ムー大陸です
今回のテーマは、
ブラス・ロック
です。
1970年代初頭、ブラス・ロックなるジャンルがありました。
70年代初頭はビートルズという巨星が消えて、ジャンルが細分化したところがありました。サンタナはラテン・ロック、デヴィッド・ボウイはグラム・ロック、キング・クリムゾンはプログレッシブ・ロックなどなど。
その中で、どれほど一つのジャンルとして確立したかは定かではありません。当時をリアルタイムで知っているわけではないので。ただ、ロックの歴史みたいな本を紐解くと、確かにブラス・ロックという一派が存在して、ロック史の年表などにも名を残しています。ウィキペディアにもちゃんと掲載されています。
そこにも書いてありますが、ブラス・ロックとは基本的に名前からも分かるように、ロックの楽曲にブラスセクションを大胆にフィーチャーしたものです。
通常、ブラス・ロックのバンドとして名前が挙がるのは、
シカゴ
ブラッド、スウェット&ティアーズ
などです。
デビューしたばかりのシカゴはブラスの印象強いです。名曲「25 Or 6 To 4(長い夜)」はカッコよくブラス入ってます。なるほどブラス・ロックっていう名前も分かるような気がします。
ブラッド、スウェット&ティアーズの「Spinning Wheel」。あの有名なイントロはブラスの印象強いです。
チェイスの「Get It On」はかなり大胆にブラス入ります。ブラスを軸にアレンジが構成されています。
ウィキペディアをご参照いただくと、ブラス・ロックのアーティストとして他にも名前が挙がっているのですが、どうもピンと来ません。
例えば、グラス・ルーツ、彼らの代表作「Let‘s Live For Today(今日を生きよう)」を聴く限りではブラスの色はありません。
その他の曲では確かにブラスが入ったものもありますが、それを以てブラス・ロックと呼ぶのかと言う程度のものと感じました。
ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズ。こちらも代表曲「Don`t Pull Your Love(恋のかけひき)」を聴くと、イントロからブラス入ってます。しかし、ストリングスも入ってますし、これ普通のアレンジの範囲内と思います。ブラス強調されてない。
あるいは、バッキンガムズ。大ヒット曲「Kind Of Drag」もイントロからブラスは入ってますけど、ブラスでなきゃダメっていうものじゃなくて、80年代以降だったらシンセだったんじゃないかと思ってしまう。
シカゴ、BS&T、チェイスは確かにブラス+ロックを感じなくはないのですが、その他には見当たりません。この3バンドだけで、ブラス・ロックという一つのジャンルを確立したのでしょうか?
どんなジャンルでも代表的なバンドは3つ4つ程度なのは承知しています。わざわざそんな事を言うのは、別に一つのジャンルではなく、アレンジのアイディアなのではないかと思うからです。
例えば、ビートルズの「Got To Get Into My Life」は正にブラスを大胆に取り入れています。
だからと言って、あの曲をブラス・ロックの元祖などとは言わないのです。あれはいくつもあるアイディアの一つであり、大掛かりにそれをジャンルとして確立したわけではないのです。ビートルズは他にもストリングスを大胆に取り入れました。例えば、「Eleanor Rigby」をストリングス・ロックなどとは呼びません。
ビートルズは確かにロックバンドではありますが、彼らが作った楽曲が全て音楽的にロックそのものなわけではありません。彼らの音楽性は多岐に渡っています。ストリングスを導入して出来た「Eleanor Rigby」はロックの枠から外れたと考えていいでしょう。
同じように、ブラスを導入したら、ブラス・ロックが出来上がるのではなく、ロックの枠から少し飛び出て、ファンク、ソウル、R&Bになることも考えられます。となると、ブルーアイドソイウル(白人のソウル)とも極めて近いものとも言えます。
70年代初頭、既にスライ&ザ・ファミリーストーンが活躍していました。彼らは位置付けとしてはブラック・ミュージック、ファンクであり、ロックバンドではないのでしょう。ただ、60年代のモータウンとは一味違う新しいブラックミュージックです。何が新しいかはいくつかありますが、一つの特色として感じるのは「よりロックに近い」ということです。
70年代のこの時期となるとロックと他の音楽との境は以前に比べてより曖昧になって来ています。どこまでがロック、どこまでがブラックミュージックと一概には分離出来ないことろまで進んでいます。1972年にはスティーヴィー・ワンダーの「Supestition(迷信)」が登場します。
誰もスティーヴィーをロックとは言いません。しかし、元々、これはジェフ・ベックのために書かれたものです。あまりにも出来が良かったので、ビジネスサイドが反対してスティーヴィー自身がシングルカットしたと聞きます。後日制作されたジェフ・ベック盤があることからも分かるようにロック、ブラックの境は無いようなものです。「Superstition」は70年代の新しいブラックミュージックの姿だったし、ブラス・ロックという名前を使うとしたら、ブラス・ロックのあるべき姿であるとも思います。
なので、そもそもブラス・ロックなんて言うものはアレンジの一つと考えるべきであり、もし、それを突き詰めていったとしたら、ブラックミュージックとの融合になっていくのだと思います。そう考えると、シカゴのそれは楽曲アレンジの手法だと思います。現にその後、バンドのスタイルは変化していきました。BS&Tも同様にアレンジの選択、チェイスはよりブラックミュージックへの傾倒が強く感じます、そちらの範疇に入れても構わないと思います。
従って、ブラス・ロックと言う名前をロック史に刻む必要があるのかと疑問に感じます。と、言うか必要ないという結論で。
それでは、また。
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「下剋上」
「春に死のう」
「あやかし」