ムー大陸です
過去の名曲たちのチャートアクションを振り返る名曲たちの成績表です。
今回のテーマは、
「Come On Eileen(カモン・アイリーン)」
です。
これは1982年のデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズのヒット曲。デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズはイギリスのバンド。ちょっと見ではアメリカのカントリー系みたいな感じがする。この曲にもバンジョーやフィドルが入ってるし。しかし、実際にはイギリスとのことなので、カントリーというよりは、ケルト系と捉えた方がいいようです。
この曲以外に目立ったヒットは無いけれど、この曲は正に名曲。この一曲だけでベストアルバム買う価値あります。イギリスで1982年に発売されると順調にヒットチャートを上り、1位を獲得。遂にはその年の年間チャートでも1位。イギリスのバンドが元気な時代です。ニューウェイブ真っ只中です。この曲は新しいサウンドではないんですが、誰もやってない音だったんです。フィドル、バンジョーを絡めたエスニックなアレンジがとても新鮮でした。また曲自体がキャッチーで、サビの部分は最高です。ヒット要素は満載でした。こういうバンドが突然現れたりするのが当時のイギリスの活気でしょうか。
ヴォーカルは好き嫌いが分かれるところでしょうが、曲には合ってます。ザ・カーズのリック・オケイセックを思わせる歌声です。リックよりキーは高いのかな。彼がOKならこちらも大丈夫でしょう。私は苦手なタイプですが、少なくともこの曲については問題無しです。
さて、それだけだと、普通に名曲がヒットしただけですが、この曲が翌1983年アメリカでも大ヒットします。1983年と言えば、あのマイケル・ジャクソンのアルバム「Thriller」が大ヒットした年。シングルチャートにおいてもマイケルの勢いは凄まじく、アルバムからの第二弾シングル「Billy Jean」は7週連続1位に輝きます。
そして、第三弾シングル「Beat It」が発売。後年までマイケルのミュージック・ビデオにおける定番となる、マイケルを中心にした集団での横並びのダンスを初めて見せたのがこの曲のビデオ。その影響もあってか、物凄い勢いでチャートを駆け上がります。「Billy Jean」は1位を続けている。ひょっとすると、「Beat It」が「Billy Jean」を落として、マイケルが連続1位を達成するのでは、そんな状況になったのです。当時のビルボードはシングル曲のみチャートインが可能で、今と違って一人のアーティストが複数のヒットをTop10に入れるだけでも珍しいことでした。ましてや自分の曲を自分で1位から落とすなんて離れ業はビートルズ以来の快挙ではないでしょうか。
1983年4月16日ビルボードで「Billy Jean」は1位をキープ。何と「Beat It」は既に5位まで上がって来ています。ちなみに前週は10位、前々週は14位でした。さぁ、準備は整いました。
翌週4月23日ビルボード、遂に「Billy Jean」は力尽き5位へ。そして、「Beat It」が・・・、アレ?2位?2位なの?そうです、1位を獲得したのは我らが「Come On Eileen」でした。
更に翌週4月30日ビルボードで、「Beat It」は1位を奪い、3週間1位を維持します。「Come On Eileen」はわずか1週で2位へと落ちました。さすがマイケルです。
しかし、当時のマイケルの勢い、その他に強力なヒットが無かった状況を見ると、「Billy Jean」7週、「Beat It」4週、計11週、約3か月マイケルが1位を独占してもおかしくはなかった。わずか1週ではありますが、そこに割って入り、大記録を阻止したのが「Come On Eileen」でした。やはり前年のイギリス年間チャート1位は伊達じゃありません。マイケルの邪魔をしたと怒るところでしょうか?いや、やはり、よくやったと賞賛すべきです。
アメリカでは全く無名のデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズがマイケル・ジャクソン相手に大立ち回りなんて、やはりこの曲の素晴らしさゆえでしょう。是非楽しんで下さい。
それでは、また。
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「鬼火」
「死ぬまで生きてくんです」