ムー大陸です
映画「グランツーリスモ」を観ました。
観よう観ようと思い公開より1年以上経ってしまいました。ようやく辿り着きました。
ご覧になった方も多いでしょう。全世界8000万人とも言われるプレイヤー人口を誇る大人気のゲーム(レーシングシュミレーター)、グランツーリスモのプレイヤーから本物のレーサーになったヤン・マーデンボローの伝記映画です。もちろん、実在の人物で、基本的に実話に基づいたストーリーです。非常に面白い映画です。そもそもゲームのプレイヤーからレーサーになったという現実が面白いですから。また、映画通りだとすると、レーシングゲームの成績優秀者を実際にレーサーにしようと考えた人が日産にいたという事ですから、極めて魅力的な会社に見えました。
今日はその映画の音楽についてとタイトルにありますが、申し訳ありませんが、ローン・バルフが担当したサウンドトラックの話ではありません。いや、音楽結構良いですよ。また、T-SQUARE が作ったテーマ曲の話でもありません。映画の中で、主人公・ヤン・マーデンボローは大事なレースに臨む時、勝負曲として聴く曲が登場します。今日はそれがテーマです。
彼の勝負曲は、
エンヤの「Orinoco Flow」
です。
ケニー・Gは一般的にはスムースジャズで名を馳せたサックスプレイヤーです。「Songbird」は甘く美しいサックスが冴える彼の出世作で、1987年インストにも関わらず米国ビルボードチャートで最高位4位という大ヒットになりました。「一般的には」と言ったのは、「ケニー・Gなんてジャズじゃない」と固く信じている人がいるからです。売れた人を「ジャズじゃない」と言うより、「ああいうのもジャズの一つ」言った方がジャズの為になると個人的には思います。そこが誇り高いジャズって事でしょうか?まぁ、いずれにせよ、ジャズ通が顔をしかめたくなるムーディーな一曲なのです。
そして、もうー曲はエンヤの「Orinoco Flow」です。エンヤはアイルランドの歌手で、ベースにケルト音楽、クラシック、そこにデジタルの要素が絡み合う独特のサウンドを生み出す唯一無二の音楽家です。「Orinoco Flow」は彼女の出世作で、米国ビルボードでは最高位24位でしたが、世界中でヒットし一躍彼女は世界のスーパースターの仲間入りさせた曲です。実に不思議なサウンドで、教会音楽のようでもあり、ニューエイジテクノな面もあり、それでいてコミカルでのんびりとした雰囲気です。
つまり、主人公ヤンは勝負の前に自分を奮い立たせる曲として「甘いスムースジャズ」と「不思議なニューエイジケルト」を聴いていたのです。およそ闘志を掻き立てるのに向いていない代表とも思える2曲です。
これが実に面白くてここで取り上げました。対照的に元レーサーの彼のコーチはブラック・サバスを好みます。サバスの「Paranoid」は劇中何度も流れます。これがレースの場面と良く合います。いや、そういうものですよね?コーチの気持ちよく分かります。
「Paranoid」 ブラック・サバス
とにかく「Songbird」と「Orinoco Flow」はレースに合いません。映画を観て、実に面白い設定だと思いました。実話に基づいているとは言え、全てが事実な訳ではありません。実際に出場したレースや順位は物語に合わせて変えているらしいです。なので、この勝負曲のエピソードは映画の演出として考えたものだと私は受け止めました。実にいい線を突くと笑いました。
ネタバレになるのでここでは書きませんが、クライマックスでもこの曲を使った演出が出てきます。映画は全編面白かったですが、正直この勝負曲のエピソードが一番受けました。
ところが、映画を最後まで観てビックリです。字幕が出ます、「今でもヤンはレース前にケニー・Gとエンヤを聴いている」。そうです、勝負曲のエピソードは事実の部分だったのです。恐らく、映画制作に過程で、彼からそういう話を聞いて監督が使えると思ったんでしょう。本当にヤン・マーデンボローというレーサーはケニー・Gとエンヤで闘志を掻き立てることが出来るのです。うーん、人それぞれですねぇ。いや、まぁ、だから、音楽は面白いとしておきましょう。
それでは、また。
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新曲公開しました。是非聴いて下さい!
「飛べ! ワタシ 飛べ!」
「カラキリクルコロ」
「NSA」