ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

洋楽至上主義④〜「The Bump」

ムー大陸です

 

今回私がオススメする楽曲は「The Bump」という曲です。

邦題はそのまま「バンプ」。

これはイギリスのバンド•ケニーの1974年のヒット曲です。とは言っても、イギリスでヒットチャート第3位が最高位ですから、人気はローカルです。全米チャートとは無縁でした。私はもちろんリアルタイムではこの曲を知りませんし、バンドについても名前すら聞いたことありませんでした。ただ、何かのメドレーを聴いた際に、その中の一曲にこの「The Bump」がありました。確かメドレーの始まりの一曲だった。それが気に入って入手すべく探しましたが、見つかりませんでした。まぁ、そんな苦労を笑い飛ばすように、今ではアップルミュージックで普通に聴けますけど。

ケニーはグラムロックのバンドです。グラムロックと言えば聞こえはいいですが、グラムロックバンドとアイドルバンドは紙一重です。グラムと言うと、デヴィッド•ボウイやT-Rexをイメージしてヴィジュアル重視で個性的、セルフプロデュース力高いと思いがちですが、それはボウイの話です。要はヴィジュアル重視だからグラマラスってことですから、むしろアイドルに近く、誰かがポップな楽曲を書いて、アイドルを売ろうとするという日本の歌謡曲のようなものを多く含んでいるのです。このケニーをバックアップしたのはビル・マーティンとフィル・クールターです。この名コンビはザ・ベイ・シティ・ローラーズに楽曲提供し売り出したチームです。

実はこの「The Bump」もローラーズのカバーです。私が持ってたローラーズのベストには入ってなかった。B面の曲だから仕方ないか。74年の時点でローラーズはすでに知られた存在ではありましたが、まだまだでした。「サタデーナイト」は75年ですから。ライターチームは他にもスター候補を持ちたかったのでしょうか、このケニーをデビューさせるわけです。

ところが、このケニーがよく分かりません。そもそもケニーという名前はトニー・ケニーというヴォーカリストの名前に由来しています。個人なのかバンドなのかすら定かではない。ローラーズのカバーで売り出そうとした矢先、トニー・ケニー引退。契約や売り出し方で揉めたんでしょうか?とにかく楽曲だけがある状態です。とりあえずチームはスタジオミュージシャンを集めて「The Bump」を録音。ヴォーカルはトニー・ケニーではなくセッション用のシンガーです。では、彼らがケニーになったのかと言うと、そうではない。チームは既に作られたこの曲を歌ったことにするバンドを探しました。全く自分達が歌も演奏も関わっていなくても、バンドにとっては名ライターのバックアップでデビューという話ですから、チャンスと思ってその話に乗ったバンドがいたんですね、気持ちは分かります。それが私たちに届いたケニーだそうです。そして、上記の如く、イギリス国内で第3位のヒット。続いて何曲かヒットを出しました。そういう意味ではデビューの選択は間違っていなかったのか?ただ、後に揉めたそうです。自分達の音楽をやらせろ的に。それも気持ちは分かります。

結局振り返ると、この曲を作ったのは裏方のミュージシャンたちです。だからでしょうか、演奏も歌も中々ですよ。最初に聴いた時に気に入ったのもそういう面が影響しているでしょう。ローラーズのより遥かにいい。ドラムとベースがもっと重ければ言うこと無しでしたが、それは贅沢ですか。同じメロディの繰り返しではありますが、後半には低音ヴォーカルやギターが入るなど工夫があって素敵です。貼りますので、聴いてみて下さい。ただ、映っているメンバーが演奏してないんですけど。ローラーズ盤も貼りますので、比べて下さい。

それでは、また。

Kenny The Bump

www.youtube.com

Bay City Rollers The Bump

www.youtube.com

 

私のYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。

www.youtube.com

新曲出しました。是非是非聴いて下さい。

youtu.be

youtu.be