ムー大陸の音楽探検

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洋楽至上主義13〜「Handle With Care」

ムー大陸です

 

 

私のオススメ洋楽を紹介する洋楽至上主義のコーナーです。今回は、

 

 

「Handle With Care」

 

 

です。

 

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この曲は1988年にトラヴェリング・ウィルベリーズが発表したもの。

トラヴェリング・ウィルベリーズとは覆面バンドで、実はジョージ・ハリスンボブ・ディラン、ロイ・オービンソン、エレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リン、トム・ペティという超大物ロッカーたちの企画ユニットです。当初、ジョージ・ハリスンのシングルB面曲を録音するため、ジョージとロイ・オービンソン、ジェフ・リンが集まりました。その時点で豪華過ぎます。B面曲のためって、もうただの趣味ですね。

 

その曲をボブ・ディランの自宅のスタジオを借りて録音することになります。ジョージはそのユニットにディランを誘い応諾を得ます。加えて、レコーディング前にジョージはトム・ペティにギターを貸していたため、それを返してもらいにトムのところに行きました。その際に、ジョージはトムをレコーディングに誘い、メンバーが揃ったという経緯。

いわば、セレブの気まぐれで出来たユニットです。ただ全員所属するレコード会社が異なるため、覆面バンドにしたということらしいです。

それでも、あまりに出来が良かったので、結局、ジョージのシングルのB面には収まり切れず、アルバム制作をすることになります。アルバム自体素晴らしいので、全部聴いてほしいのですが、先ず、その素晴らしさの一端を知る意味でもこの「Handle With Care」を聴いて下さい。

 

素晴らしいところは数多くあるのですが、やはり、一番は歌でしょうか。彼らスターたちがメドレーで繋いでいくヴォーカルが聴きどころです。残念ながら、ジェフ・リンとボブ・ディランのメイン・ヴォーカルはありません、コーラスだけです。元々、ディランは参加には一番消極的だったように思えます。スタジオを貸すだけのつもりだったのが、親交の長いジョージに説得されてという感じなのかも知れません。「We Are The World」のメイキングなどを見ても分かるように、彼は他人が書いた曲を器用に歌いこなすタイプのシンガーではないですし。

 

とは言え、ディランが参加するのとしないのでは随分と印象が異なると思います。ジョージ・ハリスンが中心にいると、どうしても彼とその他のメンバーのように見えてしまう。同じスターと言っても、元ビートルズのジョージと他のメンバーではヴァリューに開きがあるでしょう。そもそも彼の声掛けで始まったこの企画ですから。しかし、そこにディランの名前がある。積極性はいざ知らず、このユニットがネームヴァリュー的には二つの軸を持ったことになります。つまり、ジョージのワンマンバンドではないという印象が強まります。

 

歌に話を戻します。基本的にはジョージがメイン・ヴォーカルです。Aメロはジョージです。サビに入ると、ロイ・オービンソンがメインを引き継ぎます。これが絶品です。「Oh! Pretty Woman」をはじめ彼の歌は何度も聴いたことがあります。しかし、正直、ここまで歌が上手いとは気付きませんでした。いや、歌が上手いというより、声が美しいとは知らなかったという方がふさわしいでしょう。もちろん、以前から知っているあの声なんですが、それでも、あらためて聴くと、これほどとは思わなかったという感想です。恐らく、ジョージをはじめ他のメンバーも彼の歌声に感心したように思え、ロイが参加したことは大きいとコメントしていました。彼はこのファーストアルバムを最後に亡くなってしましたから、最後の輝きです。

 

ロイ・オービンソンの後、トム・ペティの歌が入ります。ボブ・ディラン、ジェフ・リンのコーラスもあります。ロイ・オービンソンの美しい声から一転、ここで何とも言えないジャンクな雰囲気にガラッと変わります。さすがです。そして、ジョージの歌に戻る。いいですね。ベテランたちがビジネスを忘れて楽しそうにロックしているのを見ると、こちらも楽しくなってきます。

 

ちょっと前に、桑田佳祐氏の呼びかけで、世良公則佐野元春野口五郎、CHAR各氏が集まって楽曲を発表したことがありましたね。定かではありませんが、あれはトラヴェリング・ウィルベリーズを参考にしたと聞いたような気がします。

是非聴いてみて下さい。

それでは、また。

 

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下剋上

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「春に死のう」

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