ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

アニソン魂⑦〜「ゲゲゲの鬼太郎」

ムー大陸です

 

 

私のお気に入りのアニソンを紹介するアニソン魂のコーナーです。

今回は誰もが知っているこの曲です、

 

 

ゲゲゲの鬼太郎

 

 

です。

 

この曲は私の最も好きなアニソンという訳ではありませんが、最も偉大なアニソンだと思っています。「ゲゲゲの鬼太郎」という作品はテレビアニメ化すること6回、この歌はそのいずれにおいても主題歌の地位を譲らず来ました。そもそも6回のテレビアニメ化自体が記録であり、偉大な訳ですが、だとしても、主題歌がその度に変わってもおかしくない。第1回目のアニメが1968年、最新6回目が2018年とその間何と50年ですから、本来変わる方が自然に思えます。

 

現に長い期間を経て再度アニメ化された作品は数多くありますが、大抵は新しいものに変わります。やはり、アニメを取り巻く環境、音楽シーンの状況などを考えると、再アニメ化の時期に相応しいものになるのでしょう。にもかかわらず、この歌が主題歌であり続けたのは、やはり楽曲の持つ魅力によるものでしょう。

 

細かく歌詞を追うことは避けますが、人間と妖怪の違い、歌詞の中では「お化け」と呼んでますが、この両者の違いをあくまでコミカルに、それでいてどこかシニカルかつブラックに表現しています。

人間を悩ませるもの、それは早起き、学校、試験、会社、仕事、そして、病気であり、死です。50年経ってもそれは変わっていません。この歌が古くならないのは人間の生きる上で避けがたい悩みを盛り込んでいるからです。原作者の水木しげる先生の作詞です。さすがですね。

 

一方で、曲は不気味なヒュードロドロで始まったかと思うと、意外と童謡的素直なメロディとシンプルな構成。歌詞と相まって不思議なほのぼの感を醸し出します。誰もが簡単に覚えられます。これが強みでしょう。作曲は昭和のヒットメイカいずみたく氏です。

 

そして、アニメがシーズンを重ねるごとに、シンガーは変わってきました。ファーストとセカンドシーズンは熊倉一雄氏です。彼は声優ですが、アニメの方に役はありません。主題歌にのみ抜擢されました。独特のとぼけた口調はここでも健在で、最高の出来です。セカンドシーズンはファーストの続編の位置付けなので、同じ音が使われています。

1stシーズン

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2ndシーズン

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3回目のアニメ化は2回目から14年後1985年です。ここでの人気がこの後繰り返しアニメ化される基礎となりました。シンガーは吉幾三氏です。ブラスを大胆にフィーチャーした派手なアレンジです。アニメ自体が明るい作りの印象ですね。吉氏のキャラが色濃く出ており、歌の中で「てか」なんて入ります。こうした明るいアプローチには必ずしも肯定的ではありませんが、広く人気を集める方針としては大成功となりました。

3rdシーズン

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4回目は3回目から更に11年、1996年です。シンガーは憂歌団です。ブルースの彼らを使って、オリジナルに近い暗めの感じを再現しています。グッと渋い出来になっています。3回目の成功があったので、原点回帰に舵が切れたのでしょう。

4thシーズン

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5回目は4回目から11年後の2007年。凄いですね、ほぼ10年毎にアニメ化されてます。この時のシンガーは泉谷しげる氏です。イントロのところで「ゲロッパ!」なんて入ってますから、ソウルフルな線を狙ってるんでしょう。吉幾三氏のバージョンに近いです。今度は暗い方から明るい方へ反動でしょう。

5thシーズン①

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このシリーズでは、主題歌のシンガーが途中で変わりました。ザ50回転ズというロックバンドが担当しました。こちらはバックビートを強調したパンクアレンジ。今までにないアプローチです。

5thシーズン②

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そして、現時点で最新のアニメ化は2018年、前回から11年後です。このシリーズのシンガーは氷川きよし氏です。アレンジ自体はオリジナルに近づきましたが、歌はオリジナルより格段に上手いです。

6thシーズン

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さて、これ以外にも、この主題歌は「ゲゲゲの鬼太郎」実写映画化の時もしっかり使われて、この時には俳優の小池徹平氏が歌いました。アレンジも彼のとぼけた歌いっぷりもオリジナルを意識したものでした。

他に私が聴いたことがあるカバーは、声優の滝口順平氏。特徴ある声です。ただ、「ゲゲゲの鬼太郎」というより、ドクロベエさまにしか聞こえませんけど。クレモンティーヌのフランス語カバーもありましたが、まぁ、あれは企画モノですね。ザ・フォーククルセダーズのライブでの演奏版はベスト盤で聴けます。イントロがビートルズの「Michelle」から入るのはさすがです。

小池徹平

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滝口順平

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フォークル盤

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さて、どれが一番好きかと問われれば、迷うことなくオリジナルを選びます。歌手ではない、恐らく歌唱力では最も劣る彼のものが一番と思えるのが歌の不思議です。その他でと言われれば、憂歌団のバージョンでしょうか。オリジナルに近い枯れたアレンジとブラスを駆使した派手なアレンジに二分されますが、私は前者が好みです。

 

おそらく、今後もアニメ化は繰り返されるでしょう。最初のアニメを10歳で見た人は現在65歳。その親は80代後半から90代。今の子供達は配信やDVDで観ているでしょう。この主題歌は日本人のほぼ全員が知っているんじゃないでしょうか。

歌詞にある「みんなで歌おうゲゲゲのゲ」っていうのは冗談でもハッタリでもなく、実現しているのです。最も偉大なアニソンはこれで間違いありません。

それでは、また。

 

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