ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

ビバ!歌謡曲③〜「五番街のマリーへ」

ムー大陸です

 

前回の「ジョニィへの伝言」に続き、ペトロ&カプリシャスのヒット曲「五番街のマリーへ」についてお話しします。前作同様これもリスナー巻き込み型、参加型に歌詞になっています。

五番街に行ったならば マリーの家へ行き どんな暮らししているのか 見てきてほしい」といきなり始まりから頼み事です。もちろん、頼まれるのはこの歌を聴いているあなた、もしくは私です。前作「ジョニィへの伝言」では頼み事は伝言だけでしたが、今回は違います。五番街まで出掛けなければなりません。その上、マリーという、私にとっては見ず知らずの女性について調査をするのです。随分とレベルアップしました。ある意味、私立探偵並みとも言えます。その依頼の理由というのが、サビにあります「マリーという娘と 遠い昔に暮らし 悲しい思いをさせた それだけが 気がかり」。相変わらず具体的な事は分かりませんが、やはり想像を掻き立てる歌詞ですね、さすが。

まず、「遠い昔」ってどれくらいでしょう?50年とかだとさすがにマリーっていくつよって話ですから、まぁ、いいとこ10年まででしょう。「悲しい思い」もよく分からない。昔、この歌の主人公はマリーと恋仲だった。2番に「五番街で住んだ頃は」という歌詞があります。多分、一緒に住んでいたんでしょう。ところが、結ばれなかった。理由は分かりませんが。そして、「五番街で噂を聞いて もしも嫁に行って 今がとても幸せなら寄らずにほしい」と言います。

つまり、今不幸ならば、何とかしようと言っているように聞こえます。ひょっとして寄りを戻すなんて野望を抱いているんでしょうか。ただ、どうでしょう。そんな可能性は低いと思います。調査の結果、どんなケースが考えられるか?マリーは結婚し、五番街で暮らしている。それを私は彼に報告する。彼は安心して喜ぶと、これがありがちな流れ。結婚して五番街にはもういないというのもありですね。その場合も、いいところに嫁に行ったらしいよなんて報告して終了。悲しいケースはマリーは既に亡くなっているとか。結婚したけど、不幸もあるでしょうが、彼には関係ないですね。彼の事はすっかり忘れて結婚したけど失敗しただけですから、彼の出番はありません。もし、彼が何かするとすれば、彼のことを忘れず、誰とも結婚していないというパターンですが、さすがにそれは無理があると思いますけど。

ただ、頼み事自体はグレードアップしましたが、リスナーの巻き込み度合いは落ちたように思います。「ジョニィへの伝言」ではジョニィ、私、そして、去り行く女性の三人の関係の中に巻き込まれましたが、今回は頼み事をする主人公と私だけ。マリーは別のところにいて、直接私とは面識もありません。解釈によっては本当に私は私立探偵で、依頼を受けているだけとも取れなくはない。まぁ、最後に「五番街は近いけれど とても遠いところ 悪いけれど そんな思い 察してほしい」という歌詞があるので、これは友人関係と思いましょう。金払って頼むのに、悪いけれどもないでしょうから。

また、これが一番重要ですが、これを頼んでいる主人公は男性と思われますが、歌っているのは女性というところがアンマッチなんです。「ジョニィへの伝言」では去り行く女性の頼みごとを女性が歌っていましたから、違和感なく受け入れました。その上、「五番街で住んだ頃は長い髪をしてた」マリーというのは、間違いなくヴォーカルの高橋まりをイメージしているでしょう。となれば、マリーのイメージの高橋まりが、マリーを探す男性の頼み事を歌うという変なねじれが発生します。リスナー巻き込みにはリアリティがあった方が強さが出ると思うんです。やはり、この歌は男性に歌ってもらう方が良かったと感じます。

 

しかし、しかしですね、それでも「ジョニィへの伝言」と「五番街のマリーへ」のどちらが好きかと問われたら、私は迷わず「五番街のマリーへ」を選びます。それは都倉俊一の書いた珠玉のメロディがあるからです。「ジョニィへの伝言」も名曲ですが、「五番街のマリーへ」は段違いです。童謡を思わせるほどの素直で美しいメロディ。ヒット曲の多い都倉氏の作品群でも一二を争う名曲です。ほとんど歌詞についてしか語ってません。すみませんでした、都倉先生、これで許してください。歌詞のリスナー巻き込み具合はやや落ちましたが、それでも歌詞は素晴らしい。その上、メロディは不滅の美しさです。やはり、「五番街のマリーへ」は最高です。あなたはどちらが好きですか?

それでは、また。

www.youtube.com

私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。

www.youtube.com

新曲聴いて下さい!是非是非。

「混沌(カオス)」

youtu.be

プルトニウム

youtu.be

「Energreen」

youtu.be