ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

マカロニ・ウェスタンで血が騒ぐ①

ムー大陸です

 

 

今回から2回に渡ってマカロニ・ウェスタンの音楽の話をします。マカロニ・ウェスタンの世界は実に濃く奥深いのです。あらかじめ言っておきます、私はマカロニ・ウェスタンの映画が特に好きという訳ではありません。ただその音楽が好きなのです。

そもそも私がマカロニ・ウェスタンの音楽を聴くようになったきっかけは、必殺シリーズの音楽です。以前このブログで必殺シリーズの音楽について書いてますので、そちらをご覧下さい。平尾昌晃氏が作った必殺シリーズの音楽は

明らかにマカロニ・ウェスタンの音楽をモチーフとしています。曲によっては酷似しているものもあります。そこから私はマカロニ・ウェスタンの音楽に興味を持ちました。つまり、必殺好き→必殺音楽好き→マカロニ音楽です。

ここでマカロニ・ウェスタンについて触れておきましょう。ウェスタンは西部劇です。アメリカの開拓時代を描いた時代劇です。ガンマン、駅馬車、保安官、決闘みたいなイメージでしょうか。当然、アメリカの時代劇ですから、アメリカ、ハリウッドで作られるものが本物です。ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演、こういうのが西部劇の最高峰と考えて間違いありません。日本の時代劇に例えるなら、黒澤明監督に三船敏郎主演と言ったところ。

日本の時代劇が海外で作られる事がほぼない様に、本来なら西部劇がアメリカ以外で作られる事は無いはずです。しかし、ヨーロッパ映画界側の事情でヨーロッパで西部劇が作られるようになります。特にイタリアには巨大な映画スタジオがありました。イタリアにフェリーニのような巨匠がいたり、ハリウッドが「ベン・ハー」のような史劇を盛んに作っているうちは、ふんだんに金をかけて映画が作られていましたから、スタジオの経営も順調でした。

しかし、1963年の映画「クレオパトラ」の失敗でそうした大作主義は限界となります。その影響でイタリアの巨大スタジオは経営難に陥り、その改善策の一つとして1964年以降西部劇を大量に作るようになります。それらイタリアで作られる西部劇を本場アメリカでは「スパゲッティ・ウェスタン」と呼びました。ニュアンスが分かると思いますが、これは蔑称です。偽物に対する軽蔑が込められています。

実際、アメリカの西部劇は単なるアクション映画ではなく、アメリカの建国精神や正義をバックボーンにしたしっかりとしたストーリーの映画です。それに対してイタリアで作られた西部劇は、かなりドンパチで殺し合う内容に傾いています。殊更に残忍な悪党が現れたり、それに復讐したり。考証も無視したB級娯楽作と言った作品群です。

また、制作スタッフはイタリア人やその他ヨーロッパの人々ですが、主役級で出演するのはハリウッドから来るアメリカ人だったりします。それらの俳優はどうしても当時今一つ人気を掴めていないケースが多かったのです。かつてヒット作に出てそれなりに名は知られているが、その後いい作品に縁が無いみたいな俳優が活路を見出す為出演する事もありました。そういう事もあって本場から下に見られていました。

ちなみに、スパゲッティ・ウェスタンマカロニ・ウェスタンと呼ぶのは日本オリジナルで、映画評論家の淀川長治氏が名付け親です。スパゲッティ・ウェスタンは長くて言いにくいという事らしいです。マカロニの方はスパゲッティほど軽蔑の意味合いは無い様に思います。日本は別に西部劇の本場じゃありませんから。

 

しかし、映画は不思議です。

そんなB級のマカロニ・ウェスタンが多くの人々の心を掴みます。それにはいくつかの理由があって、一つはアメリカの西部劇が人道主義的なストーリー展開で、純粋かつシンプルな活劇を求めるファンには退屈に映るようなったとも言われています。

しかし、何よりも大きな理由は、そうしたB級の活劇であっても、最大限のアイディアと努力を注ぎ込んで制作をしたこと、そして、それが出来る才能溢れるスタッフが集結していたことです。監督ならセルジオ・レオーネ、俳優ならクリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフら、彼らはこのB級娯楽作で名を上げていきます。イーストウッド氏が今映画界でどんな地位にあるか皆さんご存知でしょう。

それに加えて、マカロニ・ウェスタンには素晴らしい音楽家が集結しました。特に真っ先に讃えるべきはエンニオ・モリコーネでしょう。彼がある意味マカロニ・ウェスタンの音楽の生みの親です。彼は多くのマカロニ・ウェスタン映画の音楽を担当していますが、どれも素晴らしい。彼もこのB級娯楽作で名を上げ、世界的巨匠にまで登り詰めました。彼が初期マカロニ・ウェスタン作品で見せたメソッドは、その後の作品に引き継がれ、細かい音楽的部分は別にしても、多くの作品に一種の共通点を生み出します。

 

それが「血が騒ぐ」音楽です。

 

変な言い方ですが、そう表現するのが一番妥当だと思います。つまり、マカロニ・ウェスタンの音楽を聴くと、血湧き肉躍るのです。マカロニ・ウェスタンの音楽というのはそういうものです。先ずモリコーネ氏の音楽が正にそうでした。他の音楽家達もこぞってそんな興奮を掻き立てる音楽をこれでもかと並べました。

今回は開拓者エンニオ・モリコーネに敬意を表し彼の作品に絞って紹介します。他の作曲家の作品は次回です。

 

「荒野の用心棒」

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曲名は「さすらいの口笛」。この口笛最高!映画を観ていなくても、砂煙の中、馬に乗ってガンマンがやって来るのが目に浮かぶでしょう。マカロニ・ウェスタンの音楽の方向性を決定付けた歴史的名作です。

 

夕陽のガンマン

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私が最初に聴いたマカロニ・ウェスタンの音楽はコレでした。「必殺仕置人」の「仕置のテーマ」はこれとそっくりです。映画「荒野の用心棒」の評判が良く作られたのが本作です。音楽的にも「荒野の用心棒」並ぶ傑作です。口笛に頼り過ぎずワンパターンにしなかったのは英断です。ここは素直にメロディ勝負です。続けてこういうのを持って来れるところが天才ですね。

 

「続・夕陽のガンマン

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私の中ではこれが最高のマカロニ・ウェスタン音楽です。あらゆる映画音楽においても屈指の名曲です。モリコーネ氏の作品としても最高傑作に位置付けています。上記2作品も歴史的名曲でしたが、更にその上を行くっていうのは怪物です、モリコーネ氏は。

 

「続・荒野の1ドル銀貨」

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これは上の3作品よりB級感があっていいですね。歌が入るとボルテージ上がります。ちなみに、これって「荒野の1ドル銀貨」の続編じゃないんです。映画的には「夕陽の用心棒」の続編です。こういうのがあるので、イマイチ映画の方が覚え切れません。歌はマウリツィオ・グラフです。

 

「新・夕陽のガンマン / 復讐の旅」

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これも「血が騒ぐ」曲です。コーラスがいいですね。モリコーネ氏はここに来て、また違うパターンを用意してますから凄いですね。どれも血が騒ぐんですが、アイディア豊富な人です。

 

実はテーマ曲以外まで含めれば、色んな曲がありますし、テーマ曲でも映画「ウエスタン」のような美しい曲もあります。しかし、今回は「血が騒ぐ」を基準に選んでいます。

それにしてもモリコーネ氏は偉大な音楽家ですね。ここに紹介した作品は彼のマカロニ・ウェスタン音楽のほんの一部なのはもちろん、彼はこの後、マカロニ・ウェスタン以外の映画音楽を多く手掛け、そこでも傑作を残しています。それらは機会があればいつか紹介しましょう。

次回はモリコーネ氏以外のマカロニ・ウェスタン音楽です。

それでは、また。

 

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新曲公開しました!是非聴いて下さい。

「騒乱節」

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「頑張ってって言わないで」

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