ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

「必殺シリーズ」のエンディングテーマについて①

ムー大陸です

 

 

先般、2回にわたってテレビ時代劇シリーズのテーマ曲の特集をしました。その際、書きました、「必殺シリーズ」は他のテレビ時代劇とは違う、私にとっては特別だと、別途紹介したいと。このブログでも既に「必殺シリーズ」の音楽については2回費やして紹介しました。劇伴についてはそちらを参照して下さい。

今回はシリーズのエンディングテーマに絞って、オススメをピックアップして紹介していきます。

 

必殺シリーズは1972年に開始のテレビ時代劇です。金を貰って悪党を殺す殺し屋のピカレスクロマンです。第一作「必殺仕掛人」からタイトルを変えながら30作作られました。30作ということは30曲エンディングテーマもある訳ですが、2作品にまたがり同じテーマというケースもいくつかあるので、もう少し少ないです。

基本的にシリーズの音楽は平尾昌晃氏ですが、途中他の作曲家が担当したこともありましたし、特にエンディングテーマは歌手との繋がりもあって必ずしも平尾昌晃作品とは限りません。特にシリーズ後半は。

 

必殺においてエンディングテーマは重要です。

 

どの曲も一見ドラマとは関係性の薄いただの演歌と思われがちですが、これがインストになり、多くはマーチにアレンジされ、殺しのテーマとして劇中クライマックスで使われるからです。

 

それでは個別に見ていきますが、基本的にシリーズ前半の方が強力です。初期の必殺は作品ごとに主題歌のみならずサントラが更新されます。そうして積み重ねたサントラとノウハウによって徐々に新たな劇伴は減って行き、最終的には殆どエンディングテーマとそのインストアレンジだけが追加されるような体制になります。

加えて、バラエティ要素も増えてシリーズ自体の人気が膨らんだ後半は出演者が歌うケースが増えて来ます。彼らは本職の歌手ではないので、残念ながら歌唱力が十分とは言えないものが多いです。前半は割と無名の歌手、特に平尾昌晃氏の音楽学校の生徒、つまり平尾氏の弟子が選ばれることも多かったですが、歌は上手かったので、クオリティに問題ありませんでした。

従って、オススメは前半に集中、後半からはキーになりそうな曲を加える感じになります。

 

1.「荒野の果てに」(必殺仕掛人)

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このインストはシリーズ全体のテーマとも言える名曲。時代劇特集で触れたので、多くは言いませんが、「ここぞ」という時にはこの曲が使われます。例えば、劇場版映画第一作ではテーマ曲として使われたりしました。他にもスペシャルドラマや映画では度々使われる必殺の顔です。

 

2.「やがて愛の日が」(必殺仕置人)

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第二作「必殺仕置人」のエンディング。三井由美子氏が歌いそこそこヒットもしました。この曲も後になって映画などでインストアレンジされて使われました。別に「仕置のテーマ」が用意されていたので、マーチにはなりませんでした。ただ、三井氏のスタイルだと思いますが、やや歌い方がくどい、こぶし回し過ぎと感じます。

 

3.「望郷の旅」(助け人走る)

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元ザ・タイガースの森本太郎氏が歌いました(森本太郎とスーパースター名義)。これはかなりの名曲で、「荒野の果てに」同様、インストバージョンが即殺しのテーマになる胸熱ナンバーです。中村主水が出ないシリーズだったからか、あまり後で使われてないのが残念です。

これサビの最後の歌詞「汗と涙と血がまた騒ぐ♩」のところ、ドラマのエンディングでは何故か「熱い明日の風が呼んでる♩」となっていました。不都合があったのでしょうか?少し血生臭い歌詞を前向きにしたのでしょうか?これは勝手な想像です。

 

4.「旅愁」(暗闇仕留人)

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後にシリーズの多くに出演する西崎みどり氏が歌いました。彼女は平尾氏の生徒です。これはミリオン突破、シリーズ史上最大のヒットとなりました。この曲は強力で、マーチアレンジされる事なくしっとりとしたインストにしても殺しのテーマとして成立することを示しました。シリーズ後半「必殺仕事人」以降中村主水の殺しシーンで哀愁漂う音楽になるのはここに原点があると思っています。

 

5.「さすらいの唄」(必殺必中仕事屋稼業)

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6.「哀愁」(必殺仕置屋稼業)

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7.「さざなみ」(必殺仕業人)

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「旅愁」で確立した手法はその後の作品に踏襲されます。「必殺必中仕事屋稼業」では「さすらいの唄」は哀愁漂う元締の殺しのテーマ、挿入歌「夜空の慕情」はその他殺し屋用のマーチと使い分けしていましたが、その後「哀愁」「さざなみ」「負犬の唄」(必殺からくり人・同血風編)はそのままインストアレンジされ殺しのテーマになっていました。この間マーチ的な殺しのテーマは無く、全体的にしっとりした殺しシーンになります。手法が確立されてきた一方、手抜き感は拭えません。ただ、この頃の平尾昌晃氏のメロディには冴えがあって、掲示した上述3曲はどれも佳曲です。歌手はそれぞれ小沢深雪氏、葵三音子氏、西崎みどり氏再登場と全て平尾昌晃氏の弟子です。小沢氏は後に平尾氏の奥様になりました。

 

8.「あかね雲」(新・必殺仕置人)

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シリーズ10作目「新・必殺仕置人」はドラマとしても大きな節目でしたが、音楽的にも最後の輝きとなります。エンディングテーマは大胆にマーチアレンジが施され「仕置のテーマ」に。それに加えて「仕置人出陣」という出撃用マーチまで新曲が用意されて充実したサントラでした。そもそも「あかね雲」自体、上述の演歌とはちょっと違うアプローチで、和風ソウルな感じがありますし、歌手の川田ともこ氏も当時12歳、美空ひばりの再来などと言われた少女で歌唱力十分。不思議な魅力のある一曲に仕上がっています。何より全体的に活劇っぽさが戻って来ました。この第10作目で、積み上げて来たノウハウにより最高のサントラを作り上げました。

 

そこは一つの到達点でしたが、その後は迷走が始まります。それは次回。

それでは、また。

 

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