ムー大陸です
今回はタイトルの通り、
映画「プロデューサーズ」
の話をしたいと思います。
元々映画「プロデューサーズ」は1968年に公開されたメル・ブルックス監督のコメディ映画です。2001年にそのコメディ映画をブロードウェイミュージカルにしました。更に2005年になって今度はそのミュージカル版を映画化しました。
今回私が話題にするのは2005年のミュージカル映画及びその元となったブロードウェイのミュージカルについてです。
ストーリーを簡単に説明します。
マックスはブロードウェイのプロデューサー。かつては売れっ子だったが、失敗作続きで今ではすっかり落ちぶれています。一方、レオはブロードウェイのプロデューサーに憧れる小心者の会計士。この二人が「失敗したミュージカルの方が成功作より儲かる」というレオのアイディアで悪巧みを行います。失敗作についてはあまり税務署もチェックしないので、金を過剰に集めてわざと失敗作を作って、余った金を持ち逃げしてブラジルのリオへ行こうという計画です。言うなれば、投資家詐欺のようなものです。
失敗確実な作品として、ヒトラーとナチスを礼賛した「春の日のヒトラー」なる作品を見つけ出し、それを悪趣味なゲイの演出家に演出依頼をします。マックスとレオは失敗間違いなしとほくそ笑みますが、これがヒトラーに対する強烈な風刺と捉えられ作品は大成功を収めます。予想外の事態にマックスとレオは?
と、まぁ、こんな話です。1968年のオリジナルも細かいところは異なりますが、基本的には同じストーリーです。
元々の1968年の映画は毒の強いある意味マニアックな作品でしたが、2001年のミュージカルは音楽でそこら辺をある程度薄めて大人気かつ高評価となり、その年のトニー賞で当時史上最多の12部門を制覇しました。ミュージカル化するにあたって音楽を担当したのは、実はメル・ブルックスです。オリジナル版の監督兼脚本の彼が音楽まで書いています。実に多才です。
いや、多才などと軽く言っては済まないクオリティの音楽です。作詞だけなら分かりますが、作曲までやるとは恐るべしです。
劇中の楽曲ですが、
「We Can Do It」
「I Wanna Be A Producer」
「Keep It Gay」
「Springtime For Hitler」
あたりの主要曲はどれも名曲で、劇中でも効果的に使われます。複雑なメロディなどは確かに少ないでしょうが、どれも素直でキャッチーですから好感が持てます。
一方で歌詞の方はボブ・ディラン並みに執拗に韻を踏みます。そして、意味がバッチリ通っています。こちらは言葉のプロですから、驚きはしませんが、それでもボキャブラリーの多様さには感服します。
基本的に劇中で使用される曲は舞台も映画も、多少異なりますが、ほぼ同じです。両方のサントラを聴きました。舞台版の方は舞台に合わせて生で演奏している質感が大事にされています。その分オーケストラの規模も限定的な印象です。映画版はそこの部分が豪華です。全体的に音に厚みがあってリッチで華やかな出来上がりです。ここは好みが分かれるところです。私は映画版の方が好きかな。
上述した曲以外も全て素晴らしい曲ばかり。捨て曲無しとは正にこれ。ただ一つ映画で残念なのは「The King Of Broadway」をカットしていることです。本来なら「Overture」「Opening Night」に次ぐ3曲目。マックスの前半大きな見せ場の一つです。DVDには未公開シーンとして収録されていますから、撮影はされています。だから敢えてカットしたのでしょう。時間の都合ですかね。何にせよ、これは痛恨の失敗だと思います。これも入れておけば完璧だったのに。一応サントラではボーナストラックで入っていますから聴けることは聴けます。
一方で映画で加わった曲もあります。映画だけのエンディング曲「There's Nothing Like A Show On Broadway」です。これが実に素敵な一曲。舞台人の心意気を感じる歌詞です。これが映画版だけで聴けるっていうのもまた皮肉な話ですけど。
主演クラスのキャスト、特にマックス役のネイサン・レイン、レオ役のマシュー・ブロデリック、ゲイの演出家ロジャーとその助手カルメン役のゲイリー・ビーチとロジャー・バートは鉄壁と呼ばれていました。みんな歌上手いし。
2005年の映画化でもこの四人はスライドです。そこに映画オリジナルキャストのユマ・サーマンやウィル・フェレルと言った人気者も加わりさぞかし大ヒットと思いきや、興行的には振るわず、評価も軒並み良くありませんでした。この映画の少し前、2002年に同じ人気ミュージカルで映画化されてヒットした「シカゴ」あたりとは大違いです。
ストーリーもキャストも不変なのに評判が良くないのは撮り方の問題が大きいようです。監督はブロードウェイミュージカル版の舞台監督のスーザン・ストローマンでした。こちらもスライド。つまり、映画監督による映画化ではない。映画的な撮り方をしておらず、舞台をそのまま映像化したように見えるという批判が多いのです。スクリーンで見ると近過ぎる、膝の上で踊っているように感じるなどと言われていました。
確かに屋外で踊ったりするシーンも少ないですし、映画的な利点を活かしているとは言い難いのは分かります。しかし、だからこそ私はこの映画好きなんですよね。
そりゃ音楽好きですから、ミュージカル観たいですよ。でも、日本にいたらブロードウェイミュージカルなんてそうそう観に行けるもんじゃありません。トニー賞12部門制覇の傑作と言っても、ニューヨークは遠い。それにミュージカルはロングランとなれば、キャストも変わります。ですから、鉄壁キャストの舞台なんて観るのは至難の業。「じゃあ、映画で」となっても、映画は映画の撮り方をしていれば、それは別物。面白いとしても舞台を観た気になるなんて無理な話です。
その点、ミュージカル映画「プロデューサーズ」は舞台を観た気にさせてくれます。少なくとも私には。映画「シカゴ」も好きでしたが、舞台は感じませんでした。多くの批評家が言うように「プロデューサーズ」はダメな映画なのでしょうか?私は決してそうは思いません。むしろ、「プロデューサーズ」のように撮ってくれたら、日本にいてもブロードウェイミュージカルを楽しめるのにと思っています。
最近では配信などで舞台を観る事が出来たりします。それどころか、「プロデューサーズ」の2001年の舞台の動画までYouTubeに上がっています。恐らく観客が撮影したビデオでしょう。それはそれで有り難く拝見しましたが、でも、舞台をそのまま撮ってほしい訳じゃないんです。本当の舞台はどうしてもセットがハリボテですし。本当に「プロデューサーズ」のように舞台を映画化するのが理想、私の意見はこれに尽きます。
これほど面白い映画はありません。
一番好きな映画は「アマデウス」、
一番泣いた映画は「砂の器」、
でも、一番笑った映画は「プロデューサーズ」です。
それでは、また。
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「騒乱節」
「頑張ってって言わないで」