ムー大陸です
お気に入りのアニソンをオススメするアニソン魂のコーナーです。
今回のテーマは、
「炎のたからもの」
です。
ご存知の方も多いでしょう、映画「ルパン三世 カリオストロの城」の主題歌です。
映画の中でこの主題歌はとても丁寧に使われています。まず映画の冒頭、盗んだ札束が偽札ゴート札と気付いたルパン、「捨てっちまおう」と言って、それをばら撒きます。その札が空に舞ったところで、この曲です。いい入りですね。劇中はインストヴァージョンが劇伴として使われます。クラリスが閉じ込められた塔の上の部屋にルパンが忍び込むシーン。クラリスに花を渡して、「今はこれが精一杯」の台詞。花に繋がった糸から旗が現れます。そこでこの曲。いい使われ方です。そして、映画のラスト、銭形警部の名台詞「いえ、やつはとんでもないものを盗んでいきました。....あなたの心です」、そして銭形はルパンを追いかける。ここで、イントロ鳴る。いいタイミングです。もちろんここは歌ありヴァージョン。そして曲の終わりが映画の終わりです。名場面で使われ、この映画を象徴する曲となっており、正に主題歌という存在感を放っています。
ただ、必ずしも歌詞が映画の内容にリンクしているとは言えません。映画と照らし合わせて考えると、歌の主人公の女性はクラリスという事になるのか?そして、歌の中の「あなた」はルパン?そこはしっくり来ないです。何と言ってもクラリスは幼い。自分を助けてくれたルパンへの憧れには生々しさはありません。だからこそルパンは彼女を置いて去るわけですし。それに比べてこの歌詞、例えば、「炎と燃え盛る私のこの愛」なんてのは少し生々しい気がします。作詞は橋本淳氏、巨匠です。いい歌詞なんですけど、BOBBY姉さんの歌も手伝って大人びており、そこが違和感ですね。まぁ、何となく雰囲気と合っていればいい、そう考えています、それほど歌詞の内容を重要視しない方がいいでしょう。
一方、曲は哀愁漂ういいメロディです。音楽はテレビの「新ルパン三世」以降ルパン音楽の顔です、大野雄二氏。位置付けはジャズ畑でしょうか。また、歌メロ以上にアレンジが素晴らしいです。特に歌に入る前の音が連なって下っていくフレーズは特に印象的です。曲のエンディングもそのフレーズです。上述の如く曲のエンディングは映画の完結とイコールですから、極めて重要な瞬間と言えます。
おそらく、この曲は「Scarborough Fair」をベースに作られています。「炎のたからもの」のカラオケで「Scarborough Fair」歌えます。
「幸せを訪ねて」のところが、
「Are You Going To Scarborough Far?」です。
「私は行きたい」は「Parsley,Sage,Rosemary And Thyme」になります。
「茨の道も凍てつく夜も」は「Remenber Me To One Who Lives There」のところ。
「二人で渡っていきたい」が、
「She Once Was a True Love Of Mine」です。
メロディは巧みに変えてあって、別物になってますが、それでも「Scarborough Fair」の哀愁はそのまま受け継いでます。
「Scarborough Fair」はサイモン&ガーファンクルのものが有名ですが、彼らのオリジナルではなく、民謡なんです。だから、仮にある程度拝借したとしてもして、権利上問題にはなりません。そこら辺も計算づくと思います。まぁ、この曲が素晴らしいのは、全部が全部大野雄二氏の力じゃないよと少し感じればそれでいいでしょう。そもそも名曲度合いは「Scarborough Fair」の方が遥かに上です。
で、「炎のたからもの」はそこからサビに展開します。これは「Scarborough Fair」にない部分です。この展開は実は「ルパン三世のテーマ」に似ています。どちらも大野氏の作品です。意識してやってるんでしょうかね。作風と言うにはわざとらしい気がします。
歌手にBOBBY姉さんを選んだのも大野氏らしいです。ナイスですね。彼女の代表作になりました。
こうして出来上がった主題歌は名曲中の名曲です。ただ、私はこの曲不思議と映画の中で聴く以外聴きたくならないんです。映画のシーンと結び付いちゃってるんですね。とは言え、一応貼っておきますよ。お楽しみください。
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新曲公開しました。是非聴いて下さい!
「死ぬまで生きてくんです」
「楽しんだモン勝ち!」