ムー大陸です
私のお気に入りアニソンを紹介していくアニソン魂のコーナーです。今回は、
「元祖天才バカボンの春」
です。
これはタイトルからも分かりますように、アニメ「元祖天才バカボン」のエンディングテーマです。
「天才バカボン」は赤塚不二夫氏の国民的大人気ギャグ漫画です。1967年に開始以降10年以上に渡って連載された赤塚氏の代表作とも言える
作品です。人気作品だけに過去5回アニメ化されていますが、「元祖天才バカボン」は1975年の2回目のアニメ化作品です。実はこれより4年前に初めてアニメ化されています。それがアニメ「天才バカボン」です。ただ、このアニメは、原作者・赤塚氏にとって決して満足のいくものではありませんでした。
「天才バカボン」という漫画は革新的なギャグ漫画で、その内容は必ずしもテレビ放送に適したものとは言い難いのです。エロは無いにしても、グロ、ナンセンスは当たり前。暴力表現、残酷表現、差別なども含まれています。その他アニメでは表現出来ない漫画としての実験や、起承転結を全く考えない展開など、当時でさえ、原作そのままで放送するのは憚られたでしょう。
結果として、初のアニメ化作品「天才バカボン」はその内容や設定を大幅に修正した上で制作、放送される事となりました。赤塚氏がそれを快く思うはずはなく、2回目のアニメ化、すなわち「元祖天才バカボン」の時には、かなりアニメ化には消極的だったと聞きます。
「元祖天才バカボン」は原作に沿った形でアニメ化することを赤塚氏に約束の上で実現した作品で、それを象徴する言葉として「元祖」が使われたのです。放送局の系列もアニメ制作会社も前作と同じですから、制作サイドとしても雪辱戦の意味合いがあったかも知れません。
さて、そのようにして開始した「元祖天才バカボン」のオープニングテーマは「タリラリランのコニャニャチワ」です。
一方、エンディングテーマは「パパはやっぱり素晴らしい」という歌でした。どちらも作曲は渡辺岳夫先生。巨匠です。作詞は東京ムービー企画部、つまり、自前です。当時のアニメにはよくある話で、予算の都合でしょうか。
実は、この作曲作詞のコンビは前作「天才バカボン」と同じです。上述のように雪辱戦ですから、同じなのも頷けます。
「タリラリランのコニャニャチワ」は傑作です。パパのキラーフレーズ「これでいいのだ」をサビに持って来る王道展開で、主題歌然とした風格が生まれています。一方、エンディングはオープニングに比べ、どういうアプローチにするかの自由度は高く、「パパはやっぱり素晴らしい」ではほのぼの路線を取りました。注目はされませんでしたが、エンディングですから特に目立つ必要もなく普通に受け止められていました。
ところが、10回目から突如そのエンディングテーマが変わります。それが今日のテーマ「元祖天才バカボンの春」です。こちらは作詞が赤塚不二夫氏です。経緯は全く分かりませんが、「元祖天才バカボン」が開始して何回か放送があり、赤塚氏から合格点をもらい、赤塚氏から詞の提供を受けるに至ったと考えています。つまり、これは「元祖天才バカボン」に対する赤塚氏のお墨付きであり、制作サイドは雪辱戦に見事勝利したのです。なんて私の勝手な想像です。
その「元祖天才バカボンの春」は想像を超えた名曲です。赤塚氏の詞は一体何でしょう。原作者ですから何でもありとは言え、凄すぎます。
およそバカボンとは思えないロマンティックな歌い出し。「枯葉散る白いテラスの午後3時」って人を食った詞ですね。どういう顔して書いたんでしょう。その後も歯の浮くような台詞を並べて来ます。それ自体が痛烈なパロディです。そこから一気にサビには「41歳の春だから」の強烈なフレーズ。誰しも「ああ、パパは41歳なんだ」と思います。いや、これは赤塚氏にしか書けない詞。そもそもここにこんなロマンティックな詞を持ってくること自体が、破壊的ギャグを信条とする「天才バカボン」の世界観と合っています。
これは、当然、詞が先にあったのだと思います。そこに渡辺岳夫氏が曲をつけた。さすが巨匠ですね、赤塚氏の遊び心に全部付き合います。赤塚氏のロマンティックな詞に、ビリー・バンバンを思わせるような哀愁漂うフォーク調のメロディ、そこにパイプとストリングスでアレンジを施します。いやぁ、巧みです。サビでは一気にマーチになります。いわゆる軍歌風というやつです。この展開で「41歳の春だから」をキッチリ盛り上げます。最後はまたフォーク調に戻ってエンド。素晴らしい。
歌はこおろぎ'73です。以前、紹介した「ドカベン」のエンディングテーマ「ああ青春よいつまでも」を歌ったコーラスグループです。やさしい声で、この曲もわざとビリー・バンバンあたりに寄せて歌っているようにも思えます。実に面白いです。
思いもよらないアプローチでエンディングテーマを作る。これ自体が「天才バカボン」相応しいと思える名曲です。やはり原作者を作詞に迎えると違います。
それでは、また。
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