ムー大陸です
今回はスポーツと音楽の関係について考えます。スポーツの色々な場面で音楽は登場します。
真っ先に思い浮かぶのは応援歌でしょうか。
例えば、野球のスタジアムのスタンドにはブラスバンドがいます。あのブラバンの応援は一つのジャンルと思えるほどのものです。あるいは、サッカーの競技場。サポーターたちのチャントが響き渡ります。これがまた独特で音楽的要素十分です。
また、格闘技の世界では、選手が入場する際に音楽が流れます。会場のムードは一気にマックスへ。選手たちを奮い立たせます。
相撲には相撲甚句、太鼓。競馬だったらファンファーレなどなど、挙げれば結構あるもんです。
オリンピックやワールドカップのようなスポーツの大きな大会があれば、必ずと言っていいほど、大会の公式テーマソングが設けられます。加えて、それらを放送するメディアは各々番組のテーマソングを決めて、それを流し視聴者の興奮を誘うのです。
ですから、スポーツと音楽の関係において、スポーツの側から見た時、音楽は、選手を、競技そのものを、大会を、番組を盛り上げるために必須のアイテムと言っていいでしょう。そして、逆に音楽側から見た場合、スポーツは上得意といったところです。
しかし、それは商売上のことです。スポーツから得られる感動というものは非常に大きなものがあるし、アスリートは多くの人から尊敬を集める人気者です。であるなら、スポーツをテーマに、舞台にした歌、偉大なアスリートについて語った歌などが存在してもいいと思うのです。
というのも、何でも歌にする精神に溢れた日本のアニメソングにおいては随分とスポーツの歌が作られてきました。もちろん、それはスポーツ根性漫画が漫画界の王道であったことがあり、それに伴いアニメもそういった作品が多かったことに由来します。
例えば、「エースをねらえ」も主題歌は完全にテニスの動きそのものを歌にしていますね。もちろん、最後はタイトルを持ってきますが、それだってプレイの一部です、サービスエースを狙うわけですから。
「エースをねらえ」大杉久美子
ところが、アニメから離れて、普通のポップスとなると、随分とスポーツの取り扱いが減ってしまうんです。これは残念なことです。
例外的に大きく一つのジャンル化した音楽がサーフィンロックです。ビーチボーイズに始まるこの音楽は主にサーフィン、車を歌っています。まぁ、これはスポーツというより娯楽と捉えている面が強いです。
というのも、ある時プロサーファーのインタビュー記事で読んだことがあるんですが、サーフィン競技に合う音楽って何ですか？みたいな質問に対して、競技中は無音だと答えていたんです。これが印象的でした。
私はスポーツにとって、音楽は周辺を盛り上げるアイテムではあるものの、競技そのもと深くは繋がっていないし、恐らく、スポーツの感動は音楽を通して再現するのが難しいのだと強く感じました。なぜなら、スポーツそのものを動画などで繰り返し見る方が手っ取り早いから。
音楽に出来ることはそうしたスポーツの中から上手にエッセンスを取り出して、ある程度のドラマを描いて共感を得るという方法でしょう。
なかなか難しいと思いますが、ミュージシャンたちが挑戦してみる価値があると思います。
それを上手くやった例はそれほど多くないですが、紹介します。
①「チャンピオン」 アリス
これは皆さんご存じでしょう。ミリオンヒットになった名曲です。
ボクシングの世界を描いた作品です。架空のチャンピオンでありますが、年齢とともに衰えを隠せないアスリートの宿命に触れながらストーリーを組み立てています。実に巧みですね。他にこんな曲はありません。
こちらはドラマではありません。実在した名馬ハイセイコーが引退するにあたってリリースされた歌です。歌っているのは歌手ではなく、ハイセイコーに騎乗していた騎手です。ハイセイコーは地方競馬からやってきた馬で、中央競馬のエリートたちに挑み、勝利するところが、多くの人の心を捉えたのです。すみません、リアルタイムでは知りませんけど。
③「君よ八月に熱くなれ」高岡健二
高校野球をテーマにした作品です。高校野球のダイジェスト番組「熱闘甲子園」の最初のテーマソングです。歌っていたのは自身甲子園出場経験があった俳優の高岡健二氏です。歌は正直上手くありませんが、それ以上に素直なメロディと見事な歌詞が心に響きます。
こんな歌がもっと生まれたらいいと思います。
それでは、また。
私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。
新曲公開中です！是非聴いて下さい♪
「春に死のう」
「Evergreen」
