ムー大陸の音楽探検

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ビバ!歌謡曲19〜「ファンタジー」

ムー大陸です

 

私のレコメンドする歌謡曲を紹介するビバ!歌謡曲のコーナーです。今回は、

 

 

「ファンタジー

 

 

です。

 

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これは岩崎宏美氏のヒット曲です。

岩崎氏は稀有なシンガーです。しっかりとした発声から放たれる伸びやかで澄んだ声、変なフェイクを入れることなく素直でストレートな歌い回し。それでいて何を歌っても自分の歌にしてしまう個性もあり、個人的には理想の歌手像を感じます。

しかし、稀有なのはその歌の上手さだけではありません。彼女の出自です。彼女は「スター誕生」というオーディション番組からデビューにこぎつけます。そうです、彼女はアイドル歌手だったのです。ただ、デビュー時から歌が抜群に上手いのです。演歌歌手でもジャズ歌手でもないアイドル歌手が、それもデビューしたての16歳のアイドルが、そうした本格派と呼ばれる大人のシンガーと真っ向勝負出来るほどに歌が上手いというのは他に例が見当たりません。

彼女はデビューから約1年間に5枚のシングルを発表します。デビュー曲から順番に「二重唱(デュエット)」「ロマンス」「センチメンタル」「ファンタジー」「未来」です。デビュー曲こそ知名度を欠き、オリコンチャートで最高位19位に止まりましたが、2曲目の「ロマンス」と3曲目「センチメンタル」は見事同チャートで連続1位を獲得します。そして、4曲目「ファンタジー」と5曲目「未来」は2位まで上昇、デビューから快進撃を続けました。

「二重唱(デュエット)」

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「ロマンス」

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「センチメンタル」

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「未来」

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当然、その後も安定した歌唱力から数多くのヒットを飛ばし、日本を代表する実力派の歌手となります。本当は「聖母たちのララバイ」なども取り上げたいところですが、それはまた別の機会としましょう。何と言ってもデビューからの1年間について、私はある意味奇跡と言っていい程の快挙と思っています。そのため、今回取り上げることとしました。

デビューからの5曲、作曲は筒美京平氏、作詞は阿久悠氏、歌謡界に君臨した先生方ですから、本当にどれも甲乙つけ難い名曲揃いです。その中でも「ロマンス」は人気が高い。あるいは「センチメンタル」の見事なディスコサウンドも評価が高い。一方で「未来」こそが名曲との昭和の歌謡曲ランキングもありました。いや、やはり、デビュー曲こそ取り上げるべきとの思いもなくはない。話の内容としてはデビュー後1年間全般を追っていきますが、その中で比較的注目される機会が少ないと思われる第4弾シングル「ファンタジー」を敢えてタイトルには持って来ました。

岩崎氏の歌はこの「ファンタジー」では既に完成していると言っても過言ではありません。いや、歌に完成なんて無いでしょうが、少なくとも「聖母たちのララバイ」と「ファンタジー」に大きな差を感じない、それくらいに大人の歌手になっています。デビュー曲「二重唱(デュエット)」にはやや舌足らずな感じがあります。ここには確かにアイドル歌手的な少女の姿を残していると思います。

しかし、2曲目の「ロマンス」になると、不思議なほどその舌足らず感が抜けています。私は「ロマンス」の歌唱以降が岩崎氏の本来の姿であって、「二重唱(デュエット)」の歌唱はアイドルのデビュー曲として何らかの装飾を加えたものと考えています。2曲目で大きく成長したと考えるのが自然なのかも知れませんが、2曲の間には3か月しかありません。それにしてはあまりにも大きく変わり過ぎではないかと思うのです。ですから、本人が意識したのか、あるいは制作側の意向か分かりませんが、取りあえずデビューに当たっては、アイドル歌手のあるべき姿にすり寄っていったのだと思います。

変な話ですが、アイドルとは可愛らしいお人形であることを求められますから、「歌が上手い」というのも必ずしもプラス要素ばかりではないのです。ただ、それでは彼女の真価は発揮出来ないと感じ、方向修正、「ロマンス」以降は彼女のナチュラルな歌い方で勝負したのだと思います。

つまり、上述の「ファンタジー」で完成しているのではなく、2曲目「ロマンス」で、もう今の岩崎氏とほぼ同じだったと考えていいでしょう。早熟の天才です。「ロマンス」は「くちずけさえ知らない」少女の歌ですが、その歌いっぷりは大人の歌手で、そこに違和感があると言えなくはないです。もちろん、歌の素晴らしさの方が圧倒的に勝っていますけど。

続く「センチメンタル」は明るめの曲でアイドル的な可愛らしさを押し出したいところですし、歌のキメに「17歳」と若さを強調していますが、17歳の歌には聴こえない強さ、上手さがあります。それと同じことが前向きな歌詞のラブソング「未来」にも言えて、この2曲は明るいディスコサウンドと彼女の歌の上手さが相まって見事な出来なんですけど、圧倒的な歌唱力によりアイドル要素はどうしても薄くなってしまいがちです。

その中で「ファンタジー」は絶妙なバランスを保っていると思います。サウンドは一連のディスコ路線ですが、歌詞に変化が見られます。彼との出会いと別れ、それを時系列で進めていく阿久悠氏の独特の歌詞が面白い。この試みが功を奏しています。「ロマンス」のような少女の歌ではない物語になっていて、彼女の歌唱力としっかりシンクロしています。加えて、筒美京平氏のサウンドはここでも絶品です。イントロのギター、そこにかぶさるベースのアレンジ、まぁ、女性コーラスは多少古臭い気がしますが、許容範囲です。

ですから、デビューから約1年の間のシングル5曲の中で最も地味なのがこの「ファンタジー」かも知れませんが、岩崎氏のアイドルを超えた歌唱力と楽曲とのマッチだけを考えたら、この曲を一番に推したいところです。とは言え、全部聴きましょう。結論はそれです。

それでは、また。

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