ムー大陸です
過去の名曲をチャートアクションから紐解いていく「名曲たちの成績表」のコーナーです。今回は、
「A Taste Of Honey(蜜の味)」
を取り上げます。
オリジナルはブロードウェイミュージカル「蜜の味」の為に書かれたインスト曲と聞いています。作曲はボビー・スコットとリック・マーロウ。ボビー・スコットはジャズの人です。ピアノ、ビブラフォンの他多くの楽器をこなします。その為、チェット・ベイカー、ウェス・モンゴメリー、クインシー・ジョーンズらともプレイしています。また、1955年には歌手として「Chain Gang」を全米3位のヒットにしています。一方、リック・マーロウは作曲家であり、俳優。彼は助手的な役割を担ってスコット氏をフォローしたと思っています。この曲で二人はグラミーも受賞しています。
オリジナル盤
翌1961年、ビリー・ディー・ウィリアムスが歌詞付きでカバー。彼も俳優です。「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの復讐」でランド・カルリジアン役をやっている人。これが歌としてのオリジナルです。
ビリー・ディー・ウィリアムス盤
1963年にはビートルズがカバーしています。ファーストアルバム「Please Please Me」に収録ですから、聴いた事がある人も多いでしょう。ビートルズはデビュー前からこの曲をステージで演奏していたそうです。レパートリーにロック以外の楽曲を織り交ぜる目的だったそうですが、多分にポールの趣味が入っていると思います。ジョンはこの曲が嫌いで「Waste Of Money(金の浪費)」とコーラスしていたのはファンの間では知られた話です。ジョンらしい毒のある遊び心です。それでも、ファーストアルバムに収録するんですから、こういうサウンドの幅は大事にしていたということでしょうか。
まぁ、ジョンの気持ち分かりますね、ビートルズのカバーって結構泣き節なんです。ちょっとくどいかな、私には。以前、このブログで「ビートルズのカバー曲でベスト盤を作る」という企画を書きました。その際もベストには選びませんでした。それは「A Taste Of Honey」については他にベストバージョンが存在すると思ったからです。
そして、そのベストバージョンが本日のテーマです。ビートルズのカバーの2年後、ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスによるカバーが登場します。
これはインストです。ハーブ・アルパートはトランペッターです。アップルミュージックではジャズに分類されていますが、少なくとも売れていた頃、60年代70年代の彼はラテン色を帯びたポップスという風情です。特にバンド、ティファナ・ブラスとの作品はその傾向が強いです。メキシコ音楽の要素を巧みに取り入れたポップス、あくまで本格的なメキシカンではなく、出来上がりはポップスだと感じます。
「A Taste Of Honey」はアルバム「Whipped Cream & Other Delights」に収録されています。シングルカットされ、インストながら最高位7位まで上がりました。翌1966年には最優秀レコード賞を獲得しました。
彼らのバージョンはビートルズのような泣きが一切ありません。軽くてノリが良く、サビの歌詞でいうところの「Honey」の部分のメロディの繰り返しが印象的です。決して演奏が上手いとも分厚いとも思いませんが、全体的な軽さがメロディの持つ哀愁と中和して絶妙な味となっています。
彼らのカバーは決定版となり、「A Taste Of Honey」は名曲としての地位を確固たるものにしたと思っています。ちなみに、このアルバムには日本ではオールナイトニッポンテーマ曲として有名な「Bittersweet Samba」も収録されています。アルバム丸々聴く事をオススメします。
「Bittersweet Samba」 ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス
ハーブ・アルパートの快進撃は続き、1968年には「This Guy's In Love With You(ディス・ガイ)」をヒットチャート1位にしました。この曲では彼はヴォーカルを取っています。彼は多才ですね。というか、多才云々以前に、彼は1962年にA&Mレコードを創設しています。A&MのAはアルパートです。元々は自分たちのレコーディングに為に設立したものですが、それが一大レーベルに発展するのだから、ビジネスサイドの才まで持ち合わせていたのでしょう。
「This Guy's In Love With You」 ハーブ・アルパート&ザ・ティアファナ・ブラス
「This Guy's In Love With You」は当時A&M所属のバート・バカラック氏の作曲。アルパート氏から「オクラになった作品で何か良いの無い?」というリクエストに応えて出したものです。
また、共作の扱いではありますが、サム・クックの名曲「Wonderful World」の作曲者に名を連ねており、それが芸歴のスタートですから、作曲家としても一流です。
同ヒットの後アルパート氏はティファナ・ブラスを解散、1979年にはソロ名義でアルバムを出します。そこからのシングル「Rise」は、ディスコブーム真っ只中でしたから、リズム隊は正にそれを意識したサウンドですが、彼のトランペットは洗練された音で、出来上がりは都会的なムードです。インストにも関わらず、この曲は全米1位となります。それにより、彼は歌ありの曲とインストの曲両方で1位に輝いた唯一のアーティストとなりました。彼は色々凄いですが、この記録が一番驚きかな。
「Rise」 ハーブ・アルパート
それでも、ハーブ・アルパート氏の代表作は何か?と言えば、「A Taste Of Honey」で落ち着くのではないでしょうか。そうした記録は確かに凄いですが、記憶に残るのは「A Taste Of Honey」だと思います。wikiにおいて彼の代表作の最初に「蜜の味」とあります、アップルミュージックの「はじめてのハーブ・アルパート」というプレイリストの最初は、やはり「A Taste Of Honey」です。
是非聴いて下さい、出来れば、他の代表作もご一緒に。
それでは、また。
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新曲公開しました!是非聴いて下さい。
「騒乱節」