ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

キャンディ・ポップ その2

ムー大陸です。

 

前回に引き続き、キャンディ・ポップの2回目です。

前回は80年代初頭日本で流行したキャンディ・ポップには2つの系統があって、

一つはアバ系統、もう一つはボニーM系統と書きました。前回はアバ系統のグループを紹介しましたので、今回はボニーM系統のグループを紹介します。

 

ただ、ボニーM系統はディスコ色が強いです。サウンド的にはアバ系のような無邪気なポップスではありません、まさに70年代ユーロディスコ。そして、いかにも英米以外のグループ的な下品さがあります。何というか、今見ると、「何でそんな衣装なの?」と誰しも思うステージ衣装はもはや仮装の域に達していて、さすがにちょっと引きます。また、アバ系がガールズグループが多かったのに対し、こちらは男女混合が多く、キャンディ度合いが低めです。なので、キャンディ・ポップの本道はあくまでもアバ系、こちらはやや邪道ということになるでしょう。

 

とは言え、ボニーM系の代表格はキャンディ・ポップ全体の中にあっても中核とも言える存在、アラベスクです。元々、ボニーMを目指して作られたドイツのディスコグループ、女性の3人組です。そう、ボニーM系には珍しくガールズグループなので、キャンディ度合いも高いです。日本ではヒット曲いくつかありましたが、「ハロー・ミスターモンキー」「ミッドナイト・ダンサー」がオススメです。ノーランズに匹敵する人気者でした。ルックスも、歌もそれほどではないと思いますが、楽曲のノリがいいです。

 

「ハローミスターモンキー(原題Hello Mr.Monkey)」

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「ミッドナイト・ダンサー(原題Midnight Dancer)」

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続いて、2組目はニュートン・ファミリーです。

こちらはいかにもボニーM系のサウンド。男女混合のバンド。もちろん、男性メンバーは演奏とバックコーラスで、メインヴォーカルは女性2名なので、キャンディの範疇です。ただ、この女性Voの1名のメガネというかマスク?これが私の言うところのユーロディスコ特有の下品さです。これは確かハンガリーのグループだった。代表曲「サンタ・マリア」や「ドン・キホーテ」はボニーMの「怪僧ラスプーチン」を少し思わせるような感じです。

 

「サンタ・マリア(原題Santa Maria)」

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ドン・キホーテ(原題Don Quijote)」

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はい、この2組で十分だと思います。

この他に、例えば、バカラジンギスカンといったグループがコンピに含まれていることがあります。バカラはディスコの女性2人組ですから、キャンディなところはあるでしょう。しかし、やや、時期がずれているのではないでしょうか。「誘惑のブギー」とかは1977年ですね、80年頃にはあまり人気がなかった。

また、ジンギスカンはもちろん、「ジンギスカン」「めざせモスクワ」などで有名ですし、サウンド的にはボニーM直系、というか、「怪僧ラスプーチン」直系です。ただ、女性メンバーはいるもの、コーラス、もしくは5名くらいいるヴォーカルの中に埋もれた感じがあり、キャンディ・ポップではないと思っています。なので、この2組は単なるヨーロッパ系ディスコとして聴きましょう。キャンデイ・ポップではないので、今回はここに動画貼りませんが、ジンギスカンは是非聴きましょう。とても下品で素晴らしいんです。ああ、誤解されると困るので、明言しておきますが、下品というのは「誉め言葉」として使っています、あくまで。

 

はい、ここまで、2回に渡ってキャンディ・ポップのグループを観てきました。

まとめとしては、アバ系ノーランズとボニーM系アラベスクが日本では双璧でした。どちらも洋楽でありながらオリコン1位とか取りました。ただ、そんな絶頂期はとても短く2年と続きませんでした。82年から83年頃になるとMTV時代が到来し、日本でも全米大ヒットの楽曲、アーティストの姿が普通に見れるようになりました。マイケル・ジャクソンやプリンスの姿がミュージックビデオを通して見ることが出来る。そうすると、日本人も気付くようになります、今まで洋楽=海外で人気と思っていた音楽が、実は日本でしか売れていなかった、あるいは最大のマーケット、アメリカでは相手にされていなかったことに。そこから、徐々に日本独自に売れていた「なんちゃって洋楽」みたいなものは、どんどん減っていくようになり、日本で聴く洋楽も何となく世界標準になってしまいました。もちろん、マイケル・ジャクソンは最高です。でも、キャンディ・ポップみたいないかがわしい感じ(これも誉め言葉!)が消えてしまうのは寂しい気がします。まぁ、その後も細々とではありますが、ユーロビートなどを中心に(やはり、ヨーロッパディスコ)なんちゃって洋楽はあるにはありましたが。

ひるがえって現在は80年代よりも更に情報は多い。楽曲もすべてダウンロード出来てしまいます。それが吉と出るか凶と出るかは、これからの判断でしょうか。

それでは、また。

 

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