ムー大陸です
チャートアクションから過去の名曲を振り返る名曲たちの成績表のコーナーです。
今回は、
「You Can't Hurry Love(恋はあせらず)」
です。
これはいい曲ですね。大好きな一曲です。
1966年のスプリームスの大ヒットです。9月10日から2週間ビルボードで1位を記録しています。
60年代はやはりビートルズの時代でした。音楽界の影響力は他とは比較にならないほどに大きい。なので、その時代、彼らのライバルとは誰だったのか?という話題はよく取り上げられます。まぁ、音楽はスポーツとは違うので、あまり宿命のライバルなんて聞きませんが、それでもライバルと呼ばれる存在は確かに挙げることは出来ます。
最も比較の対象とされるのはローリング・ストーンズでしょう。同じイギリス出身の人気バンドでしたから。ビートルズより不良っぽいイメージなのもライバルとして良かったかも知れません。あくまで不良っぽいだけで不良じゃないですけどね。ここのライバル関係は人気ロックバンド1位2位の関係でしょう。
あるいはボブ・ディラン。ビートルズ自身もディランへのリスペクトを語っていますし、ジョン・レノンの歌詞にも影響があるでしょう。ディランがライバルとされるのは時代の表現者として、あるいはオピニオンリーダーの一面でと考えられます。
ビーチボーイズはどうでしょう?ブライアン・ウィルソンはビートルズよりも早くロックを芸術へと引き上げようと考えた男です。孤軍奮闘のため、ビートルズに敗れはしましたが、純粋に音楽的なライバルと言えるでしょう。
ただ、これらの評価は記録ではありません。記憶の中、感覚的なライバル関係なんです。例えば、チャート上の1位獲得に関して言うと、ビートルズが7年のアメリカでの活動期間中に20曲なのに対し、ストーンズはその間5曲、ビーチボーイズは2曲、ボブ・ディランは0です。つまり、ビートルズは質の面での活躍もさることながら、量でも大活躍。多面体であって各々のライバルはビートルズの一面のそれでしかないのです。
さて、お待たせしました。そして、あまり取り上げられることはありませんが、ヒットチャート上のライバルだったのは、何を隠そうスプリームスだったのです。ビートルズがアメリカ上陸した1964年に初めて1位を獲得、1969年にダイアナ・ロスが脱退し、そこで全盛期は終わります。その6年間はほぼビートルズと重なります。その間に12曲が1位になっています。つまり、1年間に2曲平均。ビートルズは3曲平均ですが、アメリカ上陸した年に6曲の1位を出しているので、その後はほぼ2曲平均です。
多くの1位獲得を持つアーティストは他にいますが、エルヴィス、マライア、マドンナみんなもっと活動期間が長いんです。
1964年以降短い期間にもかかわらず、2曲のナンバー1ヒットを毎年出し続け、ヒットチャートで頂上対決をしていたのですから、ビートルズ最大のライバルと言ってもいいでしょう。
そんなスプリームスですから、名曲は数多あります。その中で一番に選ぶとすれば、私としては「You Can't Hurry Love(恋はあせらず)」かなと思います。聴くとすぐにモータウンを想起させるあのベースライン。どれほど流用されたか分かりません。モータウンを支えたバックベーシスト、ジェームス・ジェマーソンの仕事です。もちろん、楽曲提供をしていたホーランド=ドジャー=ホーランドのメロディもいい、ダイアナ・ロスの爽やかな歌声も素敵です。ちなみに、2番目に選ぶのは大きく離れて「Stop! In The Name Of Love」、3番目は更に大きく離れて「You Keep Me Hanging On」あたりか。
「Stop! In The Name Of Love」
「Ypu Keep Me Hangin` On」
「You Can't Hurry Love」は名曲だけあってカバーも多いです。ただ、ヒットチャートに登場したのは1983年のフィル・コリンズのものだけです。名曲、定番過ぎてシングルには向かないというのはあるかもしれないですね。ただ、そのフィル・コリンズ盤、これが最高です。今となってはオリジナルのアレンジは多少古い感じが否めないので、オリジナルよりフィル・コリンズ盤の方が私は好みです。歌も上手いしね、彼は。このカバーは最高位10位でした。80年代フィル・コリンズは大ヒット連発しますが、これはその前のアルバムですね。この後生まれるフィル・コリンズのヒット曲は傑作も多いですが、それでも残念ながら1曲もこのカバーを超えたものはないと思っています。このカバーはそれほどに素晴らしく、そもそもこの曲が不滅の名曲ということでしょう。こちらのカバーも貼っておきます、お楽しみ下さい。
それでは、また。
私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。
新曲公開中です!是非聴いて下さい♪
「春に死のう」
「Evergreen」