ムー大陸の音楽探検

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ビバ!歌謡曲23〜「狙いうち」

ムー大陸です

 

 

私がお気に入りの歌謡曲をオススメするビバ!歌謡曲のコーナーです。今では野球場のスタンダード、カバーも多いこの名曲、

 

狙いうち

 

です。

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元々は1973年の山本リンダ氏のヒット曲です。

山本リンダ氏の代表曲と言えば、「こまっちゃうナ」「どうにもとまらない」そして、今日のテーマ「狙いうち」でしょう。例えば、wikiで山本氏を調べるとそう書いてあります。

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「こまっちゃうナ」は山本氏のデビュー曲。これがヒットしました。山本氏はアメリカ人とのハーフで、その人形のようなルックスからデビュー当時はカワイイ系の正統派アイドルとして売り出しました。

しかし、デビュー曲はヒットしたものの、その後は売れませんでした。そこでイメージチェンジを図って、激しい振り付けを伴ったアクション歌謡に舵を切って、「どうにもとまらない」が大ヒット。方向転換が大成功し、人気復活というストーリーです。

ただ、「こまっちゃうナ」は1966年、「どうにもとまらない」は1972年の作品です。その間は6年もあります。もうアイドル歌手の賞味期限は切れていたことでしょう。

山本リンダ氏はデビュー2曲目以降色々なことを試して来ました。「こまっちゃうナ」を書いた遠藤実氏が主力として多くの曲を書いています。「ミニミニデート」は小ヒットになりました。万博のテーマソング「世界の国からこんにちは」も歌いました、クリスマスソングも歌いました、「チキチキバンバン」のような洋楽のカバーもやりました。筒美京平氏や三木たかし氏からも楽曲提供を受けました。それでも上手く行かず、引退寸前の崖っぷちに立たされていたのです。

そして、最後の一手は都倉俊一・阿久悠コンビに委ねられたのです。起死回生の一発が「どうにもとまらない」です。彼女最大のヒットとなり、一躍人気歌手へカムバック、同年の紅白歌合戦にも出場しました。

ですから、「こまっちゃうナ」「どうにもとまらない」が代表曲なのは分かります。デビューヒットと再ブレーク曲です。

 

その後、山本氏は「どうにもとまらない」の路線を走り続きます。発表した順番に「狂わせたいの」「じんじんさせて」「狙いうち」「燃えつきそう」「ぎらぎら燃えて」「きりきり舞い」と続きます。ただ、刺激が強いタイトルからも想像つくと思いますが、こういうものは飽きられるものです。オリコンチャートでいくと、「どうにもとまらない」は最高位3位でしたが、その次の「狂わせたいの」は6位、「じんじんさせて」は10位と落ちていき、「狙いうち」は最高位14位とTOP10を外しています。その年の年間ランキングで70位ですし、1973年の紅白歌合戦でこの歌を歌っていますから、ヒットではありますが、「こまっちゃうナ」や「どうにもとまらない」と並ぶような位置付けには無いはずなんです。

狂わせたいの

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「じんじんさせて」

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しかし、逆に、だからこそ、この曲は偉大なのです、名曲なのです。「狂わせたいの」や「じんじんさせて」はTOP10入りしていても、今では相当なファンだけが知っている曲になっています。でも「狙いうち」はそうならなかった。そこにこの曲の凄さがあると言えるでしょう。

 

実際、この曲の何が凄いのか?ズバリ、歌詞です。やはり、阿久悠氏は怪物です。都倉氏の曲を考えたら、「どうにもとまらない」の方が斬新で刺激的です。でも、歌詞は違います。「どうにもとまらない」は歌詞も素晴らしいですが、自由奔放な女性を描いたハードな現実路線です。派手なところだけは共通していますが、「狙いうち」は荒唐無稽なドラマの世界です。

 

<歌詞>

ウララ ウララ ウラウラで
ウララ ウララ ウラウラよ
ウララ ウララ ウラウラの
この世は私のためにある

見ててごらんこの私
今にのるわ玉のこし
みがきかけたこのからだ
そうなる値打ちがあるはずよ

弓をきりきり心臓めがけ
逃がさないパッと狙いうち

神がくれたこの美貌
無駄にしては罪になる
世界一の男だけ
この手にふれてもかまわない

 

ウララ ウララ ウラウラで
ウララ ウララ ウラウラよ
ウララ ウララ ウラウラの
この世は私のためにある

女ひとりとるために
いくさしてもいいじゃない
それで夢が買えるなら
お安いものだと思うでしょ

弓をきりきり心臓めがけ
逃がさないパッと狙いうち

世界中のぜいたくを
どれもこれも身にまとい
飾りたてた王宮で
かしずく男を見ていたい

 

 

どうですか?この歌詞。

隅から隅まで最高です。

そもそもこの歌詞は「私は美しいから、玉の輿に乗る」とそれだけの内容です。その玉の輿のお相手、いわゆる、お金持ちのターゲットがかなりの規格外です。何しろ、「世界一の男」ですし、「飾りたてた王宮」に住んでますし、「かしずく男」が周りにいるんです。これは王とか帝の類ですよね。玉の輿って単なる金持ち相手じゃないです。このブッ飛んだ歌詞、素晴らしいです。「あの鐘を鳴らすのはあなた」「時の過ぎゆくままに」を書いた男の作品とは思えません。その振り幅の大きさは驚きです。正に遊園地のアトラクション感覚です。これが後のピンクレディーの世界に繋がっているのは明らかです。

いや、それ以前に、「ウララ ウララ」って何でしょう?歌詞内容云々よりもいきなりこのフレーズをぶつけて来ます。意味分からないけど、頭にこびりつく。いや、堪りません。この印象的なフレーズがこの曲のサバイブに貢献したと感じています。タイトルは忘れても、「ほら、あのウララウララって歌何だっけ?」みたいな感じで。

その上、スタジオ盤では実際には「ウダダ」になってます。都倉氏の誤った歌唱指導によるものらしいですが、これも結果的にはインパクト増しています。後に「ウララ」に正式に歌詞が決まってからは、テレビ等では「ウララ」とハッキリ歌っていますが、それだとスマート過ぎます。歌詞はそうだとしても、歌い方としてはちょっと濁った方がいいと思います。都倉氏のフィーリングで間違いないでしょう。

私の中では山本リンダ氏の最高傑作は「狙いうち」です。「どうにもとまらない」も最高ですが、荒唐無稽なドラマに軍配です。

それでは、また。

 

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