ムー大陸です
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
以前、デヴィッド・ボウイの「Fame」の話をした際に、イギリスのアーティストがアメリカに進出するのは、日本人ほどではないにせよ、結構高いハードルだと言いました。そして、一見公平に見える音楽評論もアメリカ至上主義の歴史観に満ちているとも言いました。今回はそれがテーマです。
あのローリングストーン誌が発表している「偉大なアーティストベスト100」を見ながら、彼らのロック歴史観を考えてみたいと思います。
以下がそのランキングです、とりあえず50位までです。
1. The Beatles(ビートルズ)
2. Bob Dylan(ボブ・ディラン)
3. Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)
4. The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)
5. Chuck Berry(チャック・ベリー)
6. Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)
7. James Brown(ジェームズ・ブラウン)
8. Little Richard(リトル・リチャード)
9. Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)
10. Ray Charles(レイ・チャールズ)
11. Bob Marley(ボブ・マーリー)
12. The Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)
13. Buddy Holly(バディ・ホリー)
14. Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)
15. Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)
16. Sam Cooke(サム・クック)
17. Muddy Waters(マディ・ウォーターズ)
18. Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)
19. The Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)
20. Bo Diddley(ボ・ディドリー)
21. Otis Redding(オーティス・レディング)
22. U2(ユーツー)
23. Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)
24. Jerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス)
25. Fats Domino(ファッツ・ドミノ)
26. The Ramones(ラモーンズ)
27. Nirvana(ニルヴァーナ)
28. Prince(プリンス)
29. The Who(フー)
30. The Clash(クラッシュ)
31. Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ)
32. Smokey Robinson & The Miracles(スモーキー・ロビンソン & ミラクルズ)
33. The Everly Brothers(エヴァリー・ブラザーズ)
34. Neil Young(ニール・ヤング)
35. Michael Jackson(マイケルジャクソン)
36. Madonna(マドンナ
37. Roy Orbison(ロイ・オービソン)
38. John Lennon(ジョン・レノン)
39. David Bowie(デヴィッド・ボウイ)
40. Simon & Garfunkel(サイモン & ガーファンクル)
41. The Doors(ドアーズ)
42. Van Morrison(ヴァン・モリソン)
43. Sly & the Family Stone(スライ & ファミリー・ストーン)
44. Public Enemy(パブリック・エネミー)
45. The Byrds(バーズ)
46. Janis Joplin(ジャニス・ジョブリン)
47. Patti Smith(パティ・スミス)
48. Run-D.M.C.(ラン・ディー・エム・シー)
49. Elton John(エルトン・ジョン)
50. The Band(バンド)
全てのランキングはこちらです。
1位はどのランキングでも1位でしょう、ビートルズです。そして、エルヴィス、ディラン、ストーンズあたりまでは定番と言えば定番です。多少順位は変わるでしょうが、こうしたランキングの常連と言えるでしょう。
さて、このランキングがローリングストーン誌の明確なロック歴史観に基づくと考えるならば、5位以下に注目する必要があります。いくつかの特徴がありますが、明らかに言えることは、「始まりを重要視する」ということ。つまり、5位にチャック・ベリー、8位にリトル・リチャード、13位にバディ・ホリー、20位にボ・ディトリー、24位にジェリー・リー・ルイスを入れています。加えて、ブルースのマディ・ウォータースを17位に。ロックを創生した黎明期のミュージシャンたちを偉大なアーティストとして高ランクに位置付けています。
「Lucille」 リトル・リチャード
先ず、ロックの歴史、50年代から現在に至る歴史の中で、ロックの創生だけでそこまで上位にランキングする、何組もランキングするというのは甚だ疑問なんです。確かにロック誕生があってその後がある、それはその通りですが、そこを重要視し過ぎて偏りを感じます。
ロック創生という意味では、エルヴィスで十分と考えますし、彼はオリジネイターではないないというなら、チャック・ベリーを3位したらいいと思います。そうではなく、ロック創生も含め、広く世界中にロックを伝播させたことを功績というなら、エルヴィスを3位、チャック・ベリー他のオリジネイターたちはもう少し下位でいいと思います。
「Everyday」 バディ・ホリー
「Road Runner」 ボ・ディトリー
例えば、50位以内にクィーンもいなければ、ピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、T-Rex、ブラック・サバスもいないのです。ボ・ディトリー大好きですが、私ならクイーンより下に置きますね。つまり、ビートルズ以降のロックバンドこそが現在のロックと色濃く直接繋がっていると思うのです。ハードロックにせよ、プログレにせよ、パンクにせよ、そうしたムーブメントの方を、ロック創生よりも上位に置くのが、私のロック歴史観なんです。従って、ローリングストーン誌のこのランキングには違和感を持つのです。
そして、このローリングストーン誌のランキングは何を意味するかと言えば、アメリカがロックの母国であるという誇りだと私は考えています。つまり、ローリングストーン誌は自国アメリカ贔屓のランキングを作ったということです。ロックバンドにしても結構アメリカのバンドを評価しています。ビーチ・ボーイズ、ドアーズ、バーズ、ヴェルベット・アンダーグラウンドあたり。明らかにイギリスのバンドと差があります。
ロックの母国はアメリカであっても、ビートルズ以降ロックを常にリードしてきたのはイギリスだったのではないでしょうか。しかし、やはり、アメリカの雑誌としては、そうは考えたくないとの思いがあったと見受けられます。全体的に見ても、アメリカ人が多いですし、ややランキングも高めと感じますね。
「Great Balls Of Fire」 ジェリー・リー・ルイス
また、併せて、ファンクの開拓者ジェームス・ブラウン、R&Bの革命児レイ・チャールズ、女性ソウルシンガーの草分けアレサ・フランクリンあたりも「始まりを重要視する」理論が活きていると思います。もちろん、彼らは間違いなく偉大で、私も上位にランキングするでしょうが、そこもスティーヴィー・ワンダーの方を上位にしたいです。また、ラップのパブリック・エナミーなんかもTOP20圏内と考えます。
もし、ローリングストーン誌がアメリカを誇るランキングにするなら、創生を大事にするより、ソウルの革命やラップを押し出したらいいと思います。また、マイケル・ジャクソンの偉大さはもっと上でいいと思います。ミュージック・ビデオにおける彼の功績は大ですから。
ローリングストーン誌はやはりアメリカの雑誌です、アメリカの誇りを感じさせます。ただ、その出し方が私には不自然に感じられます。
あまり、やりたくないのですが、もし仮に私が偉大なアーティストベスト100を選んだ場合、上位10組だけ並べると、
にするかな。
ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソンは私の中では高いんですよ。ディスコブームにおけるビー・ジーズの貢献をディランより上に置くのが私の価値観です。米英は5組ずつで同数ですね。とは言え、これにジャズなんかも考慮すると大きく変わりますけど。
それでは、また。
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