ムー大陸の音楽探検

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ビバ!歌謡曲⑨〜「ズンドコ節」

ムー大陸です

 

 

 

私のお気に入りの歌謡曲をオススメするビバ!歌謡曲のコーナーです。前回予告した通り、今回は、

 

「ズンドコ節」

 

です。

 

前回、「夢は夜ひらく」を取り上げました。

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カバーする度に歌詞が変わり、その上タイトルの前に「⚫︎⚫︎の」と歌手の名前が付く曲があります。その代表的な2曲が「夢は夜ひらく」、そして今回取り上げる「ズンドコ節」です。

 

「ズンドコ節」は「海軍小唄」と呼ばれる歌が原曲です。「汽車の窓から手を握り 送ってくれた人よりも ホームの陰で泣いていた 可愛いあの娘が 忘らりょか トコズンドコ♩」最後の部分「トコズンドコ」がお囃子です。

「海軍小唄」

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この歌も「夢は夜ひらく」同様、口伝で広まっていた俗謡です。軍人の悲哀をちょっとコミカルかつ自虐的に歌ってます。なので、権利関係の問題が無いためか、カバーが盛んに行われます。カバーは上記の「海軍小唄」のメロディとオリジナルのメロディを組みあわせて、主に「海軍小唄」の部分がサビになるような構成で作られます。歌詞は都度オリジナルのものが用意され、大抵タイトルには「⚫︎⚫︎の」と歌手名が付きます。「夢は夜ひらく」の場合、オリジナルの歌詞ではなく、藤圭子盤のカバーも多いですが、そういうのは殆どありません。

 

最初に広く人気となったのは田端義夫氏の「街の伊達男」と名付けられたもの。

「街の伊達男」

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しかし、ドコ ズンドコというお囃子はあるけれど、「海軍小唄」のメロディはありません。メロディは「銀座八丁」という歌のメロ。当初は「銀座八丁」と知らずに使ったらしいです。ただ、これは1947年の作品で、ちょっと古い。今聴くには多少厳しいかも知れません。また、実質「ズンドコ節」とは言いにくいです。

とは言え、この歌のお陰で「ズンドコ節」をアレンジしてカバーするという意識が生まれました。

 

そして、1960年映画スターがカバーします。小林旭氏が「アキラのズンドコ節」をリリース。

「アキラのズンドコ節」

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小林旭氏はその歌唱力以上に魅力溢れるシンガーで、民謡やらコミックソングを見事に自分流で歌いこなす日本歌謡界の宝です。この「アキラのズンドコ節」も素晴らしく、とぼけた味がたまりません。

「ズンドコ節」のカバーとしても、完全オリジナルのメロディと「海軍小唄」の組み合わせ、「ズン ズン ズンドコ」というオリジナルとは異なるお囃子、そして、「アキラの」と名前を付けたこと、あるべき姿を整えたのはアキラ盤です。この盤が後世に与えた影響は大です。ただ、これはB面だったんです。なので、記録上はヒットしたわけではないんです。

 

それから9年後、1969年にドリフターズがカバー。名付けて「ドリフのズンドコ節」。

「ドリフのズンドコ節」

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ドリフはコメディアンとしての顔の方が有名ですが、ビートルズ来日公演では前座を務めた立派なバンド、ミュージシャンです。彼らのヴァージョンは、時代の波でしょうか、8ビートでロック色が強いです。ノリが良くて好きですね。お囃子は8ビート対応で「ズンズンズンズンズンズンドコ」になってます。そして、ドリフ盤はオリジナルメロディ部分がありません。「海軍小唄」部分をドリフのメンバーが一人づつ歌うという構成です。それも良い。何と言っても、今までと違うのは、このドリフ盤は大ヒットしたということです。遂に「ズンドコ節」がヒットチャートを席巻しました。

 

それから多くのカバーが生まれていますが、やはり、決定的なカバーは氷川きよし氏の「きよしのズンドコ節」でしょう。

「きよしのズンドコ節」

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きよし盤はアキラ盤と同じ構成です。お囃子も似ていて「ズン ズンズン ズンドコ」です。また、「パパヤ」のコーラスはドリフ盤から。この盤の貴重なところは氷川きよし氏の歌唱力です。「ズンドコ節」はコミックソング的にカバーされる事が多いため、本格派の歌手のカバーは意外と少ない。その上シングルとなれば、初めてでしょう。この盤が素晴らしいのは歌としてきっちり聴ける「ズンドコ節」であることです。

 

味ならアキラ盤、ノリならドリフ盤、歌唱力ならきよし盤です。どれがとなると、もう好みです。私はドリフのノリに一票かな。

 

その他バラエティの富んだカバーは多数あります。その中で面白いのは、ピンク・マルティーニの「Zundoko」。

「Zundoko」ピンク・マルティー

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あのジャズバンドのピンク・マルティーニがやらかしました。幅広い音楽性を持つピンク・マルティーニですから、やりたかったんでしょうね。演奏は艶っぽくて良い。ドリフ盤のアレンジを踏襲、歌詞は「海軍小唄」をそのまま歌っています。ただね、これ日本語下手過ぎ!聴くと笑ってしまう。

 

零心会のズンドコ節」、零心会は80年代のストリートパフォーマーの劇団です。

零心会のズンドコ節」

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彼らのヴァージョンはTVドラマのエンディングに使われました。中々の社会派です。「ズンズン ズンズン ズンズンドッコー」というお囃子もオリジナルです。ただこれは入手が難しいかも。

 

その他、「ケーシーのズンドコ節(ケーシー高峰)」、「ケンヂのズンドコ節(筋肉少女隊)」、レ・ロマネスクの「Zundoko-Bushi」あたりは正直キワモノっぽいです。

この歌のカバーを見つけたら、必ず聴くようにしてます。結構めちゃくちゃなの多いです。でも、みんなこの歌好きなんだね、それが良く分かります。うん、私も好きです。

それでは、また。

 

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「あやかし」

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「Evergreen」

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