ムー大陸です
私のお気に入りの歌謡曲を紹介するビバ!歌謡曲のコーナーです。
今回は、
「自動車ショー歌」
です。
小林旭氏の1964年のヒット曲です。
これはかなり特異な歌です。ダジャレ歌とでも呼ぶのでしょうか、タイトルからも推察出来ますように自動車のメーカー、車種の名前を歌詞に盛り込み、もちろん別の意味で成立させるというものです。
「自動車ショー歌」の約半年前に同じく小林氏の歌で「恋の山手線」が発表されます。こちらは山手線の駅名を歌詞に盛り込んだダジャレ歌です。柳亭痴楽氏の落語をベースに作られたもので、作詞は演芸評論家の方が本職と言える小島貞ニ氏でした。
「恋の山手線」
これに手応えを感じたのでしょうか、ダジャレ歌というスタイルを更に掘ってみようと試みたのが本作だと考えています。私の個人的な印象では「恋の山手線」は結構綺麗にダジャレが成立し、意味も問題なく理解出来ますが、「自動車ショー歌」はかなり冒険をしています。単純に駅名より自動車の名前の方が外国語ですし、ダジャレ自体が難しいと感じます。加えて、「自動車ショー歌」はかなり艶笑、つまりエロ話に片寄っているので、分かりにくくなっていると思います。
一応、ここで取り上げる以上は、ムー大陸的な解釈で、訳してみようと思います。太字のところがメーカーや車名の部分です、つまり、ダジャレの部分です。ただし、それらがどんな車かは今回のテーマではないので、他の方のブログなど参考にして下さい。
まず1番から
(歌詞)
彼女をモノにしたくて(ペットにしたくて)
毎日通うのは(日参するのは)バカだけど
骨の髄までしゃぶられて
後で肘鉄喰らうのさ
だが飲むのは程々にね
ここらで止めてもいい頃だぞ
基本的にこの歌は年長者から若者への説教です。その中に若者の遊ぶ姿を表しています。なので、本人の反省ではない、少なくとも「ジャガジャガ」の後は、と解釈しています。「ジャガジャガ」を「ジャンジャカ飲むのは」とは考えずに、「だけど、そろそろ考えろ」というニュアンスで捉えました。
1番はさしずめ女目当てでクラブ通いをする若者をたしなめているというもの。
2番
(歌詞)
ビュックリするほど タウナスで
おまけに心臓が デボネアで
おやマアキュリーな 人だこと
てなてなおだてにすぐ ルノー
オペルオペルはもう お止し
あんまりコルトじゃ 身がもたぬ
(訳)
ビックリするほどタフネスで
おまけに度胸もあって(心臓がでっかくて)
おや、まあ、素敵な人だこと(キュートな)
なんておだてにすぐ乗って
風俗通いはもうおよし
あんまりトルコばかりじゃ身が持たないぞ
2番も説教です、少なくとも後半2行は。コルトはトルコ風呂、現在のソープランドと考えます。そこから逆算すると、「オペルオペル」は風俗のサービスだと解釈する向きがあるようです。おスペッシャル、略してオスペ、オペルはそのダジャレとも言われています。そこはオスペには限らず、触ったり、舐めたり(例えばペロペロ)という行為を想像し易い言葉を置いて、更に2度繰り返したと考えます。ダジャレ+響きで当てはめました。そこは風俗通い全般と考えます。つまり、1番はクラブ通い、2番は風俗通いをたしなめている内容です。
「デボネアで」は「でっかくて」くらいでしょうが、この歌詞の中で最も下手なダジャレです。と言うかダジャレになってないです。
3番
(歌詞)
あなたは私の ブルバード
ミンクス買うよの 約束を
キャロルと忘れて ダットサン
こんど逢ったら コンテッサ
とっちめちゃおうと マツダけど
逢えばやっぱり オースチン
あなたは私の幸せの青い鳥(ブルーバード)
毛皮(ミンク)を買うという約束を
コロっと(キャロルと)忘れて
遊びまくっている(脱兎さん=逃げている)
今度逢ったら、こん畜生め(コンテッサ)
とっちめってやると待つけれど
会えばやっぱりベッドイン
この3番がちょっと不自然です。1、2、4番は上述の如く年長者からの説教ですが、ここだけ目線が女性になります。内容としては男に惚れている女が、口では上手いこと言って遊び歩いている男、つまり、1番でクラブ、2番で風俗に通う男を待っていると考えます。怒っているんだけど、惚れた弱みでしょうか、「逢えばやっぱりオースチン」なのです。この「オースチン」を「おー好きだ」と考えると、ダジャレとしては問題ないと思います。一方で、「お◯んちん」と考える人も少なからずいるようです。女性目線でいきなり「お◯んちん」は考えにくいですね。ただ一聴して、オースチンの響きには「やっぱり好き」ではなく「やっぱりやる」というニュアンスを入れたと考えています。「オペルオペル」と一緒です。ダジャレ+響きによるニュアンスです。なので、訳としてはベッドインあたりが妥当かと。
「コンテッサ」はコテンパンもありでしょうが、いずれにせよ、上手くないダジャレです。
4番
(歌詞)
ベンツにグロリア 寝ころんで
ベレットするなよヒルマンから
それでは試験に クライスラー
鐘がなるなる リンカーンと
ワーゲンうちだよ 色恋を
忘れて勉強 セドリック
ベンチにゴロリと寝転んで
デレッとするなよ昼間から
それでは試験に暗いでしょう
始業の鐘が鳴るよキンコンカンと
若いうちだよ色恋を
忘れて勉強せいよ
4番はまとめの説教です。
自分に惚れている女には適当な事を言って、遊び回っている。クラブの女に熱を上げて毎日のように通っている。上手くおだてられ風俗にも通っている、このろくでなしは学生のようです。恐らくは大学生でしょう。4番でこれをコミカルに仕上げ、艶笑ソングとしてきっちり成立させました。
作詞は星野哲郎氏です。「男はつらいよ」「函館の人」などヒット曲多数の巨匠です。作曲は叶弦大氏。こちらも演歌の巨匠です。このコンビが後に小林氏に「昔の名前で出ています」を書きます。
小林氏はこの歌の後にも「恋の世界旅行」なるダジャレ歌を出します。
「恋の世界旅行」
ダジャレ歌って作詞家の先生だったら割と思いつくものなのでしょうか。秋元康氏はブランド名でダジャレ歌を作る企画があったと言っていました。星野哲郎氏は「自動車ショー歌」のメロディで後に「自転車ショー歌」というダジャレ歌を書きました。まぁ、「自転車ショー歌」は私未だ理解出来ない部分がある難しいダジャレでしたが。
「自転車ショー歌」 忌野清志郎
作詞家の側より難しいのはむしろ歌手ではないかと感じています。否応なくコミックソングになりますから。小林旭氏はこれを難なく歌いこなします。「ズンドコ節」を取り上げた時、言いました、彼はその歌唱力などでは測れない魅力に溢れた歌手です。何回もダジャレ歌を歌ったのは彼だけです。演歌からコミックソングまで何でもアキラ節にしてしまいます。国宝です。中でも「自動車ショー歌」は他には無い一曲です、是非楽しんで下さい。
それでは、また。
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「騒乱節」
「頑張ってって言わないで」
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