ムー大陸です
私のお気に入りの歌謡曲をオススメするビバ！歌謡曲のコーナーです。
今回は特別編でお送りします。
と言うのも、今回紹介するのはアルバムなんです。
「North Wind」
はい、これは松田聖子氏のセカンドアルバムです。聖子氏は80年代歌謡曲の女王ですから、名曲は数知れずあります。シングルヒットについてもいずれ書きたいと思いますが、ここは女王に相応しくアルバムを取り上げたいと思います。
聖子氏には名作と呼ばれるアルバムがいくつかあります。「ユートピア」「風立ちぬ」「Pineapple」「Candy」など、彼女がシングル1位獲得し快進撃を続けていた80年代の作品はどれも内容が充実していて、ファンの間で人気投票を行ったら、上位を独占するでしょう。本日のテーマ「North Wind」もその始まりにあたる作品ですが、全盛期のアルバムの中ではそれほど評価は高くなく、人気も下の方になる印象です。実は私は彼女のアルバムの中ではこのアルバムが一番好きなんです。なので、ここではこのアルバムの魅力を語りたいと思います。
まず、このアルバムの時点で松本隆氏はプロジェクトに参加していません。作詞は三浦徳子氏、作曲は主に小田裕一郎氏です。デビューの時から聖子氏を支えたコンビです。次のアルバム「Silhouette」から松本氏や財津和夫氏が参加、4thアルバム「風立ちぬ」は大瀧詠一氏や鈴木茂氏がプロデュースですから、はっぴいえんど色になっていきます。そうなると、同世代のアイドルたちとは全く異次元の楽曲センスで、アイドル歌謡を超越します。80年代もう一人の女王中森明菜氏の大ヒット作品群でさえ遠く及ばないレベルだったと思います。ただ、バックに豪華なアーティストを揃えたアルバムも良いのですが、このアルバムにそこはかとなく残っている歌謡曲の香りの方が私は好きなんです。その上、このアルバムの楽曲10曲はどれもよく練られていて、メロディも秀逸、アレンジも多様です。はっぴいえんど色ほどずば抜けたセンスはないけれど、ちょっとした野暮ったさが、当時の松田聖子氏に合っています。
と言うのも、当時の聖子氏の声は若く張りがあります。野暮ったさと若い声がマッチしてるんです。この後シングルで言うと「夏の扉」あたり、アルバムで言うと「Silhouette」から彼女の声は少しハスキーになります。深みを増しますが、発声が上達したのと、多忙や疲れで喉に負担がかかったりしたことにより、少し声質が変わったのかと想像します。従って、よく通る若い声の彼女はこのアルバムが最後です。そういう意味では貴重と思います。
アルバム「North Wind」
さて、肝心のアルバムの中身を見ていきましょう。タイトルは北風です、冬のアルバム。デビューアルバム「Squall」は夏のアルバムで、「裸足の季節」「青い珊瑚礁」を収録した明るく元気な作品に仕上がってます。デビューですから、それでいい。一方、「North Wind」は冬だけにどこかシックな感じが出てます。その分「Squall」の方が人気があるのかも知れません。この2枚のアルバムは同じ年の夏と冬に出た姉妹作のような存在です。構成がそっくりなんです。発売時はレコードです。したがってAB面があって、A面3曲目にアルバムタイトル曲、A面ラスト5曲目とB面3曲目にシングル曲です。これは意識してセットにしてるでしょう。。そもそも、夏より冬の方がアルバム作りが難しいと思うんです。その難しい仕事を作家陣は見事にこなし、松田聖子氏の魅力を最大限に引き出しました。
では、最初の曲です。「白い恋人」です。お菓子のような名前ですが、名曲です。松田聖子氏のディスコグラフィの中には多くの隠れた名曲がたくさんありますが、この曲も間違いなくそうです。シングルでもよかったほどキャッチーです。イントロのホーン、曲中突然使われるアコギ良いですね。聖子氏の歌はぎこちない所もありますが、そこも良い。最後に音程上げる部分は初々しいですね。歌詞はいきなり「スキー片手に 笑い転げる 暖炉を囲む部屋で」と冬を強烈に刷り込みます。上手いです。アルバムの出だしを飾るに相応しい名曲です。ちなみに私はこの曲の中の「鍵の付いたDiary」のところの聖子氏のDiaryの発音が大好きです。
これだけ書いてまだ1曲目か？
次回へ続く。
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新曲公開しました！是非聴いて下さい。
「あやかし」
「死ぬまで生きていくんです」
