ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

ビバ!歌謡曲11〜「真夏の夜の夢」

ムー大陸です

 

私のお気に入り歌謡曲をオススメするビバ!歌謡曲のコーナーです。

今回はこの曲、

 

真夏の夜の夢

 

です。

 

www.youtube.com

 

これは野口五郎氏のヒット曲です。松任谷由実氏の曲ではありません。あれは「真夏のヨの夢」ですが、野口氏のは「真夏のヨルの夢」で、読みが異なります。まぁ、ユーミンのは自作自演なんで私の中で歌謡曲ではないんですけど。

野口五郎氏は新御三家随一の実力派として数多くのヒット曲を持っています。実はこの曲はそれほど大きなヒットではありません、むしろ、売れっ子の彼にしてはちょっとコケた感も無きにしも非ずですね。でも、作品のクオリティは高く、野口氏自身も現在に至るまで良く取り上げているようなので、小ヒットに終わったとはいえ、傑作との認識があったのではと勝手に思っています。

 

この歌の素晴らしさは主にその曲に負うところが大きいです。阿久悠氏の歌詞に問題がある訳ではないのですが、特に強調する部分も無い、よくあるラブソングの内容です。名作揃いの阿久悠氏の詞の中では普通の部類です。一方、曲の方は日本一の流行歌作曲家・筒美京平先生です。

 

大まかに分ければ、この曲の構成はAメロ→Bメロ→サビなんでしょうが、Aメロも細かく言えば、メロディを2つに分割出来るし、Bメロも同様に前半部分から後半へは少し展開します。その上でサビが来ますが、ここがコーラスパートとの掛け合いで、事実上メロディが二重になっている。そのサビからもう一段展開してタイトルを歌って一番終了になります。

異なるメロディをふんだんに注ぎ込んでいて、さすが職業作曲家だと感じます。一つ一つのメロディも使い方が勿体無いと思えるほどキャッチーなものを繋いでいて、このメロディで何曲か書けそうな気がするほどです。

 

また、野口五郎氏のヒット曲ってバラッドやミドルテンポの曲が多いんです。彼の歌い方も影響しているのかも知れませんが、アップテンポな曲は極端に少ないんです。これは同じ新御三家西城秀樹氏や郷ひろみ氏と比べても少ないですね。まぁ、元々演歌歌手でデビューして、新御三家の中でも落ち着いたキャラクターであったので、そういう作風になったのかも知れません。

なので、この曲は彼のディスコグラフィーの中でも珍しくアップテンポな一曲です。その上、彼はこの曲をギターを弾きながら歌っています。昨今の桑田佳祐氏とのコラボでもお分かりのことと思いますが、彼は結構なギターの名手ですし、出自の割にロックの人なんです。

 

歌手になりたかったら、昭和の時代なので、ああいうアイドルとか歌謡曲という形で活躍するしか無かったのでしょう。実は、早くから多重録音技術や自主制作のノウハウなどに精通していて、プロデューススキルも高い総合的なミュージシャンなんです。そんな彼のロックな一面が最も色濃く出ている楽曲としてもオススメです。

ひょっとして小ヒットに終わったのも、そういう意味で当時ファンが求めたものとは多少違っていたのかも知れません。

 

ちなみにサビのところで女性コーラス入りますが、これはEVEという3人の女性コーラスグループです。「恋はパッション」という浅田飴のCMソングのヒットで知る人ぞ知る存在で、紅白歌合戦にも出たことがあるはずです。見てませんが。

 

「恋はパッション」

www.youtube.com

 

さて、それで野口五郎氏の歌、もちろん、いつものような彼の歌声なんですが、私の印象では二番の方が出来が良いんです。特に最後の「真夏の夜の夢🎵」のところは二番の方が安定している。いや、もちろん、OKテイクですから、何も問題ないんですが、ほんの少しそんな感じがします。それはミキシングやイコライザーで加工し過ぎず、生テイクが活かされていることの証明でもあります。

 

残念なことに、今となっては「真夏の夜の夢」と照会すると、圧倒的にユーミンのそれが表示されます。wikiでもApple Music でも。ユーミンの曲をどうこう言うつもりはありませんが、やはり、私はこちらを強く推したいですね。この曲はカバーもありませんから、野口氏のオリジナルで聴くしかありません。是非この機会に聴いてください。

それでは、また。

 

私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。

www.youtube.com

新曲公開中です!是非聴いて下さい♪

「春に死のう」

www.youtube.com

「あやかし」

www.youtube.com