ムー大陸の音楽探検

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名曲たちの成績表29〜「The Way We Were(追憶)」

ムー大陸です

 

 

過去の名曲をチャートアクションから解き明かしていく名曲たちの成績表のコーナーです。

今回はこの名曲、

 

「The Way We Were(追憶)」

 

です。

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こちらはスタンダードな名曲。多くの人が曲名を知らなくても一度は耳にした事があると思います。1973年のロバート・レドフォードとバーブラ・ストライサンド主演、シドニー・ポラック監督の映画「追憶」の主題歌です。映画の原題も「The Way We Were」です。「あの頃の私たち」と言った意味でしょう。

映画「追憶」予告編

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曲の話の前に映画について少しだけ触れておきましょう。反戦活動に熱心な女性ケイティと上流階級のノンポリ男性ハベルは大学時代の友人。二人は数年後再開し恋に落ち結婚します。ハベルはハリウッドで脚本家となり徐々に軌道に乗って来ますが、赤狩りの波がやって来ます。そこでケイティは妊娠中にもかかわらず政治活動熱が再燃し、二人の価値観の違いが浮き彫りになります。基本気ままなハベルは、すぐに事を荒立てるケイティに辟易し、二人は破局を迎えます。ケイティは女子を出産、ケイティと子供を置いてハベルは出て行きます。

数年後、別の女性と再婚したハベルは街角でケイティに再開します。彼女はその時も政治活動をしていました。とまぁ、そんな話です。

二人の会話や細かいストーリーは是非観て下さい。

私は基本的に恋愛映画がそれほど好きではないので、この映画もそこまで面白いなとは思わないのですが、政治的な信条に沿うあまり周囲との軋轢を厭わない女性をバーブラ・ストライサンドが上手く演じているんです、本当にウザいくらいに。また、軍服を着たロバート・レッドフォードのカッコよさにはちょっとビックリしますよ、男女問わず。

 

はい、その主演のバーブラが主題歌を歌っています。彼女は俳優、歌手どちらも超一流です。私は彼女の歌大好きです。彼女の歌の上手さって貴重です。例えば、アレサ・フランクリンは最高に歌が上手い歌手、これは異論の無いところでしょう。天に向かって伸びる声、それでいて掠れる味、縦横無尽のフェイク。彼女が歌えば全て彼女の歌だし、彼女の色になる。だからこそ最高の歌手なんです。

でも、そういう風に歌って欲しくない歌もあると思うのです。この「The Way We Were」なんか正にそう。作曲したマーヴィン・ハムリッシュの気持ちを私如きが代弁するのはおこがましいので、個人的な私の体験を語るとすれば、作曲家として「変にいじって欲しくない曲」ってあると思うのです。そのままのメロディで、余計な歌い回しは極力避けて、それでいてしっかりと歌う。歌手の個性は出来るだけ抑えつつも、ちゃんとそこに自分を残す、そんな風に表現して貰いたい事があると思うのです。

 

バーブラ・ストライサンドは正にそんなシンガーです。大体歌が上手いとされる歌手はアレサ型が多いのです。ホイットニー・ヒューストンもマライヤ・キャリーもアデルも皆んなそう。白人ならリンダ・ロンシュタッドなんかはバーブラよりもう少し声が強いし。バーブラは声も優しく何でも歌えます。そして、本当に楽曲に寄り添います、貴重です。その一つの証拠として挙げられるのはデュエットによるヒットが多いという事です。それも男女関係なくどんなシンガーともいけます。彼女には変なクセが無く誰とでも合わせられるのです。そして、相手も合わせやすい。

 

そんなバーブラですから、ヒット曲は多数。TOP40ヒットは実に21曲、TOP10は12曲、そして、ナンバー1ヒットは5曲あります。正にアメリカを代表する歌手の一人です。彼女の最初のナンバー1ヒットが今日のテーマ「The Way We Were」です。そして、1974年の年間1位でもあります。1位にいたのは僅か3週間ですが、それでもその年では最も長い1位でした。年代によってチャート環境は大きく違います。この頃は1位がどんどん変わっていく感じで、年間35曲もの1位が生まれた年です。

さて、この名曲にはもう一つの栄光が訪れます。1973年アカデミー賞において歌曲賞、つまり主題歌賞を獲得したのです。実はビルボードの年間1位とアカデミー賞歌曲賞両方を獲得した曲は他にはありません。この曲だけです。

映画の主題歌にはヒット曲が多いので、ビルボードチャートで1位の曲なんて数え切れないくらいあります。しかし、両方取るのは難しい。

例えば、1983年歌曲賞受賞の映画「フラッシュダンス」の主題歌「Flashdance 〜What A Feeling」は同年ビルボードの年間3位。

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翌々年1985年に歌曲賞を受賞したライオネル・リッチーの「Say You Say Me」(映画「ホワイトナイツ/白夜」主題歌)は惜しくも年間チャート2位でした。

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また、1993年に年間1位を獲得した映画「ボディガード」の主題歌、ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」は、カバーだったからでしょうか、アカデミー賞にはノミネートされず、同映画からは別の挿入歌がノミネートされていました。受賞には至らず、映画「アラジン」の主題歌「A Whole New World」に敗れました。

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1969年の歌曲賞「Raindrops Keep Fallin' On My Head」はビルボードの年間チャートでは4位でしたが、同じビルボードのデータを使ったラジオ番組「AmericanTop40」独自の年間チャートでは1位でした。幻の2冠と言ったところでしょうか。まぁ、「The Way We Were」はそれも1位でしたけど。

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はい、お分かり頂けましたでしょうか。「The Way We Were」はビルボード年間1位にしてアカデミー歌曲賞受賞。最高の成績表を持つ1曲です。惚れ惚れするような名曲です。それに相応しい評価を受けた幸せな曲です。

それでは、また。

 

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