ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

ビバ!歌謡曲②〜「ジョニィへの伝言」

ムー大陸です

 

私のお気に入り歌謡曲を紹介する、ビバ!歌謡曲です。

今回と次回は続きものです。「ジョニィへの伝言」と「五番街のマリーへ」、いずれもペトロ&カプリシャスのヒット曲です、この2曲を続けて取り上げます。色々共通項が多いので、比較などしながら進めていきたいと思います。

 

まず、この2曲とも作曲:都倉俊一、作詞:阿久悠によるもの。数々の名曲を生み出し、ピンクレディーを育てた名コンビです。そのコンビが既に「別れの朝」でヒットがあったペトロ&カプリシャスに提供したものです。ただし、「別れの朝」は初代ヴォーカルの前野曜子の時代のもの。2代目ヴォーカル高橋まり(現在の高橋真梨子)のデビュー曲として用意されたのが「ジョニィへの伝言」でした。

 

メロディはキャッチーで素晴らしいし、洋楽ぽさのあるポップスに仕上がってます。ただこの曲の凄さは阿久悠の歌詞にあります。

「ジョニィが来たなら伝えてよ 2時間待ってたと」これが一番の出だしです。女が町を去るんです。高橋まりが歌うから、名前はまりとしましょう。まりはジョニィへの伝言を頼むわけですね。誰に?はい、あなたにですよ、この歌を聴いているあなた、あるいは私にです。更に追撃です、「わりと元気よく出て行ったよと お酒のついでに話してよ」と来ます。どうやら、私はジョニィと酒を飲むような間柄のようです。そして、トドメ。「友達なら そこのところ うまく伝えて」。友達なんです。私とジョニィとまりは。

これはリスナー巻き込み型、参加型の歌詞なんです。リスナーが楽曲の登場人物に頼まれごとをする、その上、友達でしょなんて言われてしまう。どうしたらこんな歌詞思いつくんでしょう。

そこからとめどなく想像が膨らみます。まりは言います、元気だったとうまく伝えてほしいと。つまり、これは本当は元気じゃないというニュアンスですよね。そして、2番「ジョニィが来たなら伝えてよ 私は大丈夫 元の踊り子で また稼げるわ 根っから陽気に出来てるの 友達なら〜」となります。私は大丈夫とわざわざ言うのは、何かあったという前提です。まりは元踊り子、見目麗しい女性で、堅気ではないかも知れない。ひょっとしてジョニィとの間に何かあったのか?男女関係的な。最後に出ていく前に会おうと思ってたが、ジョニィは帰らない。3番の歌詞で「私は私の道を行く」とあります。これはジョニィとの別れとも読めます。

さて、私は男ですよね、これ。そして、私は二人と腐れ縁、飲み仲間、あるいは親友でしょうか?男二人と女一人。まぁ、私とジョニィはそんなとこだろうが、私とまりはどうなの?どちらかと言うと安全パイ的な気のいい奴の位置付けか。いや、しかし、私の方は少しまりへの憧れとかあるんじゃないのか?ジョニィに気を使って表面には決して出さないけど。とかスゲー広がります、妄想。私が女だとすると、いや、男だな私的には。

 

これは信じられない歌詞です。伝言を頼むだけの内容で、実は具体的なことは何も言っていない。想像を掻き立てる要素を上手に散りばめるだけです。阿久悠はそれが非常に得意ですね。全部説明しちゃうのカッコ悪いですもん。でも、音楽に限らずですが、アーティストってつい分かってもらえないんじゃないかと不安になり、説明しちゃうの。私もそういう癖があります。多分、自分に自信がないから、リスナーも信用出来ないんだろうな。阿久悠は信じてるんだね、リスナーの想像力を。見習わなければいけません。

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この曲は50万枚を超える大ヒットになり、次作も同じ都倉・阿久コンビが提供することになります。それが「五番街のマリーへ」です。

それでは、また。

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