ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

ビバ!歌謡曲①〜「古い日記」

ムー大陸です

 

前回お話ししたように、今回は私のお気に入り歌謡曲をオススメする新シリーズ

「ビバ!歌謡曲」の開始です。

 

記念すべき第1回目は「古い日記」です。

 

この曲は1974年の和田アキ子のヒット曲です。冒頭のフレーズ「あの頃は二人とも」でよく知られています。作曲は馬飼野康二西城秀樹の初期のヒット曲をはじめ数多くの名曲を世に送り出した職人中の職人ですね。彼が書いた、アニメ「ベルサイユのばら」の主題歌「薔薇は美しく散る」は大好きです。

この曲も名曲で、派手なブラスをフィーチャーした、ソウルとロックの間って感じに仕上がっています。70年代前半はブラスロックなんてサウンドもありました。シカゴとかBS&Tなんかですね。それよりややソウルフル。「Get It On」を出したチェイスとかそういうグループの路線かな。意外と馬飼野氏はこういうの得意ですよね。西城秀樹の「激しい恋」あたりに近いです。

この激しいブラスに負けない和田アキ子のパワフルなヴォーカル。世間的には「あの鐘を鳴らすのはあなた」を彼女の代表曲とする向きがありますが、私は断然こちらを推しますね。よく物真似で「あの頃は、ハッ!」ってやられてましたけど、実際、彼女はこの歌の中で何度も「ハッ!」を入れています。まぁ、「あの頃は」の後には入らないんですけど。これは正直入れ過ぎのように思ってます。最後に1、2回で良かったんじゃないかなと思います。「いや、あれが売りだ」という意見もあるでしょうが、ちょっと多過ぎと感じます。

さて、馬飼野氏の曲は最高なんですが、それを凌駕するほどの内容を持つのが歌詞です。作詞は安井かずみです。「私の愛した郷ひろみ」でも登場しました。名曲「よろしく哀愁」を手掛けた名人です。

Aメロのフレーズはすべて「あの頃は二人とも」で始まります。このフレーズは合計5回出てきます。AASASAという構成です、Sはサビです。そしてこのフレーズを重ねていくごとにかっこいい歌詞になっていくんですよ。最初は「あの頃は二人とも なぜかしら世間には スネたよな暮らし方 恋の小さなアパートで」です。次2回目、共通部分は省略します。「なぜかしら若さなど 無駄にして暮らしてた 恋の体を寄せ合って」となります。1番だけAメロを2回繰り返すので、この最初の2回だけ他より共通部分が多いんです。「なぜかしら」も「恋の」もそうです。この2回はひとまとめと考えるべきなんでしょうが、全体のバランスを考えると、他もすべて揃えるか、ここも共通部分を増やさなくて良かったと思ってます。そこだけ気になるとこ。

と言うのも、この後が凄すぎて。3回目「他人など信じない 自分たちだけだった 後はどうでも構わない」です。これショックだった、最初聴いた時。いい歌詞だ、本当に。若い二人の絵が浮かぶようですよ。そして、2番の最初、4回目「先のこと考える 暇なんて無かったし 愛も大事にしなかった」です。ああ、たまらん。こんなの書けないなぁ。遂にラスト「雨の日は 雨に濡れ 今よりもさりげなく 恋と自由に生きていた」。何ですか?これ。もう凄すぎて凄すぎて、涙出てきます。

若い二人は他人を信じないで、都会の片隅の小さなアパートで肩よせあって暮らしてる。貧乏で忙しい。将来なんて考える余裕はない。でも、恋と自由に生きていたんですよ、愛は大事にしなかったけど。矛盾しているようでしてません。もう最高!そして、なんと言っても、この歌詞に「古い日記」とタイトルを付けるかよ。何故そんなことが出来る?

 

私はこんな風に想像します。

この歌の主人公は、引っ越しか何かの折に、昔の日記を見つけた。それに何気なく目を通すと、昔の事を思い出して、あの歌詞です。ここがポイントなんですけど、今もあの頃の相手と暮らしている。「二人とも」という歌詞からして。もし、別れていたのなら、私だけの思い出ですが、二人とも若かったというニュアンスを勝手に汲み取りました。二人は今では豊かになり、余裕のある生活が出来てるのかも知れません。でも、あの頃は当たり前のように持っていたものを失ってしまった。そんなとこでしょうか。皆さんはどう思いますか?貼っておきますので、ぜひ楽しんで下さい。

それでは、また。

www.youtube.com

 

私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。

www.youtube.com

新曲出ました。是非是非ご贔屓のほどを!

youtu.be

youtu.be