ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

民族音楽は大きな鉱脈である②

ムー大陸です

 

前回は私と民族音楽との出会いをお話ししました。先ずヨーデルと出会い、その感動体験から、次にタンゴに手を伸ばしました。そして、私はその世界のトップ、アストル・ピアソラのベスト盤「ピアソラの夜 ベスト・オブ・アストル・ピアソラ」を購入しました。

私は満足していました。コンピではなく、ピアソラのベスト盤に変更したことも正しく思えた。何しろ、ピアソラにはただならぬ臭いがした。予感と言ってもいい、ジャズでマイルス・デイヴィスに出会った、レゲエでボブ・マーリーに出会った時のように。

早速、私は聴きました。

「.....」。あれ、おかしい。いや、凄い、凄いのは分かる。しかし、これはタンゴなのか?タンゴのコーナーで買ったんだけど。「ラ・クンパルシータ」も私が知ってるのと全然違うんですけど。もう、ちょっとしたパニックでした。演奏が素晴らしいのは間違いないんです。ただ、とにかくこれはタンゴではない他の音楽。私はヨーデルの時のように典型的なタンゴと幸せな出会いを期待したんです。そんな私の思いは粉々に打ち砕かれました。

一体何者なんだ、アストル・ピアソラとは。

私は調べました。色々本なども購入し、民族音楽の知識を得るとともにタンゴ、そして、ピアソラについて学びました。

ピアソラは確かにタンゴの第一人者でありました。しかし、彼は革命児です。タンゴの革命児なんです。マイルスと同じ臭いなのも頷ける、同じ革命児なら。ただ、私が求めたのはあくまで典型的なタンゴ。オーソドックスな古典です。それには全くそぐわない選択でした。特に「ピアソラの夜」というベスト盤は革命児ピアソラがスタンダードのタンゴ曲を演奏したもの。この後、ピアソラは殆どオリジナルしか演奏しなくなっていく。そんな微妙な一枚でした。いや、全く知らぬこととは言え、道理でタンゴに聞こえない訳です。でも、それなら「ピアソラの夜」の後に「ベスト・オブ・アストル・ピアソラ」は要らないんじゃないか?これが無ければ、他のベスト盤にしたんだけど。まぁ、どのベスト盤でも典型的なタンゴには出会えなかったでしょうね。

私は気を取り直し、別のCDを購入しました。学習の結果、オーソドックスなタンゴを聴きたければ、ファン・ダリエンソを入手すべしとの答えに辿り着きました。ファン・ダリエンソはタンゴの巨匠。本にはこんな事が書いてありました、アルゼンチンでファン・ダリエンソが好きか?と聞いてはいけない、それはタンゴが好きかと聞いているようなものだから。つまり、アルゼンチンではファン・ダリエンソが好きなのは当たり前、改めて聞くもんじゃない。彼はタンゴそのものなんだから。そういう意味です。ここまで言うなら、お任せしましょう、ファン・ダリエンソに。ピアソラは封印しました。修行が足りない私にはまだ早かったんだ。もう一度戻って来るから、しばしお待ちください。

そして、ファン・ダリエンソは正にタンゴでした。これです、これ、私の知っているタンゴと言う音楽は。「ラ・クンパルシータ」も「エル・チョクロ」も思った通りの出来。鋭くカットする様な弦の音。その後、ファン・ダリエンソのベスト盤をヘビロテで聴きました。そして、随分と後になって、もう一回ピアソラのベスト盤に挑戦しました。また、ピアソラの他のアルバムを聴きました。かの有名な「リベルタンゴ」も聴きました。いや、これは掛け値なしにカッコいい!ドラムがアコーディオンに負けず素晴らしいです。でも、やっぱりタンゴじゃないな。これは否定じゃないです、タンゴを超えているということでしょう。今ではようやく、ピアソラにも慣れて、あらゆるジャンルの中でもフェイボリットの一人です。おそらく、ジャズ・トランペットに喩えるなら、ピアソラマイルス・デイヴィスで、ファン・ダリエンソはルイ・アームストロングと言ったところか?

「ラ・クンパルシータ」 ファン・ダリエンソ楽団

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「エル・チョクロ」 ファン・ダリエンソ楽団

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リベルタンゴ」(フル・アルバム) アストル・ピアソラ

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当時、ヨーデル、タンゴこの二つの音楽を少しかじっただけで随分と豊かになったと思いました。そして、こうも感じました、民族音楽で一つの音楽ジャンルに踏み込むと、その度にその世界の巨匠なり、天才がいて、ロックを聴き始めた頃の充実感が味わえる。民族音楽は未開拓の大鉱脈であると。ちなみに、ヨーデル、タンゴを堪能した私が次に狙ったのはフラメンコでした。そのようにして、私は民族音楽の深海にはまっていきました。ああ楽しい。

それでは、また。

 

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