ムー大陸です
今日はタイトルの通り
映画「BLUE GIANT」についてです。
「BLUE GIANT」予告編www.youtube.com
これは石塚真一氏の人気漫画の劇場版アニメ映画です。世界一のジャズサックスプレイヤーを目指す主人公と彼のバンドの物語です。
原作の方は、主人公は欧州から米国へ渡り、着実にそのキャリアを進めています。
このアニメ映画は日本にいた頃、それも故郷仙台から東京へ出て来たところから始まります。まぁ、東京編とでも言いましょう。
私はこの漫画大好きです。全巻持ってます。何回も読んでます。また、私映画は基本的に劇場では観ないので、配信でしたが有料でした。なので、取り敢えず言いたい事は全部言わせてもらいます。まだ新しい映画なので、ネタバレ気になる方は観た後で読んで下さい。
この映画すこぶる評判が良かった。よく意見を参考にしている評論家もたいそう褒めてました。だから、少し期待してました。少しです。と言うのも、私個人的には観る前から、大きな懸念がありました。結論から言うと、やはり私が心配した通り、満足いく内容とは程遠いものでした。
映画は面白いです。でも、それは原作漫画が面白いからなんです。原作にある良い台詞だったり、良い場面がそのまま描かれているところは思ったような面白さです。
声優さんたち、良かったです。作品に合ってました。ただ、彼らがずば抜けて良くて、映画が面白くなったなんて事は無い。興醒めするようなマイナスが無いという事です。
音楽も同様です。ひょっとすると、この映画の売りの一つは音楽なのでしょうか?上原ひろみ氏が担当でした。音楽漫画に音を付けるのは難しい。主人公・宮本大のサックスの音は、漫画の中でよく「強い」と言われます。サックス担当の馬場智章氏はそれを意識した演奏でした。とは言え、私が頭の中で鳴らしていた想像の音や勢いとはやはりズレもあって、それほど「強い」とは感じませんでした。結局、私はジャズジャイアンツの音で補完して漫画を読んでいたのかも知れません。ただ、主人公の音のみならず、どのプレイヤーの音も、そしてどの楽曲も作品の雰囲気を壊すことなく溶け込んでいました。
予想以上に素晴らしかったのは作画です。ジャズの演奏シーンの疾走感よく出ていました。風景も人物もリアルで感心しました。この映画の最大のストロングポイントは作画です。
なので、悪い所など無く本当は素晴らしい映画になるはずなんです。少なくとも原作読んでいないとか、それほど原作に思い入れが無いということなら、素晴らしい映画と捉えることも可能と言うか、そう考える人の方が圧倒的に多いでしょう。
ただ、私には無理でした。
これは結局、漫画実写映画化問題と一緒です。あれだけ長い話を2時間の映画にするのは無理なんです。2時間にするために、省略、変更は数知れずあります。全てを描くわけにいきませんから、シーンを取捨選択するし、辻褄が合う範囲内で設定やストーリーも変更する。本編の原作者が脚本書いてますから、あれがベストなんでしょうが、それでもどうにも許しがたいです。
例えば、フェスに出た主人公たちが対バンを意識して激しい演奏をする。原作ではここでドラム玉田の初ソロ。「玉田、お前で勝つ!」とか言って。あそこ東京編で一番好きなシーンなんですけど、何とカット。最後のライブで辻褄合わせ的にドラムソロ登場しますが、意味合いが全く違います。
あるいは、名門ジャズクラブの支配人から来日外国人アーティストの助っ人を頼まれたピアノの雪祈。あれはリハーサルや打ち上げのシーンが良いんだど、残念ながらカット。
この段階で出演クラブがSO BLUEじゃないのはラスト変更の影響でしょう。原作では雪祈はここでSO BLUE出演を果たします。
支配人平氏の思い出。野心を失ったベテランアーティストのわがままに対応する平氏の苦悩なども原作では描かれていました。これが若い主人公たちへの期待に繋がってるんだけど、カット。
雪祈の幼馴染みの葵ちゃん。登場のタイミングが原作と違う。これもラスト変更の影響かな。実際に会うことがないのが残念。
そして、ラスト。まさかの雪祈登場アンコール。つまり、映画ではここでSO BLUE出演を果たします。事故に遭ったままでは味気ないとの判断でしょうか。ただ、このラスト変更は寧ろ許容出来ます。明るく終わるという意図が明確だし。原作の方が現実的でクールなので、好きですけど。
上記はほんの一部です。
そもそも冒頭のシーンで仙台編オールカットであることを知りショックだったのを皮切りに「アレ?」の連続でした。
上述のようにそうなるんじゃないかと観る前から思ってました。まぁ、その通りで残念でした。もちろん、時間の制限があるから仕方ないのは分かります。だとするなら、逆にそうまでして劇場版アニメ映画にする意味ってあるのかと思います。TVアニメで全部やってくれれば良かったんだけど。作り手側には商売という理由があっても、受け手側、いや、少なくとも私には全くありません。なので、この映画は私には「BLUE GIANTより」ってとこです。
それでは、また。
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「混沌(カオス)」
「I Sing」