ムー大陸です
前回に引き続きマカロニ・ウェスタン映画の音楽についてです。前回は総論及びマカロニ・ウェスタン音楽の開拓者、エンニオ・モリコーネ氏の作品を紹介しました。
今回はモリコーネ氏以外の作曲家による作品を並べました。前回言いました様に、マカロニ・ウェスタンの音楽は「血が騒ぐ」音楽です。それはモリコーネ氏もそれ以外も共通しています。なので、熱くなる曲が目白押しです。
私は映画ありきではなく、先に音楽を聴いています。観れる映画は出来るだけ観ました。が、一度しか観ていないものが殆どで、よく覚えていません。タイトルも同じようなのが多いし。
なので、各映画作品について云々するつもりはありません。そこら辺はマニアの方にお任せします。とは言え、それでも音楽だけは耳にこびりついています。それがマカロニ・ウェスタンです。
「怒りの荒野」
これが素晴らしい曲。何とリズ・オルトラーニの作曲。モンド映画の回でお話しました。「世界残酷物語」のテーマ、名曲「More」を書いてアカデミー賞にもノミネートされた作曲家です。本作はそれから5年後です。イタリア人ですからマカロニ・ウェスタンの仕事もやっています。しっかりいい仕事します。「More」と比べると分かると思います。モンド映画では彼自身が一つのメソッドを確立しました。残酷な映像に美しい曲を合わせるという大胆な手法でした。一方、本作ではちゃんとモリコーネ氏の描いたマカロニ・ウェスタンの世界に寄せています。さすが職人です。彼もまたイタリアの宝です。
「荒野の1ドル銀貨」
「続・荒野の1ドル銀貨」はモリコーネ氏ですが、こちらはジャンニ・フェッリオという作曲家の作品です。ダリダとアラン・ドロンの歌唱で有名な「甘い囁き」(パローレパロレパロ〜レ〜♩ってやつです)の作曲者です。確かにあれもオリジナルはイタリアでミーナが歌ったものでした。リズ・オルトラーニ氏といい、マカロニ・ウェスタンにはイタリアの音楽的叡智を注ぎ込んでいます。素晴らしいのも頷けます。前回も言いましたが、「荒野の1ドル銀貨」と「続・荒野の1ドル銀貨」の2作はどちらもジュリアーノ・ジェンマ主演ではありますが全然違う話です。続編じゃありません。
「皆殺し無頼」
これもヴォーカル付きです。いやぁ、燃えますね。歌っているのはワイルダー・ブラザーズというグループです。サビでハモるとこカッコいいです。間奏前の口笛泣けます。作曲はノラ・オルランディというピアニスト、作曲家です。女性です。作品によっては彼女自身が歌ったりもします。いくつか映画音楽をやっていますが、あまり日本で有名なサントラはありません。「荒野の掟」「二匹の流れ星」など。「皆殺し無頼」が代表作だと思っています。才能豊かな作曲家です。しかし、「皆殺し無頼」って凄いタイトルです。
「南から来た用心棒」
これまたヴォーカルあり。ラオールという歌手が歌っていますが、前回紹介した「新・夕陽のガンマン/復讐の旅」のヴォーカルバージョンも歌っていたと記憶しています。マカロニ・ウェスタン以外の仕事は知りません。作曲はフランチェスコ・デ・マージ。マカロニ・ウェスタン以外だとホラー映画などで活躍しています。ハーモニカが素晴らしいです。ギターもいい、って言うか全部いいです。確か映画観ましたが、何故「南から来た」なのかよく分かりません。
「裏切りの荒野」
ちょっと雰囲気が変わります。静かに燃えている感じです。本作はカルメンをモチーフにしたストーリーだったのでギターをフィーチャーしたと思われます。作曲はカルロ・ルスティケッリです。イタリア映画界の巨匠、ピエトロ・ジェルミ作品で名を馳せた作曲家です。こんな人までって感じです。イタリアの作曲家は皆んな一度はマカロニ・ウェスタンやってるくらいに感じます。
「情無用のコルト」
口笛は「荒野の用心棒」を思わせます。コーラスとのミックスから台詞が入るのがカッコいいですね。これまた血が騒ぐ。作曲はニコ・フィデンゴ。歌手兼作曲家です。映画「太陽の誘惑」の主題歌「What A Sky(太陽の誘惑)」という曲を歌った歌手です。その後、詳細は分かりませんが、映画音楽の作曲家になったようです。
「荒野の10万ドル」
これはヴォーカルものです。それも歌っているのはボビー・ソロ。「ほほにかかる涙」の大ヒットで有名な彼もイタリア人。マカロニ・ウェスタンを歌います。いやぁ、カッコイいい、どこかプレスリーに似ています。作曲はブルーノ・ニコライ。彼はモリコーネ氏の下でオーケストラ指揮や編曲をしていたと聞いています。なるほど、マカロニ・ウェスタンのツボを心得ています。
「さすらいの一匹狼」
再びニコ・フィデンゴ氏の登場です。少しフォークっぽい感じですが、中々血が騒ぎます。歌はフィデンゴ氏ではなくワイルダー・ブラザーズだと思います。
「続・荒野の用心棒」
オリジナルタイトルは「Django」です。これはマカロニ・ウェスタンの定番です。作曲はルイス・エンリケス・バカロフです。こちらも巨匠です。アルゼンチン人ですが、主戦場はイタリアです。当然、マカロニ・ウェスタンやります。この他にもいくつも名作があります。歌はロッキー・ロバーツです。1967年に「Stasera Mi Butto」という曲をイタリアでヒットさせた歌手です。JBなどに影響を受けたR&Bです。
最後を締め括るのに相応しいでしょう。日本映画「スキヤキ ウェスタン ジャンゴ」ではこの曲を北島三郎氏が歌っていました。
いかがでしたか?
「血が騒ぐ」音楽という意味が分かって頂けたと思います。今日紹介したのは有名どころだと思います。もっとマイナーなものにも妙に「血が騒ぐ」ものがあります。
本物のウェスタンを横目に偽物B級ウェスタンを作る、これは変な例えですが、豚肉のソーセージに対して魚肉ソーセージを作ったような感じです。変に本物を目指すのではなく、偽物を磨き上げていったのです。今ではソーセージと魚肉ソーセージが別の食べ物と認識される様に、ウェスタンとマカロニ・ウェスタンは別のジャンルの映画と考えるべきです。両方とも食べてみた方がいいですよ。
それでは、また。
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「騒乱節」
「頑張ってって言わないで」