ムー大陸です
今日のテーマはタイトルの通り、
ロックとロックンロールは何が違うのか?
です。
単純に考えれば、ロックンロールとは元々、ロック・アンド・ロールの短縮形です。その更に短縮形がロックとなります。ハイ、終了!
なんて訳には行きませんね。
実際に使っていて、微妙に使い分けている自分に気付きます。それは多分、人それぞれに微妙に異なってるのでしょう。なので、ここで説明するのは、私にとってのロックとロックンロールの解釈です。
1950年代にロックが誕生する訳ですが、そのオリジネイターは黒人ミュージシャン達でした。チャック・ベリーやリトル・リチャードあたりがそれに該当します。その時、彼らの音楽はリズム・アンド・ブルースと呼ばれていました。
以前、R&Bについてこのブログで書いたことがあります。その記事も参照して下さい。
その時も書きましたが、ウィキペディアなどによれば、R&Bはリズム・アンド・ブルースの省略形で、黒人音楽全般を指し、ソウルミュージックともほぼ同義なのだそうです。だが、それには違和感があります。私としてはソウルミュージックはブラックミュージック全般に近いものですが、リズム・アンド・ブルースは上述の如く、黎明期のロックを指す呼び名です。
つまり、リズム・アンド・ブルースとは少なくとも音楽的にはロックンロールと同義です。では、何が違うかと言えば、白人がリズム・アンド・ブルースをやり始めて、それからロックンロールとなったと解釈しています。敢えて極端に言えば、チャック・ベリーはリズム・アンド・ブルース、エルヴィス・プレスリーはロックンロールという事です。そして、彼らは同じ事をしている。ロックンロールという言葉が定着した後は、チャック・ベリーをロックンロールと呼んでも問題ありません。
「Johnny B.Goode」チャック・ベリー
さて、そうすると、ロックは何がロックンロールと違うのか?もちろん、最初に言ったように短縮形である事も事実だと思います。元々はそうやって生まれた言葉かも知れません。ただ、それだけではないと考えてます。
ロックンロールは1955年に「Rock Around The Clock」の大ヒットにより大きく広がり、エルヴィスの登場とともにポップミュージックの主役の地位を獲得します。
「Rock Around The Clock」ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ
ところが、そのエルヴィスが徴兵により音楽シーンの中心から一時撤退、バディ・ホリーが飛行機事故で亡くなり、ジェリー・リー・ルイスが13歳のいとことの結婚で人気失墜など白人スターが立て続けに消えてしまいます。音楽シーンはパット・ブーン、ニール・セダカ、ポール・アンカのようなロック色の薄いポップスに占められていきます。
1960年代になり、主役を追われたロックンロールが帰って来ます。そうです、ビートルズの登場です。ストーンズやフーらも追いかけます。アメリカにはビーチボーイズもいました。
私はここからをロックと呼んでます。
ロックの誕生からエルヴィス徴兵に始まる衰退、ここまでがロックンロール、もっとざっくり言うと、50年代がロックンロール。ビートルズ登場からがロック。その間の微妙な2〜3年はやはりロックンロールでしょう。音楽的にはビートルズの前期もロックンロールと呼べると思います。何しろチャック・ベリーのカバーとかしてますから。でも、ロックンロールと呼べるのはアルバム「Help」までです。それより後は50年代のロックンロールのカバーが消え、オリジナル楽曲だけになっていきます。アルバム「Rubber Soul」からは音楽的にロックンロールとは呼びにくくなります。
「Drive My Car」 ビートルズ
つまり、時期的には50年代がロックンロール、ビートルズ登場後がロックになりますが、実質的にはロックンロールは無邪気なティーンの夢を歌ったシンプルな3コード程度の楽曲を指し、それがサウンドとして成長し、ビジネスとして拡大する中でロックになるということです。それはロックンロールが芸術性を帯びたり、社会性を有するに至ってロックになるという意味でもあります。
逆の見方、使い方もあります。つまり、ロックンロールはロックの原点であるという考え方です。ビートルズ登場後はロックという考えで行くと、ロックンロールは昔の音楽で、今は全てロックということになります。しかし、60年代以降も多くの楽曲にロックンロールという言葉が使われます。例えば、レインボーの曲「Long Live Rock N Roll」。これはロックンロール万歳という意味でしょうが、ここで言っているのは何も50年代のロックンロールがいつまでも聴かれて欲しいという意味ではないのです。ロックそのものよ、永遠なれという願いです。つまり、ロックンロールはロックの原点であり、ロックの精神を表す言葉として使われているのです。
「Long Live Rock N Roll」レインボー
何て言うか、10代で初めてギターを手にした時のワクワクした心みたいなものを忘れるな、と言いたいなら、ロックンロールを忘れるなと言えば伝わる、そんなところです。
私の勝手な解釈ですが、皆さんはどうでしょうか?
それでは、また。
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新曲公開中です!是非聴いて下さい♪
「春に死のう」
「Evergreen」