ムー大陸です
私のお気に入り洋楽をオススメする洋楽至上主義のコーナーです。今回は、
「Juanita(ファニータ)」
です。
これはマイナーかも知れません。1983年のモダン・ロマンスの作品です。モダン・ロマンスは1980年に結成、85年に解散したイギリスのバンドで、実質的に売れたのは81年から83年の3年間、それもイギリス国内ではいくつかのヒットを重ねましたが、アメリカ進出は果たせず、ダンスチャートのランクイン止まりで、ナショナルチャートには無縁でした。
彼らはあまりやりたい音楽ありきのバンドではありませんでした。要は売れる為に何をしたらいいかを考えて工夫するタイプなんです。1980年の結成当初はエレクトロポップを指向しました、テクノが流行していたからでしょう。でも、上手く行きません。彼らが本当にエレクトロポップが好きならば、そのまま突き進んだでしょうが、そういう事はしません。
すぐに方針転換を図ります。何とラテンを取り入れるんです。これは何の脈絡も無い企画ではありません。当時、イギリスではファンカラティーナなる音楽が少しだけ流行っていたのです。
ファンカラティーナとはファンク+ラテンの明るいポップスです。ただ、ファンクも本物のブラックな感じではなく、イギリス系の偽ファンク。ラテンも民族音楽的な本格派ではありません。エッセンスだけを頂いた感じです。時代的に当然シンセも入ってますから、出来上がりは「ちょっとトロピカルなポップス」って感じでしょうか。
分かりやすい例で言うと、カルチャー・クラブの「Do You Really Want To Hurt Me」やワム!の「Club Toropicana」が何故かラテンを取り入れているのもそれを意識しての事だと思います。
「Do You Really Want To Hurt Me」 カルチャー・クラブ
「Club Toropicana」 ワム!
本当にちょっと流行った程度で、アメリカでは無風に近いですが、いくつか代表的なグループはいます。ブルーロンド・ア・ラ・ターク、キッド・クレオール&ザ・ココナッツ、ヘアカット100など。機会があれば、そこら辺もいつか紹介したいですね。
「Don`t Take My Coconuts」 キッド・クレオール&ザ・ココナッツ
モダン・ロマンスもファンカラティーナの流れに乗って遂にヒット曲を出します。彼らも一応ファンカラティーナの代表格の一つに数えられるほどに成功しました。出世作は「Everybody Salsa」です。その後、「Best Years Of Our Lives 」が全英チャート4位を記録し、彼らの最大のヒットとなります。中々良い曲です。その後も「High Life」「Walking In The Rain」など全英TOP10ヒットを連発し、短い全盛期を迎えました。ヒット曲はどれも好きですね。
「Everybody Salsa」
「Best Years Of Our Lives」
www.youtube.co「High Life」
「Walking In The Rain」
そうした一連のヒット曲はベストアルバムに収録されていて、アップルミュージックなどでも配信されていますから、今でも楽しめます。
ところが、本日のテーマ「Juanita」は違います。この曲はイギリスではヒットしていません。この曲は日本でニッカウイスキーのCMに使われ、同曲を含む日本編集のベスト盤に収録されているのです。私はそれを後からレコードで入手しました。
聴いて頂くとお分かり頂けると思うのですが、「Juanita」は彼ら最大のヒット「Best Years Of Our Lives」によく似ています。同じアプローチであるのは明白です。勝手な想像ですが、CMソングとして「Best Years Of Our Lives」みたいな感じでとオファーされたのかも知れません。ただ、私としては後出しの「Juanita」の方がずっとフックがあって好きなんですよね。裏声っぽいヴォーカルも素敵です。つまり、個人的にはモダン・ロマンスの最高傑作は「Juanita」で間違いありません。
ところが、細かい経緯はよく分かりませんが、この「Juanita」は日本限定発売なのでしょう、その後発売されたベスト盤CDには一切収録されていないのです。すなわち、全くデジタル化していないのです。これは実に由々しき事態です。私は個人的に業者に頼んでレコードをデジタル化した音源を聴いていますが、出来る事なら配信して欲しいのです。
確かに、イギリスではヒットしていませんから、ベスト盤に入らない事もあり得ますが、今は配信の時代です。全部流してくれたらOKなだけなのに。って言うか、私が持っている日本編集のベスト盤をそのまま配信してくれればいいんですよ。何となく、それ以前にこの曲だけ全くラインナップに入っていない感があるんですよね、何となくですけど。権利関係の臭いを感じるんですよ。
ただ、2000年代以降バンドは再結成されて活動しているようです。オリジナルのメンバーとは随分異なるらしいですけど。その新メンバーで往年のヒット曲を再録した中に「Juanita」もあったと情報を聞いた事があります。本当か分かりませんが。
だとすると、オリジナルバージョンの配信も可能かも知れません。まぁ、再録盤聴きましたが、その中に「Juanita」はありません。それから既に10年、もはやこれまでか?YouTube で聴けるだけでも良かったと考えるべきでしょう。非常に好きな曲なのに勿体無いです。
それでは、また。
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「騒乱節」
「頑張ってって言わないで」
「蒼の輪舞」