ムー大陸です
過去の名曲、今でも歌い継がれる名曲を当時のチャートアクションから紐解いていく「名曲たちの成績表」のコーナーです。今回は前回予告の通り、
「A Whiter Shade Of Pale(青い影)」
を取り上げます。
予告したように、
「あのオルガンソロのメロディに歌詞を付けるべきだったのでは?」
という観点で取り上げますが、
その前に曲についての基本的な部分とチャートアクションを見ていきましょう。
こちらもかなりの数のカバーが存在しますから、多くの方が何らかの形で聴いたことがあるでしょう。ユーミンのカバーで知った人も多いかも知れません。
元々はイギリスのロックバンド、プロコル・ハルムのデビュー曲です。1967年ですから奇しくも前回紹介した「Can't Take My Eyes Off You」と同じ年の発表です。私にとって「その曲の一番いいメロディに歌詞を付けない」代表曲の双璧は同じ年に生まれていました。
プロコル・ハルムはかなり特徴の強いバンドです。ベースには強固なブルース感覚を有しながら、キーボーディストの影響と思われるクラシックの要素が混ざり合いいい意味で奇妙な味わいを醸し出しています。後のプログレバンドの雰囲気を感じるでしょう。実際、このバンドがプログレロックに与えた影響は小さくないと思っています。そういう意味ではロック史に残る名バンドと言えるでしょう。
「A Whiter Shade Of Pale」についてもその特徴が出ています。印象的なオルガンはバロック音楽を感じさせますし、曲そのものがバッハの「G線上のアリア」をモチーフにしていることは明らかです。
「G線上のアリア」
とは言え、あのオルガンのフレーズは彼らのオリジナルで、あのフレーズのおかげでしょうか、世界的なヒットとなります。ビルボード全米チャートでも最高位5位まで上がっています。これほどの名曲ですから、1位もあり得たかも知れません。ただデビュー曲ですからネームヴァリューが無かったのでやむなしかと思います。
また、今回のテーマですが、最も印象的なフレーズが歌メロでないというところもヒット性という面から見れば、マイナスポイントだったと感じています。
前回も言いましたが、しがないボカロPとは言え作曲者の端くれとしてはその曲で一番いいメロディには歌詞を付けてプッシュしたくなるのです。ギターソロやイントロではなく歌メロにしたいのです。
「A Whiter Shade Of Pale」においてはあのオルガンソロの部分が最高のメロディであると多くの人が思うでしょう。元々歌メロはそれほど印象的ではありません。だとすれば、あのオルガンソロの部分に歌詞を付けて、そこをサビにすべきと考えるのが妥当です。本来の歌メロの「Turn A Whiter Shade Of Pale〜♩」のところから繋がってサビとして盛り上がる訳です。
だが実際にはそこはオルガンソロだし、そもそもイントロでもあります。いきなりあのオルガンフレーズから始まるのも実に唐突に感じるんです。もしあのフレーズが歌メロで、イントロ無しで歌として始まるのであればそれもありでしょう。しかし実際にはいきなりオルガンのあのフレーズで始まると、イントロではなく曲の頭からキーボードソロという構成に見えて不自然なのです。「G線上のアリア」に寄せているからかも知れません。
なので、個人的な思いとしては、
「イントロにあのオルガンフレーズは使わず、オルガンソロには歌詞を付けてサビにする」
となります。
前回「Can't Take My Eyes Off You 」については、ホーンの中間部に自分なら歌詞を付けてしまうと言いましたが、必ずしも歌詞を付けるべきとは思いません。ただ、「A Whiter Shade Of Pale」については歌詞ありでサビにすべきだったと考えています。反対の方が多数いる事は承知しています、個人的意見とお許し下さい。
もちろん、今更の話で、そこに歌詞を付けてカバーするなどと言う不届者はいませんから、そういうバージョンは存在しませんし、そんな事をする奴がいたら、私も許さないでしょう。
さて、そんな中で、私が最もオススメのカバーというか、私が思う構成に最も近いカバーがあります。それがHSASの盤です。
これは一時的なユニットです。Hはサミー・ヘイガー、Sはニール・ショーン、Aはケニー・アー・ロンソン、Sはマイケル・シュリーブ。一般的にはサミー・ヘイガーとニール・ショーンの共演と考えていいでしょう。
ライブ録音盤です。「炎の饗宴」のタイトルでアルバムが発売され、「A Whiter Shade Of Pale」はシングルカットもされています。ビルボードでは最高位94位まで上がりました。まぁ、ほぼヒットはしてないって感じです。
HSAS盤
聴いて頂くと分かると思います。
ほぼイントロ無しでいきなり歌が始まります。瞬間的なギターのイントロらしきものはありますが、いずれにしてもあのオルガンフレーズをイントロとして使ってはいません。そこが秀逸。サミー・ヘイガーが歌う歌メロはほぼ原曲通りです。やや原曲よりハードロック寄りかも知れませんが、そこは彼の色ですから許容範囲です。
そして、歌メロからソロへ移るのですが、そこをニール・ショーンがギターで弾きます。そうです、オルガンソロがギターソロになっているのです。イントロには同フレーズは弾いていないので、構成としてはギターソロでありながら、サビになっています。私としてはここに歌詞を付けてサビにするのを理想としていますが、今更歌詞を付けるのは無粋なので、ギターソロにして特別感を与えてこの最高のフレーズを際立たせているのです。素晴らしい手法でした。最も理想に近いのはこれかと考えています。
私はこのカバーを一番よく聴きます。オリジナルよりこちらをオススメします。
それでは、また。
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「死ぬまで生きてくんです」
「鬼火」