ムー大陸です
私のオススメの洋楽を紹介する洋楽至上主義のコーナーです。今回は、
「There's a Kind of Hush(見つめあう恋)」
を取り上げます。
これは元々はニュー・ボードヴィル・バンドの楽曲で、それを1967年ハーマンズハーミッツがカバーしヒットさせました。その後70年代に入ると、カーペンターズがカバー。シングルカットはなかったので、ヒットはしてません。素晴らしい出来なので、カーペンターズの楽曲として認識している方も多いのではと思います。
オリジナル ザ・ニュー・ボードヴィル・バンド盤
ただ、今回取り上げたのはハーマンズ・ハーミッツのヒットです。この曲はもちろんですが、ハーマンズ・ハーミッツ自体をオススメしたいという意図で取り上げました。
ハーマンズ・ハーミッツは主に1965年から1967年に活躍したイギリスのバンドです。1964年にビートルズが世界の最大マーケットであるアメリカ上陸を果たし、空前のイギリスバンドブームが起きます。ビートルズに続けとローリングストーンズ、キンクス、フー、ヤードバーズなどロック史に名を刻む名バンドが大挙してアメリカへやって来たことからブリティッシュ・インヴェイジョン(イギリスの侵略)などと呼ばれました。
確かにビートルズやストーンズは当時音楽的に最先端、ヒット曲も連発していました。No.1ヒットもありました。侵略者と言えるでしょう。しかし、キンクス、フーあたりは音楽的評価は高いけど、ヒット曲は少なく、1位獲得もありません。チャート上ではあまり侵略してません。ブリティッシュ・インヴェイジョンについては後日書きたいと思いますので、詳細は省きますが、ヒット曲という面で最もインヴェイジョンに貢献したのはビートルズ、ストーンズ以外ではハーマンズハーミッツではないでしょうか。次がデイブ・クラーク・ファイブあたりか。
ところが、ローリングストーン誌の論評などではしばしば酷評され、「ビートルズの後やって来たバンドが全て素晴らしかった訳では無いという証拠が欲しければ、ハーマンズ・ハーミッツを聴けばいい」とまで言われる始末。
確かに、バンドの人気はヴォーカルのピーター・ヌーンのアイドル的なルックスに頼るところが大きく、そのサウンドはロック色は薄く、ライト感覚なポップスです。ピーターの歌は鼻にかかった声でお世辞にも上手いとは言えません。演奏も同様です。
とは言え、ロックではなくポップスを求める人には是非聴いて欲しいと思うのです。鼻にかかった声もモンキーズのデイヴィッド・ジョーンズに近いと思うし、味があると言えます。演奏も貧弱ではありますが、その中にも確実にハーマンズハーミッツ風、彼ららしいサウンドはあります。
その意味では今回の「There's a Kind of Hush」はカバーなので、彼ららしさは薄いかと思いますが、そこはカーペンターズの力もあって、スタンダード化した名曲という位置付けです。ハーマンズ・ハーミッツを象徴する一曲はこれにしました。
私個人的にはカーペンターズのカバーよりハーマンズ・ハーミッツ盤を推します。また、カーペンターズ以外にも多くのアーティストがカバーしていますが、最高なのはハーマンズ・ハーミッツ盤です。特に、歌詞Hushのところのshをシュ〜🎵と伸ばす歌い方が素晴らしい。これは彼らのオリジナルで、何とも言えず良い表現です。メロディは美しくキャッチーです。私の中では不滅の名曲です。
また、併せてカバーではない彼らのオリジナル、ハーマンズ・ハーミッツらしさが溢れる「I'm Into Something Good(朝からゴキゲン)」、「Can't You Hear My heartbeat(ハートがドキドキ)」「Mrs.Brown You've Got A Lovely Daughter(ミセス・ブラウンのお嬢さん)」なども聴いて頂きたいです。貼っておきます。
「I'm Into Something Good(朝からゴキゲン)」
「Can't You Hear My heartbeat(ハートがドキドキ)」
同じロック色が薄めのポップス系のデイヴ・クラーク・ファイブは全米1位獲得1曲、同Top40ヒット8曲の輝かしい成功に加えて、音楽的にも評価を受けていて、2008年にはロックの殿堂入りを果たしています。
全米1位獲得2曲、同Top40ヒット11曲とその上を行くハーマンズハーミッツは、残念ながら全く評価を受けていません。是非ともこの機会に自分の耳で判断して下さい。
それでは、また。
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新曲公開中です!是非聴いて下さい♪
「春に死のう」
「プルトニウム」