ムー大陸の音楽探検

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ビバ!歌謡曲20〜「柳ヶ瀬ブルース」

ムー大陸です

 

 

私のオススメする歌謡曲をピックアップし、紹介していくビバ!歌謡曲です。20回目となる今回は、

 

「柳ヶ瀬ブルース」

 

です。

 

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これは1966年の美川憲一氏のヒット曲です。

彼を一躍スターダムへ押し上げた出世作で、同時に中部の繁華街柳ヶ瀬を全国的に知らしめたご当地ソングの元祖でもあります。

美川氏は今ではヒットを飛ばすような歌手ではないものの、芸能人としての知名度はなお高く、この曲も耳にした事がある方は多いかも知れません。名曲中の名曲です。是非しっかり聴いて貰いたいのですが、演歌歌手の場合、「全曲集」と名付けられたベスト盤がいくつも出ていて分かりにくいのです。そこら辺も含めて話を進めていきます。

 

元々、この歌は作詞・作曲をした宇佐秀雄氏が、自身の地元である柳ヶ瀬で、自ら流しとして歌っていたものです。それに目をつけたレコード会社関係者が美川氏のためこの曲を用意したのです。美川氏はもう少しアイドル寄りの路線を狙っていましたが、今一つ芽が出ず、方向転換を迫られていました。一気にムード歌謡路線に舵を切ったのです。

 

これは英断でした。美川氏の声は中々珍しく、低音に魅力がありますから、明るい青春歌謡より、暗い歌でこそ本領が発揮されると思います。この歌の出だし「雨の降る夜は」の「あ」の音から引きずり込まれるでしょう。これほどこの歌にマッチする声があるでしょうか。

歌詞は正直ありきたりな演歌です。男に捨てられた女が酒場で泣いているだけです。素晴らしいのは曲の方です。Aメロ→Bメロ、そこから最後のサビ、どれもいいメロディを使っていて、自身で歌うために全部注ぎ込んだ感があります。流しの弾き語りでは無理なので、サックスのイントロは後日アレンジされたんでしょうか。あのイントロ最高です。

結果、彼の方向転換は大成功し、この後もヒットを重ね、一流歌手に名を連ねます。

 

さて、アップルミュージックで「柳ヶ瀬ブルース」を検索すると、美川氏のものを含めていくつかの結果が出て来ます。まぁ、カバーはあまりオススメしません、美川氏の声以外は必要ないでしょう。

ただ、その美川氏のものに限っても、「全曲集」という名前のベスト盤が3種類あるのです。その内「全曲集〜別れてあげる・さそり座の女」に収録されているものだけがヒットした当時のオリジナル盤です。新録音と書いてありますが、多分、それはリマスターのような意味だと思います。それ以外は再録音バージョンとなります。せっかくですから、オリジナル盤から始めることをオススメします。

 

アップルミュージック以外やCDなどで聴くならば、曲の長さに注目して下さい。オリジナル盤は3分32秒です。再録音は3分55秒ありますから、短い方を選んで聴いて下さい。

 

まず、何故そんなに全曲集がいくつもあるのかというところですが、大体、全曲集には2025年とか年が付きます。つまり、これは2025年の全曲集だよってことです。いや、そんなにベスト盤出してどうするのって思いますが、それが恒例です。美川氏ほどの歌手なら、1年に1枚くらい新曲を出せなくはありません、かなり難しいけど。そうした新曲を加えた全曲集を出して更新するのです。本来なら新曲を含むニューアルバムを出すところですが、演歌歌手の新曲ばかりのフルアルバムはコストと売上を勘案すると困難でしょうし、そういうクリエイティヴィティもないでしょうから、新曲+往年のヒット曲のベスト盤に落ち着く訳です。

 

でも、新曲はヒットしてませんから、毎回それでは買ってくれません。そんな時ヒット曲の再録音を行って、購買意欲を刺激したりします。ヒット曲が多ければ、何回もその手が使えます。上述の「全曲集〜別れてあげる・さそり座の女」では「柳ヶ瀬ブルース」はオリジナル盤ですが、「さそり座の女」が再録音だと思います。

 

ただ、再録音をするのは商売上の理由ばかりではないと考えています。恐らく、歌手本人も結構やる気なのではないかと感じるからです。少なくとも、この「柳ヶ瀬ブルース」に関しては、美川氏の意気込みを強く感じます。

つまり、「柳ヶ瀬ブルース」は彼にとってデビュー3作目、ムード歌謡路線の1曲目、歌手として未熟な面も多く、成長した今聴くと修正したいところも散見されるでしょう。実際、聴いてみると、例えば、「心も濡れる〜」のところなんか上手くこぶしを回せておらず不安定です。

多分、本人だったら無数に気になる点がある事でしょう。今の成長した歌唱力で往年のヒット曲を歌い直し、満足のいくバージョンを残したい、そう思っても不思議ではありません。

再録音バージョン

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だとすると、再録音バージョンの方が上手くて良いのではと思うかも知れません。でも、違います。これが音楽の不思議です。ヒットしたバージョンには独特の熱があります、勢いがあります。技術的には未熟で上手く歌えていない部分があっても、若さがあり魅力に溢れています。

逆に再録音バージョンでは、あそこをこう歌おうという計算が見え隠れするのです。上述のように20秒程新録音バージョンは長くなっています。構成は同じなのに長いのは、単にテンポが遅くなっているからです。その方がこぶしを回しやすく、じっくり歌いこなせるからでしょう。美川氏は元々こぶし回すのが上手い訳ではないので、そういう選択をしたのかも知れません。確かにしっかりこぶしを回していますし、歌い込んでいます。ただ、むしろ、しつこい感じがしてしまい、勢いは確実に落ちていると思います。例えば、サビの「あ~ああ 柳ヶ瀬の」の「柳ヶ瀬」の前にほんの少し間を取っています。これは彼なりの新たな工夫なのでしょうが、不必要に思えます。

なので、オリジナル盤をまず聴いて下さい。

その後聴き比べるのも一興かと。

それでは、また。

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新曲公開しました。是非聴いて下さい!

 

「葬送無用」

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「飛べ! ワタシ 飛べ!」

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「カラキリクルコロ」

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