ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

名曲たちの成績表⑤〜「Yesterday Once More」

過去の名曲のチャートアクションを振り返る名曲たちの成績表です。今回は、

 

「Yesterday Once More」

 

です。

 

www.youtube.com

 

これは誰もが一度は聴いたことがあるでしょう。1973年のザ・カーペンターズの大ヒットです。ザ・カーペンターズアメリカ以上に日本で人気があった兄妹デュオです。「アメリカ以上に日本で」と言っても、それは決して世界的にはそれほど人気じゃないけど、妙に日本ではもてはやされて、なんて意味じゃありません。世界的に知られたアーティストだけど、特に日本では大人気、どこか日本人の好みに合ったという意味です。そういうアーティストって幾人かいますね。ディープ・パープルとかビリー・ジョエルなんかその傾向を強く感じます。その最たる者がザ・カーペンターズと言えるでしょう。彼らのメロディアスな楽曲は英語が分からない日本人にも馴染みやすい。恐らく、60歳以上の人は彼らの音楽で洋楽に出会ったなんていうのも珍しくないと思います。そういう意味ではザ・ビートルズにも匹敵するかも知れません。

 

そんな彼らの代表作と言えば、この曲「Yesterday Once More」、日本での最大のヒット曲です。

では、彼らの母国アメリカではどうなのか?

ビルボードにおいて彼らは3曲のNo.1ヒットがあります。「Close To You」「Top Of The World」「Please Mr.Postman」です。どれも名曲です。1970年にデビューし、最後のTOP10ヒットが1976年、実質7年間の全盛期に3曲の1位ですから、大活躍と言えるでしょう。しかし、彼らの特徴は最高位2位の曲、つまりあと一歩1位に届かなかった曲が多いということです。「We've Just Only Begun」「Rainy Days And Mondays」「Superstar」「Hurting Each Other」そして、「Yesterday Once More」、何と5曲もあるのです。1位と2位を合わせると8曲。70年代最も売れたアーティストと言われるエルトン・ジョンの1位が6曲、2位が3曲で合計9曲ですから、印象としてはザ・カーペンターズも70年代のトップに準ずる実績と言えます。特に彼らが活躍した時期はヒット曲の入れ替わりが早く、1位も長くて5週くらいくらいですから、今以上に1位と2位の差は僅かでした。ですから、それが8曲というのはその時代を代表するアーティストで間違いない。

チャートは巡り合わせもありますから、運不運がつきまといます。「Yesterday Once More」ほどの名曲が1位を阻まれたとなれば、その時の1位はさぞかし名曲?と思いきや、1973年7月28日の1位はジム・クロウチの「Bad, Bad Leroy Brown」でした。私は好きですけど、名曲と言うほどではないかな。やはり、その時々なんでしょう。

 

また、1位を獲得し切れないというのは大人気の中にも弱点があったんだと思います。彼らのサウンドは心地よいんですけど、それを甘過ぎると感じる人達もいて、硬軟どちらでもというザ・ビートルズのような訳にはいかなかったと感じます。「Yesterday Once More」も美しい曲ですけど、例えば、ハードロック好きにはあまりにメロウだし歌詞も感傷的に過ぎるとも言えるでしょう。私は大好きですよ、この曲。特に彼らのアルバム「Now And Then」のB面、この曲からオールディーズメドレーへ続く流れは彼らのディスコグラフィの中でも頂点と思います。なので、2位止まりは不可解にすら思いますが、こういうのがダメな人も一定数いるということでしょう。

 

1976年が最後のTOP10ヒットと前述しました。カレン・カーペンターが亡くなるのは83年ですし、81年までは中ヒットが出てます。実はエルトン・ジョンも77年以降チャートアクションが衰えて来ます。はい、そうですね、ディスコブームがやって来たんです。ザ・ビージーズの全盛期が始まり、ポップミュージックの勢力地図が大きく変わったのがその頃です。そして、そのディスコブームも80年代に入ると消えていきます。大きなムーブメントも5年も持たないんですね、水商売です、本当に。

それでは、また。

 

私のYouTubeチャンネルもよろしくです。

www.youtube.com

新曲出しました。是非聴いて下さい♪

「鬼火」

youtu.be

「混沌(カオス)」

youtu.be

プルトニウム

youtu.be