ムー大陸です
私のオススメ洋楽を紹介する洋楽至上主義のコーナーです。今回は、
「Billy,Don’t Be A Hero(悲しみのヒーロー)」
という曲です。
今では全く話題になることのない曲ですから、聴いたこと無い方も多いかも知れません。これは1974年のボ・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズというグループのヒット曲です。しっかりと全米1位に輝いています。
このグループについては、他にTop10ヒットは無く、今では忘れ去られています。曲からもグループからも辿り着きにくいです。あるとすれば、No.1ヒットとかの括りですかね、とにかく、偶然出会う機会はまずないでしょ。
そんな訳で、今日のテーマ「Billy,Don`t Be A Hero」は、私が大好きな曲にもかかわらず、顧みられぬまま消えてしまうのではないかと危惧しております。このまま消えてしまうのは忍びないということで、本日取り上げたいと思いました。
この曲、何と言っても、印象的なのは歌詞です。タイトルを直訳すると、「ビリー、英雄になるな」です。否定の命令文ですね。
歌の背景は南北戦争です。ビリーは徴兵され、戦場へ向かうことになります。彼にはフィアンセがいます。タイトルはそのフィアンセの台詞です。「ビリー、英雄になんてろうとしなくていいから、無事に私のところへ戻って来て、私をあなたの妻にして」、コレです。中々いい歌詞です。
ところが、2番の歌詞では、戦場で彼らの部隊が孤立し、敵に囲まれてしまいます。その時、部隊を逃がすため、誰か敵を引きつける囮の役を引き受けてくれと部隊長が言います。ビリーはフィアンセの言葉を忘れて、それに志願してしまいます。結果、部隊は脱出に成功しましたが、ビリーは戦死してしまいます。
フィアンセの下に彼の戦死を知らせる手紙が届きます。そこには「彼は英雄でした。あなたは彼の死に方を誇りに思って欲しい」と書いてあります。彼女はその手紙を捨てました。と、まぁ、結構シビアな内容です。
1974年と言えば、ベトナム戦争が泥沼化していた頃。この歌は南北戦争を舞台にしてはいますが、ベトナムを念頭に置いていたのは間違いないでしょう。
一方で、曲は明るいポップスです。イントロから軽快なマーチ。1番の歌詞で軍隊の行進が登場するからでしょう。決して明るくない歌詞との対比が効果的です。これを歌ったボ・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズは一応はロックバンドです。ただ、アイドルグループのように全員が同じ衣装を着て演奏するタイプのバンドで、バブルガム系とでも言うんでしょうか、ロック色の薄いサウンドです。いかにも70年代というポップスに仕上がっています。そこがいいところです。今じゃこういうの無いですから、貴重ですよ。
このメロディと歌詞で、人気となり全米1位、ゴールドディスクに輝きました。にもかかわらず、ローリングストーン誌では70年代のワーストソングの8位に選ばれています。人気はあるのに、嫌いな人がいる。反戦で愛国心に欠けるから、身内が戦死したなどの理由はあるかも知れません。ただ、それ以前に歌詞が狙い過ぎている、ベタ過ぎるなどが理由でしょうか。ちょっと分かる気はします。
実は、この曲はカバーです。オリジナルはこれまたペーパーレイスという今では忘れ去られたバンドです。イギリスのバンドで、イギリスではこのオリジナルが大ヒットしてます。
ペーパーレイス盤
正直、このオリジナルの出来は酷いと思います。フィアンセの台詞を高音ヴォーカルが歌ったりするアレンジはやり過ぎ感満載で、ゲンナリします。ボ・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズ盤にも多少そういう面はあって、そこが聴く側の恥ずかしさを誘う部分があるように感じます。ただ、私はその野暮ったいところも含めて好きなんですけど。
ちなみに、ペーパーレイスはこの曲のオリジナルをアメリカでヒットさせることは出来ませんでした。最高位96位と惨敗です。が、同年、「The Night Chicago died」という曲を1位にし、アメリカでも成功しました。確かにその曲の方が普通ですが、それでもやり過ぎが鼻につくバンドであることが再確認出来ます。
「The Night Chicago Died」 ペーパーレイス
とりあえず、両方のバージョン聴き比べてみて下さい。私はボ・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズ盤支持です。どうですか?
それでは、また。
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「NSA」
「下剋上」
「春に死のう」