ムー大陸です
以前にも書きましたが、私は洋楽、イギリスやアメリカのロックが好きなんです。
やはり、ロックは向こうの音楽ですから、本物を聴くのが一番です。
じゃあ、日本のロックは嫌いなのか？いや、そういう訳ではないのですが、正直、自分が制作側に回るまではあまり積極的に聴きませんでした。私は洋楽を聴いては、自分で作った訳でもないのに、「お前たちにはこんな音楽は作れないだろう」と日本のロッカーたちを勝手に蔑んでいました。すみません、最低ヤローと呼んで下さい。
さて、そんな私が日本の音楽で大好きだったのが歌謡曲です。
歌謡曲、特に６０年代から８０年代中頃までが全盛でしょう。アイドル歌謡、演歌といった職業作曲家の先生や一部フォーク・ニューミュージック系の作家たちによる日本の流行歌こそが日本の元々あったものの系譜であり、ロックは海外からの音楽というのが私の中の色分けです。なので、ロックは海外のものを聴いて、日本語の音楽が聴きたい時には歌謡曲を聴くというのが私の音楽ライフです。アニソンとかはまた別ですけど。
そんな訳で、前回まで「私の愛した郷ひろみ」を書いてきたのですが、郷ひろみ以外にも私が好きな歌謡曲は数多あります。それを紹介していくコーナーを始めていきたいと思います。
名付けて「ビバ！歌謡曲」です。
これまで、私のオススメの洋楽を紹介する「洋楽至上主義」と、過去の名曲（洋楽です！）のヒットチャートでの動きを振り返る「名曲たちの成績表」というシリーズを立ち上げて来ましたが、洋楽ばかりに偏っていました。そこで、今回は日本の流行歌についても書いていこうじゃないかというものですね。
ただ、最近は歌謡曲とニューミュージック、そしてJ-POPと呼び名が変わっていく中でその区分けが随分と変わってきているような気がします。例えば、雑誌の企画として以前、７０年代/８０年代昭和歌謡ベスト・ソングス１００というのがありました。このランキングの良し悪しを云々するつもりはないんですが、最も大きな違和感は「この曲って歌謡曲なのか」というものでした。その傾向は特に８０年代で顕著です。例えば、このランキングで７位に入ったのが松任谷由実の「守ってあげたい」。これは自分で作って自分で歌ってますから、私の区分けでは歌謡曲ではなく、ニューミュージックです。ニューミュージックっていうのも随分といい加減な言葉だと思いますが、とりあえず、その言葉を尊重して、何に対して「ニュー」なのかと言いますと、それまでの歌謡曲に対してだと思うのです。筒美京平、都倉俊一のような職業作曲家が歌手へ「つくりごと」の楽曲を提供していた世界に対して、吉田拓郎、井上陽水らが自分の思いを自分のメロディ、リリックに乗せて歌うから「ニュー」だったのです。それで言うと、吉田拓郎や井上陽水の後に来るのは荒井由実、中島みゆきでしょうし、男性ならさだまさしや松山千春、アリスなんかです。つまり、松任谷由実の「守ってあげたい」はニューミュージックです。
一方で、同じ松任谷由実が松田聖子に書いた「赤いスイートピー」が１１位にランクされていますが、これは私の中で歌謡曲です。ニューミュージックの作家であっても、他者のために書いた楽曲は歌謡曲という位置づけです。もっと言えば、松任谷由実が歌った「時をかける少女」はニューミュージック、原田知世が歌った「時をかける少女」は歌謡曲です。
昨今はシティポップなどという呼び方で、日本の昔のポップスを捉えたりもします。松原みきの「真夜中のドア」が世界的な人気を得たのも記憶に新しいでしょう。あれは彼女自身が書いた楽曲ではないので、歌謡曲認定です。でも、シティポップの中でも山下達郎の作品は自作なので、やはり、ニューミュージック認定です。純粋に音楽的に考察すれば、同じ音楽であることは間違いありません。歌謡曲もニューミュージックもJ－POPも、さらに言えば、演歌だって同じでしょう。ただ、重要なところはそこではないのです。流行歌の歴史の中でどういうコンセプトで生まれてきたかを考えた場合、やはり、フォーク・ニューミュージックを歌謡曲に入れたくありません。
と、まぁ、それが私の歌謡曲の概念です。
なので、基本的には６０年代から８０年代の職業作曲家による作品が主になります。決してサザンやユーミンが自分で発表した作品は登場しないということになります。よろしくお願いします。
今回は総論、次回は各論の第一回目です。
予告しますが、第一回目の楽曲は和田アキ子の「古い日記」です。
それでは、また。
私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。
新曲です。結構評判いいです。ありがとうございます。是非聴いて下さい！
