ムー大陸です
私のお気に入りの洋楽を紹介する洋楽至上主義のコーナーです。
今回は、
「Heart Of Glass」
を取り上げます。
1979年に世界的大ヒット、全米でも1位になったブロンディの出世作です。ブロンディは妖艶な美女デボラ・ハリーをボーカルに擁するニュー・ウェイブロックバンドです。
私はブロンディ大好きです。この頃のアメリカのパンク、ニュー・ウェイブ系バンドでここまで成功したバンドは他にいないでしょう。サウンドも含めて歴史に残るバンドだと思っています。ただ、ロック名バンドベストとかのランキングでは常連という訳でもないです。割とそこまでの評価がされていないのが悔しいところです。個人的には名バンドベスト20には入れないけど、ベスト30なら入れるってところかな。
1982年に解散したので、その活動期間は約5年程度でしたが、その間に数多くのヒットを飛ばしました。全米1位を獲得だけでも4曲あります。この「Heart Of Glass」以外に「Call Me」「Tide Is High(夢見るNo.1)」「Rapture」です。
彼らの最大のヒットは映画「アメリカン・ジゴロ」の主題歌「Call Me」でしょう。1980年の年間1位ですし、カッコいい曲なんですが、KISSの「I Was Made For Lovin' You」に似過ぎているように感じます。同曲のサビが「Call Me」のAメロになっています。
「Call Me」
「I Was Made For Lovin` You」 Kiss
「Tide Is High」は最高です。彼らの最高傑作だと思っています。いきなりレゲエなのは驚きました。ただ、あれはパラゴンズのカバーです。元々曲がカッコいいんです。もちろん、ブロンディの方がいいと思いますけど。
「Tide Is High」 Blondie
「Tide Is High」 The Paragons
「Rapture」はいち早くラップまで取り入れてますが、そのラップがあまりイケてないと思うので、結局、「Heart Of Glass」を持って来ました。
いや、しかし、この「Heart Of Glass」は最高です。冒頭のデボラ・ハリーの声、素敵過ぎます。あれ裏声なのか表声なのか微妙です、ひょっとして半裏?ライブだと完全に表ですけど、スタジオバージョンは裏にも聴こえるある種の弱々しさがあって良いです。中間部の男性コーラスとの声の混ざり具合もたまりませんね。
しかし、それよりも何よりもブロンディはバンドの演奏がセンス良いんです。ベース、ギターのリフ、カッコいいよ。この曲の核になるのはギターのリフとデボラの声でしょう。でも、最高なのがドラム。随所に光るものがあるのですが、とにかくフィルインが素晴らしい。
「Heart Of Glass」は「ガラスのハート」の意味です。「恋はガラスのハートなの」という他愛もないラブソングですが、恋の不確かさや脆さを歌う歌詞とデボラの上述の弱々しさのある声が実にマッチしています。絶品です。
実はこの曲、アルバム「Parallel Lines(恋の平行線)」に収録のものとシングルはバージョンが違います。優れているのはアルバムバージョン。曲の終わりが秀逸です。リフを繰り返しながら一回毎にドラムがフィルインを変えていきます。そして、フェイドアウト。シングルバージョンはキーボードを聴きながらフェイドアウトなので、あのフィルインを聴けません。ここは私的には大きな減点です。
上述の1位獲得曲4曲でも分かる通り、ブロンディというバンドはかなり進取の精神に溢れています。レゲエやラップを何の脈絡も無く取り入れ、それをいきなりぶつけて来るセンスは評価高いです。そうそう、彼らのヴィジュアル、デボラが白のドレス、他のメンバーは黒のスーツというコントラストも良いです。
彼らは1997年に再結成し、その後は活動を続けています。1999年には「Maria」という曲を全英1位にしています。ただ、再結成後の彼らはあまり好きじゃないです。
「Maria」も全盛期からは程遠い出来と感じました。やはり、デボラの声の衰えを隠せないと強く思いました。特に裏声っぽい弱々しい声は使えなくなりました。ですから、ライブなどでは、「Heart Of Glass」がしっかり再現出来ません。ちょっと歌が力強過ぎなんですよね。なので、彼らは80年代が旬。そこだけを聴いておきましょう。
「Heart Of Glass」は名曲だけあって、いくつもカバーがあります。どれもオリジナルには遠く及びません。今をときめくマイリー・サイラスもライブ盤にこの曲を収録しています。一聴の価値はありますが、ちょっと歌声が力強過ぎなんですよ。やはり、弱々しい裏っぽい声から入って欲しいのですが、そういうカバーは意外と少ないです。デボラ本人でさえライブではそうなりがちですから、難しいかもしれませんが。
「Heart Of Glass」 Miley Cyrus
日本人に注目するとしたら、木村カエラ氏と桃姫バンドのカバーでしょうか。木村氏のもちょっと力強いです。その一方で歌がぎこちなく、まだ歌いこなせていない感じがします。
「heart Of Glass」 木村カエラ
「heart Of Glass」 桃姫Band
桃姫バンドの桃姫とは尾崎亜美氏です。彼女の覆面バンドがこの曲をやっています。CMにも使われました。日本語でのカバーで、正直、その時点で疑わしい企画ですが、意外と日本語歌詞はまともです。ただ、それ以外のところは絶望的に酷いと感じます。罪を犯していると言いたいくらいです。好きな人にはごめんなさい。怖いもの見たさの人は一度聴いてみては。
やっぱりオリジナル、それもスタジオバージョンだけを楽しむ。これに限るかな。
それでは、また。
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「葬送無用」
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