ムー大陸です
私のお気に入りの洋楽をオススメする洋楽至上主義のコーナーです。今回は、
「Everything She Wants(恋のかけひき)」
です。
これはワム!の1985年のヒット曲です。
ワム!は80年代に人気を誇ったイギリス人デュオ。実際に活躍していたのは82年から86年の5年間、最初の2年間はイギリス国内での活躍にとどまっていましたし、86年はもう解散モードが明確でしたから、本当にワールドワイドに活躍したのは84年の後半から85年の約1年強です。もちろん、その後ジョージ・マイケルはソロでもヒットを出しますが、ワム!としての活動は実に「駆け抜けた」感が強いです。
私は彼らのポップなサウンドが好きです。同じ時期に世界を席巻した第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンのアーティスト、例えば、カルチャー・クラブやデュラン・デュランなどは同じポップであっても、やはりバンドですから、よりロック色が強い。まぁ、そこは好みが分かれるところでしょうが、ワム!はあまりロックの臭いがしないのです。かなり清々しくポップスと言いたくなるサウンド。実は意外とそういうのは珍しいです。なかなか得難い存在です。また、彼らのそうしたサウンド、加えてアイドル的なルックスの一方で、歌唱力はかなりの本格派。そこら辺のギャップには驚きを隠せません。ジョージ・マイケルはアレサ・フランクリンともしっかりデュエットしてましたから、相当な実力です。
その親しみやすいサウンド故か、彼らは短い活動期間の中でもヒット曲が多い。ビルボード誌では1位獲得が3曲、TOP 10ヒットは8曲です。本日のテーマ「Everything She Wants」は彼らの3曲目の、つまり最後のナンバー1ヒットです。
私は彼らのディスコグラフィの中でこの曲が最も好きなんです。例えば、「Wake Me Up Before You Go-Go」「Careless Whisper」「Freedom」「Last Christmas」と言った一連のヒット曲、今ではスタンダード化した名曲よりもこの曲を推します。
「Wake Me Up Before You Go-Go」
「Careless Whisper」
「Freedom」
何故か?と問われると、これが不思議なことによく分からないのです、自分でも。
上述の如く、この曲は全米1位に輝いているんです。何故か?いや、これも理解出来ません。
それ以前にアルバム「Make It Big」から「Wake Me Up Before You Go-Go」「Careless Whisper」に次ぐ第3弾シングルは何故この曲だったのでしょう?
このタイミングで「Freedom」をシングルカットしたら、1位になってた気がするんですよ。随分と時期を外した第4弾シングルカットでも3位まで行きましたから。
とにかく不思議な曲なんです。
まず、この曲、歌詞が暗い。「Everything She Wants」は「彼女は何でも欲しがる」という内容です。「彼女と結婚したけど、彼女が何でも欲しがるので、僕は必死で働いて金を稼がないといけない」「でも、もう限界だ、誰か助けて!」みたいな話です。もう、夢も希望もありません。私もこの歌詞がいいと思いません。って言うか、どういう意図でこの歌詞なのか想像つかないです。
曲の方はワム!お得意のポップではないのです。メロディが際立って美しいとか、フックがあるって訳じゃありません。ワム!のヒット曲ってどれもキャッチーです。それらに比べると、ワム!色が薄く、ヒット性に乏しいように感じます。何よりも地味です。とは言え、ヒットしたんですけどね。
その上、この曲長いんです。アルバム収録バージョンは適度な長さなんですが、シングルとしてMVが制作されたのはリミックスバージョンで、これが6分以上の大作なんです。中間部分の大サビがこれでもかと加えられています。80年代当時、流行っていたんですよね、そういう長いリミックス。
確かに、ワム!の人気絶頂期のシングルでしたから、どんな曲でもある程度は売れたでしょう。ただ、全米チャート1位ってそう簡単じゃありません。やはり、曲自体に魅力が無いと。
それでは、一体、この曲の魅力は何なのか?何故、私はこの曲が好きなのか?あらためて考えてみました。
この曲の魅力、それはたった一つ、ベースラインです。
「ボン ボン ボン ボボ ボボンボン♩ Somebody Tell Me (Won't You Tell Me)」のところのベース、いいですね、最高。その部分以外もベースのフレーズはどこも素晴らしいです。
あの印象的なベースがあるので、その前のアンドリュー・リッジリーのコーラスも実に魅力的に思えます。ベースとコーラスが上手く絡み合っていい感じに仕上がっています。ドラムの打ち込みの音とも良く合っています。イントロにパーカッションの音が出て来ますが、あれもベースと相性バッチリです。不思議とここまでベースとドラム、コーラスが合っていると、キャッチーでないと思っていたメインボーカルのメロまで素敵に思えて来ます。曲の長さはアルバムバージョンの方が短くて適度な長さの筈が、あの中間部分が無いと寂しくなってしまうのです。このブログでも書きましたが、私、長い曲苦手なんですけど。
何やら、個別に見ていくと、私が好きな要素は殆ど無いように思えるのです。ところが、このベース一つで全てが素晴らしく思えるから実に不思議です。不思議ついでにもう一つ、ワム!のディスコグラフィを見渡しても、こういう曲は他に無いんです。大体、アーティストって得意なヒットパターンみたいの持っています。例えば、ワム!の一つのパターンは「Careless Whisper」でやったムード歌謡的なバラッド。「Where Did Your Heart Go ?」で踏襲されています。多くのアーティストのヒット曲は3つ4つのパターンに分類出来ると思うのですが、この曲はどこにも属さず浮いている感じがするのです。いや、後年のジョージ・マイケルのソロまで併せても同様に感じます。そこも不思議ですね。
なので、ワム!を聴くのであれば、「Everything She Wants」に注目です。
最初は「Wake Me Up Before You Go-Go」や「Careless Whisper」の方がいいなんて思うかも知れません。「Last Christmas」の方が耳馴染みかも知れません。でも、じっくり聴いていく内に、ワム!の最高傑作は「Everything She Wants」になる、と私は信じています。
それでは、また。
ランキング参加始めました。ワンクリックよろしくお願いします。
私のYouTubeもチャンネルもよろしくお願いします。
「旅立ち」
「葬送無用」
「飛べ! ワタシ 飛べ!」