ムー大陸です
私がオススメするアニソンを紹介するアニソン魂のコーナーです。今回は、
「ヤマトより愛をこめて」
です。
これは映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のエンディングテーマです。オープニングテーマ無いから、事実上主題歌ですね。
この映画は「宇宙戦艦ヤマト」の人気が頂点だった1978年に公開されました。同作品は、オリジナルのTVシリーズ放送開始時にはそれほど大きな話題にもならず、視聴率も低迷しました。しかし、再放送をきっかけに人気が高まり、1977年にはTVシリーズを編集した劇場用映画が作られます。正直酷いツギハギ映画でしたが、約10億の配収を上げ思わぬ大ヒットとなりました。
そこで制作されたのが、完全オリジナルストーリーの「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」です。TVシリーズの続編の位置付けです。TVシリーズの最終回から1年が経過し、滅亡寸前だった地球は目覚ましい復興を遂げます。そこに巨大な白色彗星が現れ、地球の新たな脅威となります。メインキャラの多くが死ぬという衝撃的な結末で、事実上この映画でシリーズは完結しました。
そのような内容だった事もあり、当時のアニメ映画としては異例の21億という配収を叩き出し、堂々その年の配収ランキング5位の成績を収めます。上にいるのは「スターウォーズ」「未知との遭遇」「007 私の愛したスパイ」、邦画では「野生の証明」です。どれも大きなブームになった作品です。本作も同様でした。
経済効果も大きくアニメの枠を超えて、そのブームは大人を含む一般層まで巻き込みました。その様子はニュースなどでも取り上げられ、アニメの地位が著しく変化した瞬間と言っていいでしょう。
その人気を裏付けるように、映画の主題歌については当時人気絶頂だった沢田研二氏に白羽の矢が立ちました。今では考えにくいことですが、アニソンは一段低く見られていました。子供向けと侮られていました。従って、アニソン歌手は歌謡曲の歌手より下と考えられ、歌謡曲で成功出来なかったからアニソンを歌っていると思われていました。逆に歌謡曲の歌手がアニソンを歌うという事は落ちぶれたことを意味していました。
今やどんなアーティストにとってもアニメの主題歌は重要なタイアップ先でしょう。恥に感じるなんてアーティスト皆無だと思います。その第一歩はこの「ヤマトより愛をこめて」だと思います。
沢田研二氏は当時本当にトップ・オブ・トップスのシンガーでした。映画公開の前年1977年に「勝手にしやがれ」でレコード大賞を受賞、歌謡界の頂点を極め、その後も「憎みきれないろくでなし」「サムライ」「ダーリング」とヒットを続けていて、最も話題性のある歌手だったでしょう。
「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を作詞した阿久悠氏が沢田氏の主力作詞家だった縁でしょうか、映画制作側に十分な予算があったからでしょうか、あるいは「宇宙戦艦ヤマト」の人気を考慮してか、まぁ、その全てでしょうが、沢田氏は主題歌を引き受けました。
ただ、上述の如くアニソンの地位は低かった。沢田氏側の中にもそういう意識はあったと思います。シングル「サムライ」から「ダーリング」は4ヶ月。これが通常のシングル発売ペースなんです。しかし、「ヤマトより愛をこめて」は「ダーリング」から3ヶ月、その1ヶ月後に「LOVE 抱きしめたい」が発売になりました。つまり、通常のローテーション外にはめ込まれており、あくまで特別なんだという意識が見え隠れします。
また、沢田氏は当時人気だった歌番組「ザ・ベストテン」出演時、「ヤマトより愛をこめて」がランクを下げた際、「いいです、もうすぐ強力な曲が来ますから」といったニュアンスの発言をしています。単なる負け惜しみで他意はないかも知れませんが、多少、本来のシングルは次に来る「LOVE 抱きしめたい」であるという思いを感じます。それは考え過ぎかな?
しかし、その時沢田氏は気付いていなかったとしても、彼が「ヤマトより愛をこめて」を歌ったことは大きな歴史の一歩となります。誰も落ちぶれたなんて思いません、本当に旬の一流歌手がアニソンを歌う、こんな事が起きたのです。翌1979年には、同じ松本零士氏関連の「銀河鉄道999」の劇場版ではやはり当時人気だったゴダイゴが主題歌を歌い大ヒットしました。道が出来始めたのです。
沢田氏は2008年に還暦を記念した二大ドームコンサートを開催しました。その模様は6枚組ライブ・アルバム「人間60年・ジュリー祭り」で聴くことが出来ます。そのセットリストには私少々驚きました。Disc6、つまり、コンサートの終盤、レコ大曲「勝手にしやがれ」に続き、名曲「恋は邪魔もの」、最強B面「あなたに今夜はワインをふりかけ」、沢田氏最大のヒット「時の過ぎゆくままに」と来て、ここで「ヤマトより愛をこめて」です。ライブ盤だけだと、どこからアンコールとか明確ではありませんが、最後の畳みかけに「ヤマトより愛をこめて」を持って来ます。その次の曲が近田春夫氏のカバーで有名な「気になるお前」です、その後は新しめの曲を続けますから、全盛期のシングル曲ではトリを務めた事になります。
これは沢田氏の意識の変化ではないでしょうか。30年の間にアニメの、アニソンの地位は向上し、「宇宙戦艦ヤマト」のシリーズは名作として語り継がれて来ました。振り返ってみると、「ヤマトより愛をこめて」は大きな意義のある仕事だったと改めて感じたとしても不思議ではありません。それがこのセットリストに表れている、勝手に思ってしまいました。
曲は大野克夫氏です。「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの音楽の立役者宮川泰氏ではありません。宮川氏のメロディはプロデューサーからOKがもらえず、編曲だけにとどまりました。大野氏は当時の沢田氏の主力作曲家、阿久悠氏とのコンビでした。宮川氏には気の毒ですが、そこはチーム沢田に任せて良かったと思います。宮川氏は映画の劇伴で最高の仕事しています、アニメ音楽史に燦然と輝く功績は否定されませんから。
曲は悲しげなバラッドです。映画のラストで流れます。この位悲しげでないと衝撃のラストと釣り合わないでしょう。歌詞は愛を説きます。何しろ「愛の戦士たち」ですし、「愛をこめて」ですから。映画の中の古代進の台詞です、「宇宙は母なのだ。そこに生まれた生命はすべて平等でなければならない。それが宇宙の真理であり、宇宙の愛だ」。いい言葉です。これが「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のテーマとも言える言葉です。これを阿久悠氏風にアレンジし歌詞にしたと考えていいでしょう。
歌詞の中に「宇宙戦艦ヤマト」を思わせる言葉はありません、必要も無かったと思います。それでもタイトルに「ヤマト」を入れたことは重いです。アニソンである事を強く主張しています。そして、その愛をジュリーが歌う。素敵です。私はロックなジュリーの方が好きですが、バラッドも染みますね。発声が独特なので、ナチュラルにエコーがかかっているように感じます。バラッドだと尚更です。じっくり聴いて下さい。
それでは、また。
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