ムー大陸です
私のお気に入り洋楽をオススメしていく洋楽至上主義のコーナーです。今回は、
「I Need You」
です。
よくあるタイトルなので、どの「I Need You」なの?って話になりますが、今回話題にするのは1985年に発表されたモーリス・ホワイトの「I Need You」です。
モーリス・ホワイト、言わずと知れたアース・ウィンド・アンド・ファイアー(以下EW&F)のリーダー。また、フィリップ・ベイリーと共に同グループのリード・ヴォーカリストです。EW&Fは70年代を中心に大活躍したブラックミュージックのバンドで、TOP10ヒット7曲、うち1曲が1位に輝いています。
しかし、そんな記録以上に評価は高いと思います。何と言っても彼らのサウンドは唯一無二。本当に似ているアーティストがいないと言えるグループです。チャート上では最高位8位だった「September」、6位だった「Boogie Wonderland」、32位だった「Fantasy」などは1位になった「Shining Star」よりもスタンダード化していると感じます。モーリス・ホワイトは全てではありませんが、そのソングライターとして、同時に全てにプロデューサーとして名を連ねています。加えて、デニース・ウィリアムズ、エモーションズなどをバックアップし成功に導くなど功績は大きく、ポップミュージックにおけるレジェンドの一人です。
「September」 EW&F
「Boogie Wonderland」 EW&F
「Fantasy」 EW&F
「Shining Star」 EW&F
そんな彼が遂にソロアルバム「モーリス・ホワイト」を発表したのが1985年です。
1983年にEW&Fの活動休止を発表。盟友フィリップ・ベイリーがソロのセカンドアルバムを出したのが1984年です。ベイリーは当時人気絶頂だったフィル・コリンズをプロデューサーに迎え、彼とのデュエット「Easy Lover」が全米2位の大ヒットになりました。
そんな流れから、モーリス・ホワイトがソロアルバムと言うのも当然の事だったでしょう。そのアルバムからのセカンドシングルが本日のテーマ「I Need You」です。これが実に美しいバラッドで、モーリス・ホワイトの歌は絶品です。60年代、70年代の数々のスタンダードに匹敵する程の名曲と捉えています。
しかし、不思議なことに大きなヒットとはなりませんでした。アダルト・コンテンポラリーチャートで最高位20位、ホット・ソウルチャートで30位、ナショナルチャートではランクインしませんでした。アルバム自体もヒットとは言い難い成績でした。
このアルバムからのファーストシングルはあの「Stand By Me」のカバーです。これもナショナルチャートでのランクインがありませんでした。この「Stand By Me」のカバーが微妙なんです。サウンドがデジタルと言うかシンセと言うか、つまり、演奏が生音ではないのです。これはアルバム全体通してそういう傾向にあるので、モーリス・ホワイトの方針がそうだったと考えていいでしょう。
「Stand By Me」 モーリス・ホワイト
このアレンジが必ずしも手放しに喜べるものではありません。私個人的には「Stand By Me」は評価しませんね、特にサビのコーラスとかは名曲を台無しににしているようにさえ感じます。いや、好きな方には申し訳ないですが。そして、アルバム全体がどうも的外れなアレンジに終始しているように思えて仕方ないのです。それは、モーリス・ホワイトの歌がEW&F時と変わっておらず、あの生のブラスとのマッチこそがベストとこちらが勝手に思ってしまうからかも知れません。デジタルなサウンドとソウルクラシカルな彼の歌にギャップを感じてしまうという事です。
ただ、その中で最も違和感が無いのが「I Need You」でしょう。この曲ももちろん、デジタルな音を駆使していますが、色気のあるバラッドですから、いわゆるアダルト・コンテンポラリー、日本的にはAORとして成立していると感じます。その上、不思議なのは発表から40年経って聴くと、アルバムとしても意外と的外れなどではないと感じるようになって来ます。当時は斬新だったと好意的に受け取りましょう。
そうした方向性も大きな原因の一つとなって、結果的にこのアルバムはそれほど成功したとは言えないでしょう。何しろ、モーリス・ホワイトはEW&Fのリーダーですから、もっと大きなセールスを目論んでいたはず。また、フィリップ・ベイリーと比べても、商業的には満足の行くものでは無かったと思います。
だからかどうかは分かりませんが、このアルバムが彼の唯一のソロアルバムとなります。この後彼のソロ活動はプロデューサーに絞られていきます。一枚ソロアルバムを出してもう懲りたなんて事は無いでしょうが、元々、彼はプロデュースの方が好きだったのだと感じます。EW&Fも結局は彼のバンドでしたし、常にプロデューサーの立場でした。また、彼は70年代から上述のようにデニース・ウィリアムズやエモーションズのプロデューサーとして名を馳せました。天職はそちらと思っても不思議はありません。
彼は誰かのプロデュースをする時にはそれほど冒険をしません。バーブラ・ストライサンドと組んだ時もそうでした。エモーションズの「The Best Of My Love」なんて見事でした。
「The Best Of My Love」 エモーションズ
だからこそ、彼の唯一のソロアルバムは彼の明確な意思に基づいたものと強く感じます。申し訳ないが、私には早過ぎたし、ついていけませんでした。その中で、唯一の接点がこの「I Need You」という事になります。大変、貴重なモーリス・ホワイトの冒険です、生涯唯一の。
それでは、また。
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