ムー大陸の音楽探検

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名曲たちの成績表⑨〜「The House Of Rising Sun」

ムー大陸です

 

過去の名曲たちのチャートアクションに注目しつつ、その素晴らしさを紹介する名曲たちの成績表のコーナーです。今回はこの名曲、

 

「The House Of Rising House(朝日のあたる家)」

 

です。

 

こちらは名曲中の名曲です。

元々はアメリカで歌い継がれるフォークソングです。現在、1930年代に録音されたものが最古のものとされていますが、実際にはその二世代前くらいから歌い継がれているようです。多くの歴史的ミュージシャンにカバーされています。ウディ・ガスリー、レッドベリー、ジョーン・バエズ、そしてボブ・ディランなど、ブルース、フォーク、カントリーの枠を超えて愛されて来ました。

 

The Rising Sun Bluesとも呼ばれ、娼婦に身を落とした女の嘆きを歌っています。ただ、私が聴いた41年録音とされるウディ・ガスリー盤はそんな内容にも関わらず明るい曲調なんです。それが徐々に短調に塗り替えられ、歌詞にマッチした曲調に変化し今に至ります。

 

ウディ・ガスリー

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さて、このコーナーの趣旨に沿って、ヒットチャートの話を。ご存知の方も多いでしょう、1964年アニマルズのカバーが大ヒットし、全米1位に輝きます。これはもう絶品です。エリック・バートンの声が切なく、アラン・プライスのオルガンが美しいのです。ギターのアルペジオが癖になる。これを無性に聴きたくなる時があって、そんな時は決まって大音量で聴きますね。口伝の民謡がロックになってヒットチャート1位ですよ、ある意味奇跡のような話です。

 

アニマルズ盤

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なので、この曲の最強ヴァージョンはアニマルズと信じて疑いませんが、その誕生にはボブ・ディラン盤の影響が大だと思います。ディランはこれをファーストアルバムで録音します。アニマルズの2年前です。あくまでフォークの範疇ですが、アニマルズ盤のギターアレンジはディラン盤をベースにしてると思います。ディランのヴォーカルはあのしゃがれ声です、それもエリック・バートンに影響を与えていると思っています。

 

ボブ・ディラン

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アニマルズ盤はフォークソングをロックアレンジしたお手本のように評価され、ディランも気に入っていたと聞きます。私はこの二つはとても似ているように感じるんです。ディランはこの曲をアニマルズのように演奏しろと言われるのが嫌で、歌わなくなったと言われてますが、自分のアルバムの通り演奏すれば、結構近いと思うんだけど。まぁ、オルガンは無いけどね。

 

ただ一つだけ、不思議に思うのは歌詞です。歌の主人公を男性にしてること。もちろん歌うのが男性だからということなのは分かります。それによって、娼婦に身を落とした女ではなくなり、朝日のあたる家は刑務所のような位置付けになってしまいました。それ変えた方が良かった?男が女の歌歌ってもいいと思うんだけど。洋楽って結構これやるんだよね。本当はオリジナルのままで聴きたかった。そこだけ不満。

 

さて、そのアニマルズ盤から6年後、再びこの曲がチャートに戻って来ます。それがフリジド・ピンク盤です。これはハードロックアレンジとでも言うのかな。いや、それほどハードでもない。ちょっと中途半端な感じです。1970年に7位を記録しました。でも今では忘れられてます。この盤はヒットの割に影が薄いです。

 

フリジド・ピンク盤

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その後、ヒットチャートにランクインするものはありませんが、多くのアーティストがカバーし続けています。決定盤はアニマルズ、これは不動ですが、変わったところを紹介すると、サンタ・エスメラルダのディスコ、ニーナ・シモンのジャズ、これらは随分とアップテンポで面白い。外し技として楽しみましょう。

 

サンタ・エスメラルダ盤

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そして、是非触れておきたいのが日本語カバーです。70年代に浅川マキ氏がこの歌に日本語歌詞を付けます。これが素晴らしい。タイトルは朝日楼とも呼ばれています。正にそれが本当の名前ですよね。売春宿朝日屋くらい安っぽい場末感があってもいいかも。何で朝日のあたる家なのかよく分からないです、そもそも。

いずれにせよ、浅川盤ではオリジナルへの敬意が感じられる娼婦の悲劇が描かれています。これを彼女自身が歌っています。ライブ録音ですね。何て言うか、不幸で悲しんでいるのではなく、無表情で空っぽになってる感じがこの人の歌から伝わって来ます。オススメです。

 

浅川マキ盤

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しかし、しかしですね、その浅川盤をちあきなおみ氏がカバーするんです。この歌が凄まじい。浅川盤と違って、底辺でのたうち回って、もがいている感じです。迫力に圧倒されます。名盤間違いない浅川盤すら凌ぐ出来です。元々歌唱力には定評がある人ですが、これは必聴です。ですから、意外かも知れませんが、不動の決定盤本命はアニマルズですが、対抗はちあきなおみ盤となります。それにボブ・ディラン盤と浅川マキ盤を手元に置いときましょう。

 

ちあきなおみ

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この歌は明確な傑作があるので、外し技アレンジにも心の余裕を持って対処出来ます。皆さんも色んなアーティストのカバーを聴いてみて下さい。

それでは、また。

 

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楽曲公開中です!是非聴いて下さい♪

「Evergreen」

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「あやかし」

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