ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

キング・オブ・ジャパニーズ洋楽は?

ムー大陸です

 

洋楽と一口に言っても、色んなものがあります。特に日本で売れた洋楽というのは、必ずしも本場アメリカやイギリスで売れたものと一致するとは限りません。理由は色々あると思いますが、1970年代以前だと、まず情報が少なかった。圧倒的に情報が少ないため、レコード会社自身も手探りの状態。海外で売れているものを売るというよりは、日本で売れそうなものを自身の判断でセレクトして売るという姿勢でした。だからこそ、クイーンにいち早く注目したし、チープ・トリックをスターダムへ押し上げることが出来た。一方で、そうした姿勢は日本でだけ売れた「ジャパニーズ洋楽」ないしは「ナンチャッテ洋楽」を数多く生んで来ました。例えば、自分の母国では無名みたいなのですね。

また、80年代以降はMTVの普及もあって、アーティストが動いている姿を見る機会が格段に増え、情報もタイムリーに捉えるようになります。そんな中でも、米英以外の国からやって来るポップス、例えば、ユーロビートなどには米英で相手にされないけど、日本で人気が高いものも多くあり、「ジャパニーズ洋楽」の質が変化します。

その他、日本のドラマ、CMに使われたなど独自の理由から日本で売れた洋楽は数多くあります。今ではネットで繋がってますから、「ジャパニーズ洋楽」は生まれにくいでしょう。そんな仇花、「ジャパニーズ洋楽」のキングは一体何か決めてみようという企画です。

 

以下が日本で売れた洋楽ランキングです、

①Beautiful Sunday  

   ダニエル・ブーン

② To Love You More

   セリーヌ・ディオン

 withクライズラー&カンパニー

③All I Want For Christmas Is You

 (恋人たちのクリスマス) 

 マライヤ・キャリー

④ Always Love You

     ホイットニー・ヒューストン

⑤Sound Of Silence  

  サイモン&ガーファンクル

⑥The Lovers Of The World(男の世界) 

  ジェリー・ウォレス

⑦Flashdance What A Feeling

  アイリーン・キャラ

Last Christmas  

    ワム

⑨I'm In The Mood For Dancing

(ダンシングシスター)

    ノーランズ

⑩ナオミの夢 

 ヘドバとダビデ

 

いかがでしょう?どう感じましたか、このランキングを見て。私は「意外と普通」と思いましたよ。もっと変な曲がたくさん入っていると思ってたんですけど、あまり「ジャパニーズ洋楽」はありませんね。

と言うのも、ビルボード1位に輝いた曲が4曲もあるんですね。③④⑤⑦は全米でも大ヒットですから、真の洋楽です。

 

①は日本のテレビ番組で使われて、大ヒットしました。160万枚を超えるスーパーヒットです。日本語カバーもいくつも出ました。田中星児氏のヴァージョンはヒット、子供番組の歌手でしたが、紅白にも出場しました。ただ、この曲はアメリカでも15位まで上がっており、日米の温度差はあるものの、日本独自とは言いがたい。

②は日本のドラマの主題歌。あのデヴィッド・フォスターがドラマ用に書き下ろしたんです。クライズラー&カンパニーとのコラボも日本発の企画でしょう。しかし、セリーヌ・ディオンは大物過ぎるし、デヴィッド・フォスターの曲を「ナンチャッテ洋楽」とは呼べません。セリーヌ・ディオンの母国カナダでもヒットしてますし、これも違います。

⑧はワムのヒット曲です。今でもクリスマスが近づくと、チャートにランクインする定番。なので、これも除外します。

 

残りは⑥⑨⑩です。

⑨のノーランズはキャンディポップの売れっ子でした。よく日本にも来てました。売れなくなってからは歌謡曲のカバーなども出しており、その頃は確かにナンチャッテなところがありましたが、この曲は彼女たちの母国イギリスでもヒットしていますので、日本独自ではありません。

 

では、見るからにいかがわしい⑩は?

これはそもそも洋楽ではないと考えるべきです。確かに日本語とヘブライ語二つのヴァージョンがありました。でも、ヒットしたのは日本語版のおかげです。レコード会社の括りとしては洋楽として販売したのでしょうが、外国人歌手が日本語で歌ったものを洋楽とは呼びにくいです。ただ、これ大好きですけど。

はい、最後の1曲、⑥です。

 

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これこそが「ジャパニーズ洋楽」のキングです。これは日本の男性用化粧品のCMソングとして作られ、日本でだけ大ヒット。シンガーのジェリー・ウォレスはアメリカのカントリーシンガーです。カントリーチャートではヒットが多数ありますが、ポップチャートではまるで振いません。本来なら、日本で70万枚も売る人気はないでしょう。何故彼が抜擢されたかは不明ですが、中々曲と声が合っていていい出来です。

CMにはチャールズ・ブロンソンが出演、あごを触りながら「う〜ん、マンダム」と商品名を言います。これが流行。曲のタイトルも途中から「マンダム 男の世界」になります。レコードジャケットにチャールズ・ブロンソンが使われるタイミングでタイトルまで変わってしまう。まぁ、歌詞の中にもマンダム出てくるから、タイトルもマンダム付いてた方がいいと思います。

これがCMです。

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ただ、これ作曲者不明です。多分、日本人じゃないかと思うんです。日本人が作ったものが洋楽か?という問題はあります。明確に日本人だとしたら考えますが、不明ということで、「キング・オブ・ジャパニーズ洋楽」は「マンダム 男の世界」ということで。

それでは、また。

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