこそ目を覆うような陰惨な猟奇殺人です。そんなものを歌にするなんてけしからんなんて話にはならないんです。そこにはリアリティが無いため、完全にフィクションとしか感じないわけです。バイク乗りが自分のバイクが盗まれたらと想像して不快になる、これもリアリティがあるから。まさか自分が蝋人形にされたらと想像して不快になるなんて人はいないんです。それこそ、こんな問題になるのは、尾崎氏の表現にリアリティがあって説得力があることの裏返しなのだと思いますよ。もし、ありがちな批判をするなら、誰かが真似したらどうすんだ、という感じでしょうか。ただ、それも覚悟して歌っているんです、だってこれロックですもん。

 

ただ、個人的にこの歌が好きかと問われれば、全く好きではありません。犯罪行為が歌われて云々という話ではなく、もう少し本質的なところで相容れませんね。この歌や「卒業」なんかにも通じる部分で、尾崎豊氏の歌詞によく垣間見える意識なんですが、「汚ない大人になるな」というやつ、これがどうにも理解出来ないのです。「15の夜」にもありますね、「心のひとつも解りあえない大人達をにらむ」という歌詞が。これが発売された時、彼は18歳だから、同世代へのメッセージなのかも知れません。

 

でも、当たり前に誰でも大人になるんです。「汚ない大人になるな」と言われて、「じゃあ、汚くない大人になればいい」っていう選択肢は彼の歌詞からは感じない。大人=汚ないなんです。だとすれば、厳しい社会に出て、そこで上手くやり抜いていく事を、成長とは捉えずに堕落と感じてしまう。大人にならない唯一の方法を取ってしまうこともあるかも知れない。私はそういう考えには与したくないといったところです。まぁ、意地悪い物言いをすれば、尾崎氏こそ、周りの同世代の若者よりも早く汚ない大人と契約をして、音楽ビジネスで大金を稼いだのではないかと言われても仕方がないわけです。CBSソニーには大人しかいません、彼のスタッフもみんな大人、そこには信用出来る大人もいるんじゃないの?だけど、極端に若者を煽るんですよね、大人は汚ないと、信用出来ないと。私が「15の夜」を聴いて感じるのはそこの不快感です。実は私以前バイク盗まれたことあるんですけど、そこの歌詞は許せます、ハイ。

 

昔の歌は今では通用しないものがたくさんあると、この歌を一つの例として語るケースがあるように思いますが、そこは少し事情が異なるように思います。この歌はメッセージです。敢えてやっているんで、それを批判しても始まらないです。それにこの歌詞が刺激的なのは今も昔も一緒です。コンプライアンスが厳しくなったのは関係ないです。窃盗は昔から罪ですから。

 

次回は、このような確信犯ではなく、時代の変化とともに、大っぴらには出来なくなった楽曲を追いかけていきましょう。

それでは、また。

 

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歴史ドラマ「関が原」の音楽

ムー大陸です

 

以前、アニメ「少年徳川家康」について書いた際に、私は歴史好きで、歴史モノの映画やドラマは大抵観ると言いました。

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例えば、大河ドラマ、はい、現在視聴可能なものは全て観ました。音楽も頭に入ってます。そのランキングなんかもいつかやってみたいですが、今回は別のドラマの話です。

 

かつてTBSが開局30周年記念と銘打って制作したドラマが本日のテーマ「関が原」です。原作は司馬遼太郎氏の同名小説です。原作も読みました。ちょっと前に岡田準一氏主演で映画化されました、あれと同じ話です。

 

ドラマの方は主役の石田三成加藤剛氏、その家老島左近三船敏郎氏。彼らの敵徳川家康森繁久彌氏、その側近本多正信三國連太郎氏という豪華キャスト、いや他の配役もオールスターです。記念番組だけあって相当な気合が入った作りで、三夜に渡って放送され、トータルで6時間半位のドラマでした。当然、私はリアルタイムは知りませんが、後にDVDを入手し鑑賞しました。今は何とU-Nextで配信されているのです、びっくりしました。

 

本日はその音楽の話ですが、その前に本編の内容にも少し触れておきましょう。ドラマの冒頭豊臣秀吉が病に倒れ、やがて死を迎えます。秀吉亡き後、天下簒奪を狙う家康とその野望を阻もうとする石田三成の駆け引きが始まります。

という歴史の流れはどのようなドラマでも同じですが、何ともキャラの設定が上手い。

真面目過ぎて知らぬうちに敵を作ってしまう石田三成、そうした彼の性格を見抜いて、自然と豊臣家が二つに割れるのを待つ家康。この両者を支える島左近本多正信の奮闘、智謀。全てが素晴らしいです。正直、過去大河ドラマで描かれたどの関が原の戦いよりも緻密で独創的でありながら説得力があります。

 

さて、その音楽はドラマに相応しい出来です。作ったのは山本直純氏です。彼は大河ドラマでも音楽担当したこともあるドラマチックな作風の作曲家です。ここでもその作風が存分に現れています。

 

「関が原メインテーマ」

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テーマ曲はインストです。主旋律はトランペットソロ。吹いているのがニニ・ロッソなんですよ。「夜空のトランペット」などで有名なイタリア人トランペット奏者です。彼の哀愁漂うトランペットは日本でも人気でしたから、抜擢されたのでしょうが、素晴らしい選択でした。ダイナミックな曲調と激しくも憂いを帯びた演奏が絶妙にマッチしています。

 

ただ、これ手に入りません。ニニ・ロッソのベスト盤を探したりしましたが、残念ながら、この「関が原」のテーマ曲は収録されていません。また、単発の特別ドラマでしたから、サントラもありません。あるいは山本直純氏の作品集とか歴史ドラマ、時代劇のコンピなど可能性がありそうなところは探してみましたが、どこにもありませんでした。なので、私はドラマDVDから録音したものを聴いています。是非配信とかして欲しいですね。

 

さすがに全部観ると6時間半ですから、歴史好きという訳でなければ、あまりオススメはしません。ただ、歴史ドラマ嫌いじゃないということなら、是非観てみて下さい。よく出来たドラマです。ドラマの中で何度も上述のテーマ曲がかかりますが、そのタイミングが最高です。完璧と言えるところで来ますから、非常にカッコいいです。

 

一つだけ例を挙げます。始まって8分40秒。秀吉の病状が悪化し、石田三成の家老・島左近は、医師である義理の父に相談をします。秀吉はいつ頃までもつか聞くのです。

義父は言います、

「左近殿、死期を何故知りたい?」

左近、

「乱が起こります」

義父、

「乱?太閤殿下の死を待って、乱を起こそうとしているのは?」

左近、

「江戸内大臣徳川家康!」

ここで音楽です。完璧ですね。

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私はこのドラマに影響されて、実際に関が原まで行ってしまいました。観光タクシーに乗って古戦場巡りをしました。やはり関が原近辺では大事な観光資源ですから、案内してくれる観光タクシーとかちゃんといるんです。まぁ、ガイドではないので、説明とかは詳しくないですけど。古戦場なんて何も無くて何が面白いの?と友人は聞きますが、何も無くないんです、古戦場があるんです。これが中々分かって貰えなくて。

それでは、また。

 

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ビバ!歌謡曲⑩〜「別れても好きな人」

ムー大陸です

 

私のお気に入りの歌謡曲を紹介するビバ!歌謡曲のコーナーです。今回、紹介するのは、

 

「別れても好きな人」

 

です。

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この曲は1979年に発売されたロスインディオス&シルヴィアによる大ヒットで広く知られています。ただ、これはオリジナルではありません。それより前にロスインディオス自身がデュエットではなく男性ヴォーカルソロのものを出していますし、元々は1969年に発表の作品で、パープル・シャドウズの曲として有名です。

 

パープル・シャドウズ盤

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パープル・シャドウズはいわゆるグループ・サウンズのバンドですが、彼らのヒット曲「小さなスナック」でも分かるように、どこかムード歌謡っぽいところが特徴なんです。この曲も彼らのヴァージョンはシャッフルしたこぢんまりしたアレンジで、やはりロスインディオス&シルヴィア盤の方が圧倒的に素晴らしいです。このデュエット盤は完全にムード歌謡で、ロスインディオスの男性ヴォーカルはサビのところへ来ると、待ってましたとばかり、声を裏返して「わっかれぇても〜🎵」と歌います。その古さというか、センスの無さ(褒めてます!)が良いところです。

 

ただ、今回取り上げたのは歌詞について書こうと思ったからです。ロスインディオス&シルヴィア盤制作にあたっていくつか歌詞に変更があります。上述のようにこの歌はロスインディオス&シルヴィア盤が最高なのですが、歌詞だけは変えない方が良かったのでは、と言うか自然なのではないかと思うのです。

 

この歌の歌詞は、ある女性がかつての恋人と偶然会うところから始まります。場所は渋谷です。ここは変更がありません。元々の歌詞ではそこから二人は語りながら歩くのです、青山を経て赤坂へ。赤坂でグラス傾けます。そして、2番では狸穴(まみあな)へ行って東京タワーが見たいと言いつつ、結局、乃木坂、一ツ木通りへと進み、ここで別れます。

 

この流れ、渋谷から青山へは246を真っ直ぐ歩きます。青山一丁目を過ぎて赤坂見附に着く前にどこかで赤坂方面へ右折。しばらくすると赤坂駅もしくは氷川神社あたりというイメージです。赤坂で店に入り、ひとしきり食事もしくは酒です。

 

そこで、「歩きたいのよ狸穴」「明かりが揺れてるタワー」となります。これは実際に歩いていません。歩きたいな、このままタワーが見えるところまでということです。赤坂を越えて、六本木一丁目も通り過ぎ、麻布方面へ行けば狸穴、タワーも近い。しかし、この日は小雨が降っていたから、赤坂で右折し、乃木坂へ向かい別れたということです。話をしながらぐるっと回りましたが、ルートとして自然です。また、天気が許せば、ちょっと長い散歩で狸穴というのもアリでしょう。

 

一方、ロスインディオス&シルヴィア盤の歌詞変更後は、いきなり渋谷から青山ではなく原宿へ行きます。原宿だとちょっと方向違います。赤坂とは逆とも言える。グラスを傾ける赤坂の店が昔付き合っていた頃に行った店だったりすると、通りがかりに入る訳ではありません。ある程度赤坂が目的地になります。原宿へ行くと、結局その後青山方面から赤坂へ行くだけなので、不自然な遠回りに見えます。あるいは明治神宮外苑から赤坂離宮を横切る。これは輪が大き過ぎます。

また、青山、赤坂、狸穴、乃木坂は韻を踏んでるんですが、原宿だとそれがいきなり崩れます。

 

そして、2番のタワーを見に行きたいのは狸穴ではなく高輪へ変更です。狸穴のネームヴァリューの欠如を考慮して変えたのなら、麻布とかで良かった。高輪だと韻は踏んでますけど、1番でもう崩れてます。麻布はカナで3文字なのは気になりますが、逆に1番の原宿とは韻踏んでるし。

 

というのも、そもそも、高輪はさすがに遠過ぎて歩けないでしょう。散歩ではなく最早スポーツです。どうせここの歌詞は願望だから、歩いて行けなくても問題なしとの判断でしょうか。

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しかし、ここは大事なところです。

現実的に歩いて行ける狸穴へ進まず、ちょっぴり寂しい乃木坂へ向かう、それは雨の夜だから、そして、ダメよ弱いからなんです。すでに酒も入ってますから、このままタワー見に行けば、その後は予想がつきます。ですから、ここが最後の自制です。この二人どんな関係か分かりません。何の制約も無いのなら、別れなくてもいい、好きなんだから。例えば、不倫とか何らかの制約がある。そのため、行けるけど、行かないという選択をするんです。

 

高輪だと初めから行けませんから、ただの願望で、雨でなくても弱くても乃木坂へ向かうしかないのです。そうなると、高輪でも沖縄でも一緒です。まぁ、タワーは見えないけど。

簡単な地名変更のように思えますが、実はここはストーリーの根本に影響していると考えます。

 

そんな訳で、土地勘で言っても、ストーリー的にも変更後の歌詞には不自然さが拭い切れません。なので、歌詞としてはパープル・シャドウズ盤を推します。もし、この歌をカラオケで歌うことがあれば、ロスインディオス&シルヴィア盤のオケを流し、パープル・シャドウズ盤の歌詞で歌いましょう。まぁ、歌うことはないでしょうけど。

それでは、また。

 

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名曲たちの成績表⑩〜「Say Say Say」

ムー大陸です

 

 

過去の名曲をヒットチャートから読み解く名曲たちの成績表のコーナーです。

今回はこの曲、

 

「Say Say Say」

 

です。

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この曲はポール・マッカートニーマイケル・ジャクソンという2大スーパースターがデュエットをし、1983年、ビルボードのヒットチャートにおいては6週に渡って1位を獲得した大ヒット曲です。この曲はポールのアルバム「The Pipes Of Peace」に収録されています。つまり、マイケルがポールのアルバムに参加したのです。

 

実はこれ以前にポールがマイケルのアルバム「Thriller」に参加しています。マイケルはポールに作曲面でのアドバイスを求めたことがあり、そうした縁をきっかけにアルバムへの参加が決まったのでしょう。アルバム「Thriller」での彼らのデュエット曲は「The Girl Is Mine」です。これがアルバム「Thriller」からのファーストシングルです。

 

「The Girl Is Mine」

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ところが、この曲が微妙でね。悪くはないんですけど、派手さに欠ける。ミドルテンポで、今一つサビにもフックが無い。おまけに台詞の掛け合いとかがある恥ずかしい作りでした。そう思ったファンは少なくなかったようで、スーパースターの共演にもかかわらず、ヒットチャートでは最高位2位に留まりました。その時1位を譲らなかったのがホール&オーツの「Maneater」でした。

 

「Maneater」

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これは結構キャッチーで強力でした。80年代最高のデュオのアルバム第一弾シングルでしたから、微妙な「The Girl Is Mine」は敗れてしまいました。これが1983年1月8日。翌週、翌々週も2位に留まり1位を狙いましたが、「Maneater」に代わりメン・アット・ワークの「Down Under」に抜かれ万事休す、最高位2位まででした。

 

しかし、こちらの「Say Say Say」はうって変わって実にキャッチーで、あざとくヒットを狙ったと思われても仕方ない、と言うかそのために作られた楽曲でしょう。また、この曲がヒットした1983年12月頃にはアルバム「Thriller」の売上が爆発的で、マイケル・ジャクソンの人気はピークに達しており、発売後勢いよくチャートを駆け上がりました。そして、それを追いかけるようにチャートインしてきたのがまたもやホール&オーツの「Say It Isn't So」です。

 

「Say It Isn`t So」

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約1年後再び対決です。同曲は「Say Say Say」の1位2週目に2位つけました。1983年12月17日です。その後4週に渡り2位をキープし1位を狙いましたが、遂に力尽き3位へ後退しました。それが1984年1月14日でした。1年前のリベンジをここで果たしたわけですね。チャートにはドラマがあります。こういう巡り合わせも面白いです。

 

ただ、興醒めするかも知れませんが、同じメンツで落とし合うというのはチャートあるあるではあります。当然ながら、売れっ子は限られた面々です。その売れっ子は出来るだけ1位を獲ろうとしますから、強力なライバルとは発売日をずらしたりします。となれば、ライバルが落ちる頃に自分の曲が上がっていくようになるし、逆も然りです。ただ、人気は曲ごとに異なりますから、思ったよりライバルがロングランとなれば、2位留まりなんかも発生する訳です。相手は80年代最も多くの1位獲得を誇るデュオ、ホール&オーツですから、更に難しいですね。

また、1982年暮れ、1983年暮れ、どちらも年末から年始にかけてヒットチャートに入ってます。これもやはりクリスマス商戦を当てこんでるところもあるんでしょう。ですから、重なることも多いんです。

 

さて、こうしたチャートアクションのドラマがあった「Say Say Say」ですけど、楽曲にも触れておきましょう。前半というかAメロをポール、サビをマイケルが歌う構成で、お互い歌っている部分を自分で作ったと聞きましたが、それは嘘かも知れません、デモバージョンではポールの部分もマイケルが歌ってましたから。歌はどちらも絶品です。一方で演奏はスタジオミュージシャンたちによる職人仕事ですね。残念ながら、ポールはベースを弾いてないんですよ。ポールのところにはカラオケが出来た状態でやって来たそうです。なので、バンドマンのポールとしては不満があったかも知れません。マイケル側のイニシャティブで制作されたように思えます。

 

私の印象ではポールが歌うAメロが抜群にいいと思うのですが、世間的にはマイケルの部分を絶賛する声が多いように思います。マイケルの絶頂期でしたし。ポールは人気ありましたけど、そろそろ陰りが見えてきた頃で、実際、今のところこの曲がポールにとって最後の1位獲得曲になってます。

この曲はミュージック・ビデオが素晴らしい出来です。是非楽しんで下さい。

 

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「混沌(カオス)」

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ロックとロックンロール

ムー大陸です

 

今日のテーマはタイトルの通り、

 

ロックとロックンロールは何が違うのか?

 

です。

 

単純に考えれば、ロックンロールとは元々、ロック・アンド・ロールの短縮形です。その更に短縮形がロックとなります。ハイ、終了!

 

なんて訳には行きませんね。

実際に使っていて、微妙に使い分けている自分に気付きます。それは多分、人それぞれに微妙に異なってるのでしょう。なので、ここで説明するのは、私にとってのロックとロックンロールの解釈です。

 

1950年代にロックが誕生する訳ですが、そのオリジネイターは黒人ミュージシャン達でした。チャック・ベリーやリトル・リチャードあたりがそれに該当します。その時、彼らの音楽はリズム・アンド・ブルースと呼ばれていました。

以前、R&Bについてこのブログで書いたことがあります。その記事も参照して下さい。

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その時も書きましたが、ウィキペディアなどによれば、R&Bはリズム・アンド・ブルースの省略形で、黒人音楽全般を指し、ソウルミュージックともほぼ同義なのだそうです。だが、それには違和感があります。私としてはソウルミュージックはブラックミュージック全般に近いものですが、リズム・アンド・ブルースは上述の如く、黎明期のロックを指す呼び名です。

 

つまり、リズム・アンド・ブルースとは少なくとも音楽的にはロックンロールと同義です。では、何が違うかと言えば、白人がリズム・アンド・ブルースをやり始めて、それからロックンロールとなったと解釈しています。敢えて極端に言えば、チャック・ベリーはリズム・アンド・ブルース、エルヴィス・プレスリーはロックンロールという事です。そして、彼らは同じ事をしている。ロックンロールという言葉が定着した後は、チャック・ベリーをロックンロールと呼んでも問題ありません。

 

「Johnny B.Goode」チャック・ベリー

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Hound Dogエルヴィス・プレスリー

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さて、そうすると、ロックは何がロックンロールと違うのか?もちろん、最初に言ったように短縮形である事も事実だと思います。元々はそうやって生まれた言葉かも知れません。ただ、それだけではないと考えてます。

ロックンロールは1955年に「Rock Around The Clock」の大ヒットにより大きく広がり、エルヴィスの登場とともにポップミュージックの主役の地位を獲得します。

 

「Rock Around The Clock」ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ

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ところが、そのエルヴィスが徴兵により音楽シーンの中心から一時撤退、バディ・ホリーが飛行機事故で亡くなり、ジェリー・リー・ルイスが13歳のいとことの結婚で人気失墜など白人スターが立て続けに消えてしまいます。音楽シーンはパット・ブーンニール・セダカポール・アンカのようなロック色の薄いポップスに占められていきます。

 

1960年代になり、主役を追われたロックンロールが帰って来ます。そうです、ビートルズの登場です。ストーンズやフーらも追いかけます。アメリカにはビーチボーイズもいました。

 

私はここからをロックと呼んでます。

 

ロックの誕生からエルヴィス徴兵に始まる衰退、ここまでがロックンロール、もっとざっくり言うと、50年代がロックンロール。ビートルズ登場からがロック。その間の微妙な2〜3年はやはりロックンロールでしょう。音楽的にはビートルズの前期もロックンロールと呼べると思います。何しろチャック・ベリーのカバーとかしてますから。でも、ロックンロールと呼べるのはアルバム「Help」までです。それより後は50年代のロックンロールのカバーが消え、オリジナル楽曲だけになっていきます。アルバム「Rubber Soul」からは音楽的にロックンロールとは呼びにくくなります。

 

「Drive My Car」 ビートルズ

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つまり、時期的には50年代がロックンロール、ビートルズ登場後がロックになりますが、実質的にはロックンロールは無邪気なティーンの夢を歌ったシンプルな3コード程度の楽曲を指し、それがサウンドとして成長し、ビジネスとして拡大する中でロックになるということです。それはロックンロールが芸術性を帯びたり、社会性を有するに至ってロックになるという意味でもあります。

 

逆の見方、使い方もあります。つまり、ロックンロールはロックの原点であるという考え方です。ビートルズ登場後はロックという考えで行くと、ロックンロールは昔の音楽で、今は全てロックということになります。しかし、60年代以降も多くの楽曲にロックンロールという言葉が使われます。例えば、レインボーの曲「Long Live Rock N Roll」。これはロックンロール万歳という意味でしょうが、ここで言っているのは何も50年代のロックンロールがいつまでも聴かれて欲しいという意味ではないのです。ロックそのものよ、永遠なれという願いです。つまり、ロックンロールはロックの原点であり、ロックの精神を表す言葉として使われているのです。

 

「Long Live Rock N Roll」レインボー

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何て言うか、10代で初めてギターを手にした時のワクワクした心みたいなものを忘れるな、と言いたいなら、ロックンロールを忘れるなと言えば伝わる、そんなところです。

私の勝手な解釈ですが、皆さんはどうでしょうか?

それでは、また。

 

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「春に死のう」

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「Evergreen」

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新曲公開しました!~「春に死のう」

ムー大陸です

 

 

新曲公開しました。

 

「春に死のう」

 

と言います。

 

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サウンド的には現在アメリカで流行っているブラック・コンテンポラリーを意識した作りになっています。例えば、Doja Cat、SZA、Muni Long、Tylaあたりでしょうか。ロック志向なところがあるので、なかなかブラック・コンテンポラリーをやる機会が無かったんですが、今回の曲は是非そういうテイストを出したいと思いやってみました。

 

と言うのも、メロディ的には和のテイストなんです。なので、是非ブラック・コンテンポラリーで味付けをして、和のテイストとのギャップを敢えて創りたかったんです。自分ではなかなかいい感じにまとまったと喜んでいます。

 

加えて、歌詞もテイストは和。

「春に死のう」とは物騒なタイトルでありますが、タイトル通りの内容です。

自死への思いを歌った切ない歌です。前回の曲「あやかし」も桜の歌でしたが、今回も春、そして桜です。私は桜が好きなんですねづく。つくづく。

日本の四季を清少納言の力も借りて表現しました。

是非聴いて下さい。

 

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「春に死のう」

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アニソン魂⑦〜「ゲゲゲの鬼太郎」

ムー大陸です

 

 

私のお気に入りのアニソンを紹介するアニソン魂のコーナーです。

今回は誰もが知っているこの曲です、

 

 

ゲゲゲの鬼太郎

 

 

です。

 

この曲は私の最も好きなアニソンという訳ではありませんが、最も偉大なアニソンだと思っています。「ゲゲゲの鬼太郎」という作品はテレビアニメ化すること6回、この歌はそのいずれにおいても主題歌の地位を譲らず来ました。そもそも6回のテレビアニメ化自体が記録であり、偉大な訳ですが、だとしても、主題歌がその度に変わってもおかしくない。第1回目のアニメが1968年、最新6回目が2018年とその間何と50年ですから、本来変わる方が自然に思えます。

 

現に長い期間を経て再度アニメ化された作品は数多くありますが、大抵は新しいものに変わります。やはり、アニメを取り巻く環境、音楽シーンの状況などを考えると、再アニメ化の時期に相応しいものになるのでしょう。にもかかわらず、この歌が主題歌であり続けたのは、やはり楽曲の持つ魅力によるものでしょう。

 

細かく歌詞を追うことは避けますが、人間と妖怪の違い、歌詞の中では「お化け」と呼んでますが、この両者の違いをあくまでコミカルに、それでいてどこかシニカルかつブラックに表現しています。

人間を悩ませるもの、それは早起き、学校、試験、会社、仕事、そして、病気であり、死です。50年経ってもそれは変わっていません。この歌が古くならないのは人間の生きる上で避けがたい悩みを盛り込んでいるからです。原作者の水木しげる先生の作詞です。さすがですね。

 

一方で、曲は不気味なヒュードロドロで始まったかと思うと、意外と童謡的素直なメロディとシンプルな構成。歌詞と相まって不思議なほのぼの感を醸し出します。誰もが簡単に覚えられます。これが強みでしょう。作曲は昭和のヒットメイカいずみたく氏です。

 

そして、アニメがシーズンを重ねるごとに、シンガーは変わってきました。ファーストとセカンドシーズンは熊倉一雄氏です。彼は声優ですが、アニメの方に役はありません。主題歌にのみ抜擢されました。独特のとぼけた口調はここでも健在で、最高の出来です。セカンドシーズンはファーストの続編の位置付けなので、同じ音が使われています。

1stシーズン

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2ndシーズン

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3回目のアニメ化は2回目から14年後1985年です。ここでの人気がこの後繰り返しアニメ化される基礎となりました。シンガーは吉幾三氏です。ブラスを大胆にフィーチャーした派手なアレンジです。アニメ自体が明るい作りの印象ですね。吉氏のキャラが色濃く出ており、歌の中で「てか」なんて入ります。こうした明るいアプローチには必ずしも肯定的ではありませんが、広く人気を集める方針としては大成功となりました。

3rdシーズン

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4回目は3回目から更に11年、1996年です。シンガーは憂歌団です。ブルースの彼らを使って、オリジナルに近い暗めの感じを再現しています。グッと渋い出来になっています。3回目の成功があったので、原点回帰に舵が切れたのでしょう。

4thシーズン

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5回目は4回目から11年後の2007年。凄いですね、ほぼ10年毎にアニメ化されてます。この時のシンガーは泉谷しげる氏です。イントロのところで「ゲロッパ!」なんて入ってますから、ソウルフルな線を狙ってるんでしょう。吉幾三氏のバージョンに近いです。今度は暗い方から明るい方へ反動でしょう。

5thシーズン①

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このシリーズでは、主題歌のシンガーが途中で変わりました。ザ50回転ズというロックバンドが担当しました。こちらはバックビートを強調したパンクアレンジ。今までにないアプローチです。

5thシーズン②

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そして、現時点で最新のアニメ化は2018年、前回から11年後です。このシリーズのシンガーは氷川きよし氏です。アレンジ自体はオリジナルに近づきましたが、歌はオリジナルより格段に上手いです。

6thシーズン

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さて、これ以外にも、この主題歌は「ゲゲゲの鬼太郎」実写映画化の時もしっかり使われて、この時には俳優の小池徹平氏が歌いました。アレンジも彼のとぼけた歌いっぷりもオリジナルを意識したものでした。

他に私が聴いたことがあるカバーは、声優の滝口順平氏。特徴ある声です。ただ、「ゲゲゲの鬼太郎」というより、ドクロベエさまにしか聞こえませんけど。クレモンティーヌのフランス語カバーもありましたが、まぁ、あれは企画モノですね。ザ・フォーククルセダーズのライブでの演奏版はベスト盤で聴けます。イントロがビートルズの「Michelle」から入るのはさすがです。

小池徹平

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滝口順平

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フォークル盤

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さて、どれが一番好きかと問われれば、迷うことなくオリジナルを選びます。歌手ではない、恐らく歌唱力では最も劣る彼のものが一番と思えるのが歌の不思議です。その他でと言われれば、憂歌団のバージョンでしょうか。オリジナルに近い枯れたアレンジとブラスを駆使した派手なアレンジに二分されますが、私は前者が好みです。

 

おそらく、今後もアニメ化は繰り返されるでしょう。最初のアニメを10歳で見た人は現在65歳。その親は80代後半から90代。今の子供達は配信やDVDで観ているでしょう。この主題歌は日本人のほぼ全員が知っているんじゃないでしょうか。

歌詞にある「みんなで歌おうゲゲゲのゲ」っていうのは冗談でもハッタリでもなく、実現しているのです。最も偉大なアニソンはこれで間違いありません。

それでは、また。

 

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プルトニウム

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「混沌(カオス)」

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音のない漫画、音のある映画

ムー大陸です

 

 

漫画は音が聞こえませんから、音楽漫画というのは描くのが難しいと思いがちです。確かに技術や演出が必要でしょう。でも、音楽漫画は意外と多いし、ヒット作もたくさんあります。

 

先般、このブログでも取り上げた「BLUE GIANT」然り、既に完結している作品で言うと、例えば「BECK」とか「のだめカンタービレ」とか。これらの漫画は音が聞こえない不利を覆して、傑作になったのでしょうか?いや、実は音が聞こえないことは必ずしも不利ではなく、と言うか、むしろそれは最大の有利と言ってもいいのではないかと思うのです。

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上記の3作品はいずれも映画化されてます。「BLUE GIANT」については以前にも書きましたが、あの作品の主人公はサックス奏者です。作品の中でよく「強い音」と言われるんです。漫画ではその強い音は聴こえませんから、私は自分でその強い音を補完しなければいけません、頭の中で。場合によっては、チャーリー・パーカージョン・コルトレーンの音をはめる事だって出来る訳ですよ。これが最大の有利。どうせ音は出ないのだから、強いと書いてしまえばいいのです。

 

ところが、これを映画化するとそうはいかない。実際に強い音を見つけてこなければいけません。勿論、プロのジャズマンに頼めば、何とかなる話ではありますし、実際に映画では何とかしてました。ただ、それはそれで味気ないのです。夢の終わりと言うか、頭の中で描いてた音を実際に示されるというのは、その音が悪くなくても、ちょっとした失望感を伴います。実際、「BLUE GIANT」でもそうでした。つまり、これは聞こえるから不利になっている訳です。

 

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それをある意味事前に拒否したのが映画「BECK」でした。この漫画の主人公はシンガーですが、「ちょっといない声」と言われてるんです。本来ならその「ちょっといない声」を見つけてこなければいけません。オーディションするなり、あるいは既に有名なシンガー使うなりして。ただ、いずれにしても姿形を与えることになりますから、上記のように夢の終わりな訳です。人によっては、大きな期待外れを感じる危険性も多分に含んでいる。

 

そこで映画「BECK」は主人公の声を示しませんでした。主人公が歌うシーンは無音になるんです。観客の驚いたような表情とかを挟んだり、スローモーションにしたりして「ちょっといない声」を演出していました。これは原作者からの指示だったと聞いてます。なるほど、それなら頭の中の声とのギャップは生まれません。

でも、示さなきゃ示さないで失望するんです。そもそもそこを示さないと映画として成立しないと思います。映画化するなら、形を示すべきで、声を出さないなら、映画化しなくて良かったのにと思います。つまり、これも聴こえることが不利なんですよ。因みに私の想像した声はハイトーンの女の子のような声、エアサプライのラッセル・ヒッチコックあたりかな。

 

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その点、「のだめカンタービレ!」は無難にまとまりました。それは演奏されている音楽がクラシックであり、みんなが共通の形を知っているからです。こうなると、音が聴こえることが大きな有利となります。前提が共有出来るクラシックものは映像化にもってこいです。私が最も好きな映画「アマデウス」はモーツァルトが主人公。ならば、彼の音楽が聴こえないのはさびしい。戯曲からは音は聴こえませんから、それは舞台なり映画なりにして本当の形になります。

 

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つまり、音が聞こえない有利とは「誰も聴いたことがない音」を簡単に登場させる事が出来ることです。「強い音」「ちょっといない声」と書けば完了です。

一方で音が聞こえる有利とは「みんなが知っている音」を聞くことです。クラシックの名曲はその最たる例です。

まぁ、「誰も聴いたことがない音」を見事に見つけてくるっていうのがベストだと思うんですけど、それは正直一度も経験したことないです。

それでは、また。

 

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「死ぬまで生きてくんです」

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洋楽至上主義⑩〜「While You See A Chance」

ムー大陸です

 

 

私のお気に入りの洋楽をオススメする洋楽至上主義のコーナーです。今回は、

 

「While You See A Chance」

 

です。

 

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これはスティーブ・ウィンウッドの1981年のヒット曲です。彼にとっては初めてのTop10ヒット(最高位7位)。スティーブ・ウィンウッドの代表作と言えば、世間的にはグラミー賞を獲得した「Higher Love」という事になるのかも知れませんが、この曲の方が断然好きです。

 

そもそもスティーブ・ウィンウッドはそうしたヒット曲や受賞歴などで測れるような存在ではありません。彼はれっきとしたロックレジェンドであります。

その経歴はスペンサー・デイヴィス・グループから始まります。当時彼は15歳で、天才少年と呼ばれていました。いや、まるで見てきたように言ってますけど、当然リアルタイムでは知りません。でも、同グループのアルバムを聴けば分かりますが、このバンドの中心は彼です。彼の歌とオルガンは実に味があって、これが15歳かよと感心しますよ。白人のソウル、いわゆるブルーアイドソウルと言うと、私は個人的にはスティーブ・ウィンウッドが最初に思い浮かびます。次にヴァン・モリソンあたりかな。

 

その後、彼はトラフィックを結成。これまた伝説のバンドなのかな、今では。実験的な作品が多く、ファーストアルバム「Mr.Fantasy」とか面白いですが、中々付いていくのが難しいバンドですね。個人的には苦手です。

トラフィック在籍中にエリック・クラプトンブラインド・フェイス結成。スーパーグループと話題になりました。って、もちろん、リアルタイムでは見てません。1枚だけ出したアルバムは大ヒットしました。その中の1曲「Presence Of The Lord」好きですね。

「Presence Of The Lord」

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その後ブラインド・フェイスはあえなく空中分解。スーパーグループはエゴのぶつかり合いなんでしょうか?長持ちしませんでした。

再開したトラフィックも間もなく解散に至り、ソロ活動に入ります。

ただ、彼は何でも出来ますから、プロデュースやら歌やら引っ張りだこでした。

満を持して出したソロアルバムのセカンド「Arc Of A Diver」からヒットしたのがこの曲です、アルバムも大ヒットでした。

トラフィック時代の印象が強かったので、ソロアルバム敬遠して聴かなかった期間長かったんですよ、いやぁ損した。ソロの作品はどれもポップ、それでいてタイト。程良いバランスの、ロックではなくポップスに仕上がっていて最高です。

その最たる存在がこの曲。シンセの音が印象的です、ゴスペルを思わせる入り。歌は安定の上手さです。大サビへの展開かっこいいです。歌詞もね「チャンスを見つけたら、掴み取れ」。安直ですが、定番と考えましょう。

そして、この曲何より素敵なのがタンバリンなんですよ。ずっと16ビート刻むタンバリン、とにかく入るタイミング絶妙です、「そこかぁ」と唸りました。私が自分の曲でタンバリン使う場合、大抵この曲のタンバリンを参考にしてます。

 

そして、1986年アルバム「Back In The High Life」から「Higer Love」が全米1位に。

「Higher Love」

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グラミーの最優秀レコード賞も獲得しました。さすがレジェンドですね、結構この頃は守りに入ってた感もありましたが、きっちりヒットさせるあたりはやはり実力があるんですね。

 

長々とスティーブ・ウィンウッドについて書いてしまいました。彼はロックレジェンドなんですが、その割に日本での知名度は今ひとつ、もっと評価されてほしいとの思いで、つい筆が走りました。私の中では、エリック・クラプトンあたりと同格ですから、是非皆さんにも聴いていただき、その真価を分かってほしいです。その第一歩はこの曲で。

それでは、また。

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「ノンフィクションロード」

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「Have Fun Tonight」

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