ムー大陸です
私のオススメのアニソンを紹介するアニソン魂のコーナーです。今回は、
「ガッチャマンの歌」
です。
これは昭和のアニソンの定番、名曲中の名曲ですから、今更オススメするのは気が引けますが、今回はこの名曲の歌い方にスポットを当てて話していきます。
とは言え、少しだけ背景について触れておきましょう。「科学忍者隊ガッチャマン」は竜の子プロのアニメ、キャラが妙に筋肉質で、劇画チックに線が太いんです。「新造人間キャシャーン」、タイムボカンシリーズなど一連のアニメの先駆けとなった作品です。悪の組織ギャラクターと戦う5人の科学忍者隊の活躍を描きます。
主題歌も当然ながら、勇壮な曲です。作曲は小林亜星氏。Aメロから魂持っていかれます。サビは最高!一緒に歌いましょう。子供達のコーラスも素敵。一方、竜の子プロ文芸部による自前の歌詞もガッチャマンが躍動する姿が思い浮かぶ様な素晴らしいものです。しかし、何と言っても特筆すべきはボブ佐久間氏によるアレンジ、そしてそれを演奏したプレイヤー達でしょう。昭和のアニソンは名曲と言えど、ともすればサウンドが薄っぺらになりがちですが、しっかりしています。この後触れますが、歌が活きて来るのもこのアレンジの基礎があるからこそです。
さて、最初に言った通り、この歌の歌い方についてです。この歌のオリジナルは子門真人氏による歌唱です。これが実に素晴らしい。例えば、この歌をカバーする場合、本来各々の歌手が好きなように歌えばいいのです。たとえ、それが的外れな解釈に基づいても、歌手のスタイルですから。ただ、この歌の場合、オリジナル子門氏の歌い方を踏襲する向きがあります。それもサビの部分、その歌い方は一つの約束事として受け継がれているように思います。
この歌のサビの歌詞はこうです、
「飛べ 飛べ 飛べ ガッチャマン」
「行け 行け 行け ガッチャマン」
この歌は3番まであります。従って、サビは3回訪れます。1番2番3番のサビを、それぞれ歌い方を変えて歌うのです。具体的には「飛べ」と「行け」の1回目をどのように歌うか、これが変わってくるのです。
1番の1回目の「飛べ」と「行け」は少し跳ねます。聴いて頂くと分かります。文章で表すのが難しいですが、
「飛べ! 飛べ 飛べ ガッチャマン」
「行け! 行け 行け ガッチャマン」
という感じです。
2番のサビは全く跳ねません。メロディに沿って歌う意識です。ですから、文章にすると、
「飛べ 飛べ 飛べ ガッチャマン」
「行け 行け 行け ガッチャマン」
歌詞を示した通りになります。
3番は最後ですから、思い切り跳ねます。
文章にすると、
「飛べぇー! 飛べ 飛べ ガッチャマン」
「行けぇー! 行け 行け ガッチャマン」
と叫びます。
この3番は鉄板です。
もちろん、これは子門氏の流儀です。恐らくは彼なりの工夫なんだと思います。1番はやはりTV放送で流れる部分ですから、適度に跳ねておきます。2番は変化をつけるため、加えて、3番で盛り上げるために敢えてメロディに沿って歌う、そして、最後の最後に大きく盛り上げるという具合です。それが実に素晴らしく、いい感じなので、みんな踏襲し、この歌い方をするのです。
代表的なところでは、串田アキラ氏のカバー。これは完全に上記の通りに歌っています。もちろん、全体的には串田氏らしいパワフルな出来になっていますが、サビの歌い方に関しては子門氏と全く同じ歌い方を意識してやっているのが分かります、リスペクトを感じます。聴いている方もニヤリとしてしまいます。
水木一郎アニキもカバーしています。「GATCHAMAN94」というタイトルでした。こちらは1番の跳ねがやや弱いです。そこは微妙に水木スタイルでしょうか、最後に思い切り吠えたいという。でも、3番で叫ぶパターンは当たり前のように踏襲されています。
「GATCHAMAN`94」 水木一郎
その他、多くの歌手がカバーしています。全部聴いた訳じゃありませんが、基本的には上述のパターンで歌われることが多いです。残念なことに、英語バージョンでカバーされたものは、歌詞が「Fly」とか「Go」になりますから、微妙なニュアンスが吹き飛んでしまった感がありました、全部のサビ一緒に聴こえました。
私は、これはこの歌を歌う作法と考えています。踏襲していないカバーもありますし、従う必要もありませんが、守った方が素敵だよ、そんな風に思っています。
それでは、また
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新曲公開中です!是非聴いて下さい♪
「カラキリクルコロ」
「下剋上」
「春に死のう」