ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

映画「Elvis」を観ました

みなさん、こんにちは、ムー大陸です。

 

今回はタイトル通り、映画「Elvis」を観たという話です。

ですが、その前に、音楽映画の話をしておきましょう。

私は音楽関連の映画、特に実在のミュージシャンの伝記映画が大好きです。

昔からそういう映画はいくつかありましたが、「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒット以降随分と増えたように感じます。「ロケットマン」、「リスペクト」、「JUDY」、「ジギー・スターダスト」などなど。そして、この「Elvis」です。

 

ミュージシャンの伝記映画が好きな理由、それは映画の良し悪し、好き嫌いとは別に、音楽、あるいは、そのミュージシャンに対する思い入れだけで楽しめるからです。

 

残念ながら、そうした伝記映画の中には安っぽい作りのものも多く、映画そのものは必ずしも面白いものばかりではありません。

例えば、「グレート・ボールズ・オブ・ファイアー」という映画をご存じでしょうか。

これはタイトルと同じヒット曲を持つ50年代のロックンローラージェリー・リー・ルイスの伝記映画です。主演はデニス・クエイド。彼はエルヴィスより少し遅れて登場して、タイトルの曲、邦題は「火の玉ロック」で一躍人気者になります。スタイルはリトル・リチャードと同じピアノ弾き語り系ロッカーです。ただ、この映画ヒットしなかった。評価も高くないです。確かに、今一つ、彼の何を描きたかったのかはっきりしない感じはしました。しかし、それでも私はこの映画が好きです。それはある一つの場面があるから。

 

夜のスタジオで、ジェリー・リー・ルイスが一人でピアノに向かっている。練習もしくは作曲といった感じで。すると、外で物音、人の気配がする。ジェリーは不審者と思って、ちょっとビビる。すると、そこには軍服の若者が!そうです、これから兵役に向かうエルヴィス・プレスリーその人です。彼は言います、「受け取れ」「全部お前にやる」。そして静か去っていく。ジェリーは無言のまま見送る。これだけのシーンです。

 

しかし、これは秀逸。もちろん、これはフィクションだし、エルヴィスが軍服でいること自体不自然です。が、それは象徴です。キングであるエルヴィスが後継者と考えたのはジェリーだったということ。そして、ロッカー、エルヴィスは消えて、彼は戻ってきても映画スターになってしまうということ。50年代のロックなんてジャリタレ扱いですから、一度消えれば復活は難しいとエルヴィスは覚悟していたのでしょうか。また、ジェリーはキングにはなれませんでした。13歳のいとこと結婚(それも重婚だったらしい)したことが理由で人気が失墜します。バディ・ホリーも飛行機事故で死ぬと、音楽シーンはよりポップなティーンアイドルへ流れていきました。ロックの復権ザ・ビートルズザ・ビーチボーイズまで待つことになる。そんなことまで考えてしまうシーンでした。まぁ、考えすぎですけど。

 

ただ、こういうワンシーンです。本編とは関係ないけど、音楽ファンとして色々膨らましてしまうようなワンシーン一つで、映画全体は平凡だったとしても、「ああ、よかった」と思えてくる。それが、ミュージシャン伝記映画のいいところです。

 

他にも大好きなミュージシャン伝記映画はいくつもあります。それについてはまたいずれ書きましょう。

ただ、今回は映画「Elvis」を観ました、のはずでした。気づけば、全然「Elvis」について書いてませんね。すみません、映画「Elvis」については次回。

それでは、また。

 

www.youtube.com