映画「シン・仮面ライダー」に驚いた

本日のテーマは

映画「シン・仮面ライダー」についてです。

先日この映画を観ました。アマプラ独占配信です。皆さんご存知でしょうが、これは庵野秀明氏が企画した昭和の名作特撮作品のリブートで、「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に続く第三弾です。

一応今回はその「シン・仮面ライダー」の音楽について書こうと思いますが、折角なので映画自体についても少しだけ。この庵野氏による一連のリブート映画について、オタキング岡田斗司夫氏は彼の配信動画で「シン・ゴジラ」95点、「シン・ウルトラマン」85点、「シン・仮面ライダー」80点と評していました。概ねの同意ですね。と言うか、「シン・ゴジラ」だけが圧倒的に面白く、その期待のまま後の2作品を見て多少ガッカリと言う感じを多くの人が抱くのではないでしょうか。「シン・ウルトラマン」と「シン・仮面ライダー」のどちらがというのは趣味によるんじゃないですかね。私は「シン・仮面ライダー」の方がいいかな。

さて、「シン・ゴジラ」の面白さ、これは何と言っても、ゴジラ対日本、自衛隊、科学者チームの描き方にありました。登場人物の背景には全く触れません。普通、登場人物の家族、過去などを描いてキャラに厚みを出そうと試みたりしますが一切無し。とことん現場での会話の中でストーリーを展開する。政府首脳や官僚のやり取りだけで面白いんだから凄いですね。この路線をウルトラマンでも仮面ライダーでも進もうとはしています。どちらにも政府関係者、公安などが登場し現実味を加えようとしてはいます。が、どちらも不十分です。もちろん、ストーリー上ゴジラ程リアリティを持たせるのは困難というのはあるでしょう。ただ、それ以前に構成や時間配分の問題だと感じます。映画の中でゴジラは一切喋りませんし、考えません。しかし、ウルトラマンもライダーも色々悩むし、考え、話します。主人公なんだから当然です。それがストーリーの核です。一方、ゴジラにはそれが無く、周囲の会話や作戦を通してゴジラを描くのです。主演俳優=ウルトラマン、ライダーですが、ゴジラは違います。なので、「シン・ゴジラ」路線を取る限り、あれを超えるのは無理でしょう。「シン・仮面ライダー」に関して言うなら、無理に政府関係者を出さなくても良かったかな、一応オチはありましたけど。また、キャラデザインなどは洗練されてますが、平成ライダーとかとそう変わらない印象ですね。そして、「シン・ウルトラマン」同様、全体的に最後に色々マニアックな人たちが膝を打つような辻褄合わせが行われ、面白いと感じる人も少なくないと思いました。ただ、私はやり過ぎな感じがしました。何か物足りなさを感じつつも。

そんな事を言いながら、私は「シン・仮面ライダー」を観て驚きました。はい、音楽です。先ず何と言っても、オリジナル「仮面ライダー」の主題歌「レッツゴー‼︎ライダーキック」を大々的にフィーチャーした事にビックリです。「シン・ゴジラ」では、あの伊福部昭氏のテーマはエンディングで流れただけと記憶してます。あれは正解でした、サントラも新曲の方がよかったでしょう、あの映画は。「シン・ウルトラマン」ではテレビシリーズの音楽は使われてないと思います。逆にウルトラマンやウルトラQからの音楽があってもいいと思いました。色々権利関係があるでしょうから、難しい事もあるんでしょう。そんな中、実現した「シン・仮面ライダー」の音楽、良かったですね。

実は私は「レッツゴー‼︎ライダーキック」っていう曲が殊更に好きというわけじゃないんです。作曲の菊池俊輔大先生は多くの名作アニソンを生み出してますが、この方の曲はエンディングを派手に盛り上げる安易さを回避する傾向がありまして、この曲もサラッと終わってる印象です。

でも、これが今風にアレンジされて流れると、血湧き肉踊る感を拭えません。それほど好きと思ってなくても、メロが身体に染み付いてるんでしょう。特にイントロの部分が上手くアレンジされてカッコよくなってました。音楽担当したのは岩崎琢氏です。昨今素晴らしいアニメ音楽を書いている作曲家です。この作品でも、当然「レッツゴー‼︎ライダーキック」のアレンジだけじゃなく、自作の劇伴を提供してます。これがまた良いんですよ。ライダーが初めてサイクロンで走るシーンにかかる「Metamorfose」という曲は、主題歌のアレンジではなく岩崎氏の自作だと思いますが、主題歌のイントロのリズム「タカタカタータカタカター」にラップのような呟きをかぶせてるんですが、最高です。この曲に乗せてライダーが走るシーンは映画の中でも好きなシーンです。ですから、サントラを通して聴くことをオススメします。

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